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人類は地球の重力に丁度いい大きさ

本日は、昨日(2021/6/9)行ってきた『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』の感想とその時に思ったことのまとめです。

不思議なワクワク感

2020年12月19日から2022年3月31日まで、横浜の山下埠頭で開催される『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』に行ってきました。偶然思い立って立ち寄ったので、事前予約もしていなかったものの、平日の午前中だったので、入場制限もなくすんなり当日券で入場できました。

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機動戦士ガンダム40周年の記念プロジェクトとして2019年にスタートしたものです。FACTORY内は、高さ18mのGUNDAM RX78-2型が収められているGUNDAM-DOCKと、開発プロセスや設計、構造の解説スペースやカフェなどが連なるGUNDAM-LABから構成されています。

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私は、『機動戦士ガンダム』シリーズに一度も嵌まることがありませんでした。大体のストーリーや、アムロ・レイ、”赤い彗星”シャア・アズナブルなどの主要なキャラクターは薄く知っていますが、熱狂的でマニアックなガンダム・フリークたちが熱く繰り広げるトークと世界観には全くついていけません。そのような場に出くわすと呆然となって、疎外感を感じます。

入場前はそんな不安もあったのですが、杞憂でした。素直に興奮しました。少年時代にガンダムに熱狂し、いい年齢になったオトナたちが結集して、真剣にこのプロジェクトに取り組み、細部まで徹底的にこだわって作り上げた精巧さには敬服しました。この活動に従事して、目一杯の情熱を注げることができた人たちを羨ましく思いました。

原作者、富野由悠季氏のことば

高揚した気分でガンダムの起動実験を見守り、会場を後にしようと出口近くで目にした原作者・富野由悠季氏のメッセージにはっとさせられました。

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いきなり、ガンダムが歩かないことについての謝罪からはじまります。そして、技術的限界からどうしても歩かせることを実現できなかった理由、法規的制約があることの説明に大半が費やされていました。

そして、次の世代を担う子どもだちには、今回のオトナの無力さ、不甲斐なさ、無念さを感じ取って、解決して欲しいというメッセージ、最後にアニメの世界のガンダムは実現できなかったものの、ゆっくりとしか動かない”優しいガンダム”もいいなあと思っていることが綴られていました。

来場者へのメッセージとしては、かなり異質だと感じたものの、”スゴいなあ……”と思いました。LAB内にも、映画監督の押井守監督が『どうせならザクをやって欲しかった』というコメントを寄せていて、こういうファンタジーの世界に身を置く人たちって、ネジが取れてるのかもなあ、と変に感心してしまいました。

人間が生存している訳を思い描く

富野氏のことばを読んで、普段は全く意識しない重力の問題を思いました。人間が左右の足を交互に踏み出して二本足走行することは、途轍もなくすごいことなのだと気付かされました。

足を浮かせて踏み出す瞬間、もう一方の片足が自分の全体重を支えている(踏ん張っている)、という感覚は意識していないと思い至りません。そして着地する瞬間に、衝撃が大地と自分の脚に及ぶことも意識しません。これを意識せずにできる人間は、凄い存在ともいえそうです。

図体の大きな動物の動きが緩慢なのは、それぞれの動きにかかる荷重の大きさが影響していること、高層ビルが荷重を支える目的で地下に根を張る構造を採用していることも富野氏のメッセージから腑に落ちました。

もしも、人間ひとりひとりの図体が大きくて、動くたびに地球に多大な影響を及ぼす存在であれば、これだけ大勢の人間が地球上に存在することはできず、早々に絶滅していたかもしれません。最近では、テクノロジーを動員して、地球の重力を克服するための挑戦がずっと続いています。

その観点から眺めれば、人間同士の身長の高い低い、体重の重い軽いの差異なんて、誤差の範囲なのかもしれません。人類が、地球にとって概ね「丁度いい」サイズだったので、地球上で繁栄を極められたのかなあ…… と妄想を膨らませながら、横浜に向かう帰りのシーバスに乗っていました。

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