未踏県の旅2021【其の弐】高知2021/5/20-21
未踏県の旅2021、高知県の二日目(最終日)です。
高知の夜
緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象から外れている高知県は、四国で唯一、飲酒店の営業時間短縮要請が出ていない県のようです。新規の感染者数は、一桁〜20名程度で推移(5/20は10名)しています。それでも、建物内や公共交通機関でのマスク着用は徹底され、感染拡大防止は強く意識されています。
それを狙って高知に来た訳ではないものの、昨夜は美味な食事をいただき、久しぶりにバーでお酒を愉しむことも出来て大変満足でした。バーで色々と教えていただき、シメには、屋台発祥の名店でビールと餃子までいただきました。おいしい食の情報は地元の方から教えてもらうのが一番です。
桂浜
昨夜は調子に乗って飲み過ぎてしまいました。朝の5時過ぎには目が覚めたものの、外は昨日に引き続いて雨模様です。結局8時過ぎまでテレビを観ながら、ホテルでだらだらと過ごしました。ゆっくりと支度をして、はりまや橋みなみのバス停へと向かい、9時37分発の桂浜行きのバスに乗りました。
あいにくの小雨ですが、桂浜を楽しむなら、多少波が荒れた曇天の方がいいと昨夜のバーで聞きました。これからの時期は、快晴だと砂浜からの照り返しがきつくてかなり暑いらしいのです。
悪天候のせいなのか、新型コロナのせいなのか、バスターミナル近くには観光客らしき人々は誰もおらず、閑散としていました。高知観光の目玉の観光地の一つも、旅行客の激減でかなり打撃を受けているものと想像します。
まずは、坂本龍馬像へ。巨大だとは聞いていましたが、確かにデカい! 顔は東京の皇居の方角を向いているのだそうです。
砂浜へと下りる階段は急でした。いい感じに波が打ち寄せているのが一望できて、なかなか雰囲気があります。何度も写真や動画で目にしてきた弓状に弧を描く美しい砂浜です。前方に龍王宮を望むアングルにはぐっときます。
砂浜の真ん中あたりには、土佐出身で明治〜大正の文人、大町桂月の石碑がありました。旅と酒を愛し、飄逸洒脱(飄逸=世俗のわずらわしさを気にしないでのびのびしていること。洒脱=俗気がなく、さっぱりしていること。あかぬけしていること。デジタル大事泉より)だったという桂月先生の生き様は興味深く、見習いたい人です。
竜王宮(海津見神社)から見る景色も圧巻でした。神社へ向かう分岐点まで戻り、急な階段と坂道を上って、坂本龍馬記念館へ向かいます。
坂本龍馬記念館
坂本龍馬記念館は、長宗我部氏の居城であった浦戸城跡の丘の麓に立っています。桂浜を見下ろせる最高のロケーションです。昨今の事情が考慮され、龍馬像との握手はできません。
館内は空いていて、展示物を思う存分ゆっくり観て回ることが出来ました。龍馬の生涯を追う限り、桂浜の地と深い縁があったようには思えないものの、イメージ的に『龍馬ファンの聖地』のようになっており、マーケティング的にかなり成功しているように思います。
龍馬は土佐藩の厳格な身分制では、下級武士に位置付けられていたものの、商売で成功した経済的には裕福な家に生まれ育った、いわゆる「お坊ちゃん」でした。末っ子として乙女姉さんから愛情を注がれて育ったことが、龍馬のおおらかな人格に影響していることを感じます。
龍馬は、江戸に二回遊学しています。外志向が強く、土佐には収まりきらずに脱藩もしています。内志向が強く上下関係に煩くて封建的な風潮もあったふるさと土佐への思いはさほど強くないように感じられます。それでも、高知=土佐=坂本龍馬、のようなイメージ形成に成功しています。
中岡慎太郎とともに密使に襲われ、最後の場所となった近江屋の模型が展示されていました。この模型は、ソフトバンク・グループの総帥で、坂本龍馬を熱烈に信奉していると言われる孫正義氏の寄贈です。
高知旅行 まとめ
あいにく天気には恵まれなかったものの、考えていた観光スポットは全て回ることが出来ました。観光には不適切な時期だったので、混雑もなく、たっぷり時間をかけて鑑賞することが出来ました。
至る所に、清々しいくらい龍馬がフィーチャーされていて、高知観光に貢献していることがよくわかりました。『リョーマの休日』という観光キャンペーンはさすがにやり過ぎではないか…… と思ったものの、高知へのフックを、郷土の偉人で国民的人気を誇る龍馬一本に絞り込む戦略なのでしょう。実際に足を運べば、高知は楽しめる要素が一杯詰まっている場所だと感じ、かなり気に入ってしまいました。
これで47都道府県を踏破です! 長らく外向き志向で海外かぶれでしたが、日本国内の魅力を知らないだけだったことを痛感します。今の日本は、物価は諸外国より割安ですし、治安もいい。ことばの問題がありません。10代、20代なら、そんな易きに流れずもっと世界を視ろ!、というところですが、色々経験を積んだ50代の今は、日本の魅力をもっと濃く楽しみたいです。
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