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芸人 徳井健太のポジショニングに学ぶ

最近になって、その人生観や人柄、生きる姿勢に興味を持った芸人が平成ノブシコブシの徳井健太さんです。その謎の魅力を考えてみたいと思います。


きっかけは腐り芸人企画

お笑いコンビ、平成ノブシコブシで目立つのはテレビへの露出度が多い相方の吉村崇さんの方です。テレビ番組内で徳井さんは口数も少ないし、不思議系キャラクターで、「よくわからない芸人」という印象を持っていました。自然に目に飛び込んでくる芸人さんではありませんでした。

徳井さんに興味を持つきっかけになったのは、amazon primeで観た『ゴッドタン』(2018年版)の「腐り芸人セラピー」企画です。腐り芸人セラピー界のパイオニアの一人として、ハライチの岩井勇気さん、インパルスの板倉俊之さんと共に何とも言えない存在感を発揮していました。

「オレが、オレが…」と前面に出て爪痕を残そうとしてくる訳でもなく、かといって陰キャラで斜に構えた風でもなく、コメントしている内容や熱量や毒量が適切で、「おもろい人やったんやなあ」と興味を惹かれました。

調べてみたら…

徳井さんは吉本興業の所属で、数多くの売れっ子を輩出しているNSC大阪22期生/東京5期生のひとりです。同期には、ピース、キングコング、NON STYLE、山里亮太、ダイアンなど錚々たる売れっ子がいます。カジサック(キングコング・梶原雄太)との同期対談動画にも出演していて、存在感を醸し出しています。

Googleで「徳井健太」を検索すると、「分析」「離婚」「小説」「イケメン」「サイコ」「アイドル理論」といった字句が出てきます。ちょっと不穏な香りがしてきます。

『平成ノブシコブシ徳井健太の菩薩目線』というコラムも書かれています。幾つか読みましたが、独特の視点で面白かったです。

自分を知り、周囲が見えている強み

徳井さんは「自我」がさほど強くないと言います。圧倒的に自分より実力が上の人間と競いたいとも思っていない、と真顔で言い切っています。自分が周囲から求められていることを冷静に咀嚼して、一生懸命応えることだけに注力していると言います。地に足が付いていて、いい姿勢だなあ、仕事力高いなあ、と感じました。

今は、徳井さんの笑いや芸に対する客観的な状況分析とコメント力がじんわりと評価されているようです。一般論で切り捨てるのではなく、個々の芸人目線からの寸評が多いので刺さるのでしょう。今後も活動スタンスはあまり変わらないでしょう。息長くやって欲しい芸人さんです。

「オレが、オレが」が嫌な感じで出てしまうと、周囲からは浮いた存在になりがちですし、いじられキャラや自虐観が強過ぎるキャラは飽きられた時に痛々しさが残ります。徳井さんは無意識で自然体なのかもしれませんが、うまいポジショニングを取ってるなあ、と感じています。
















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