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『天外者』『NETFLIX 世界征服の野望』を観る

12月14、15日は、二日連続で映画館で映画鑑賞を楽しんできました。14日は『天外者』、15日は『NETFLIX 世界征服の野望』を観ました。記憶が生々しく残っているうちに鑑賞記を残しておきます。

『天外者』〜三浦春馬さんの熱演

『天外門』は、2020年7月に30歳の若さで亡くなった三浦春馬さんが、幕末から明治にかけて活躍した五代友厚の半生を演じた作品です。天外者(てんがらもん)とは、薩摩の方言で、『すごい才能の持ち主』という意味のようです。

五代友厚(幼名:才助)は1836年薩摩藩武士の子として生まれ、1885年49歳で病没しています。明治初期に近代日本産業の礎を築いた功労者のひとりで「東の渋沢、西の五代」と言われた著名な実業家です。

恥ずかしながら、私は五代という人物の存在を、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』で、ディーン・フジオカさんが役柄を演じて、人気を博したことで知りました。

本作での五代は、自信家で将来を見通す才覚に優れ、誰もが夢を持てる社会の実現に奔走した高徳の人物として描かれています。三浦春馬さんがこの役柄に相当に入れ込んで演じたであろうことが、画面から十二分に伝わってきました。芯が強く、正義感の強い様はぴったりハマっていました。

一方で、同居していたと思われる商売感覚が鋭く、辣腕を奮ったアクの強さや自信満々な傲岸さは薄れています。謙虚で好人物の印象が強かった三浦さんにそれを求めるのは酷な感じも受けました。

脇を固める人物に、坂本龍馬(三浦翔平さん)、岩崎弥太郎(西川貴教さん)、伊藤博文(森中悠希さん)という歴史上の偉人を登場させ、語り部役を英国人商人、トーマス・グラバー(ロバート・アンダーソンさん)にさせています。各役者さんは、それぞれにいい味を出していて光る演技を見せています。個人的には、料亭女将を演じた、かたせ梨乃さんが五代に啖呵を切るシーンは迫力があって痺れました。

五代の半生を物語に仕立てあげるにあたり、色々な要素を詰め込む必要があるので、演出上、史実からは逸脱している部分は目につきます。でも、それを指摘するのは酷というものでしょう。

『NETFLIX 世界征服の野望』

サブスクモデルの勝利者として、世界で最も成功している企業であるNETFLIXが題材の映画です。同社の現CEO、リード・ヘイスティングスの共同創業者で元CEOのマーク・ランドルフら初期のスタートアップ時代のメンバーや、激しい争いを繰り広げたレンタルビデオ業界の巨人、ブロックバスターの関係者らが当時の裏側を語るドキュメンタリー形式になっています。

NETFLIXの創業から現在に至る物語は、コンテンツ業界のみならず、ビジネスに携わる全ての人たちにとって参考になる内容だと感じます。業界の壁、既存ビジネスの壁の打ち壊し方は大いにタメになるでしょう。面白かったし、部隊の裏側を知るような楽しみがありました。ただ、映画館に足を運んでまで観る価値があるかは疑問です。飛行機の機内サービスや移動中にNETFLIXで観ることをお奨めします。

企業モノ映画はこれからもニーズがありそうです。一種の宣伝映画だと言えなくもありませんが、日本のベンチャー企業のドキュメンタリーは、ビジネスとして需要があると思います。

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