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金曜日の随筆:”ゆるFIREしている先輩”の話

また運命を動かしていく金曜日がやって来ました。2021年のWK20、卯月の弐です。本日は、私が会社員を辞めると決断した後、ベンチマークして参考にしまくった先輩の話をさせて頂きます。因みにその方とは面識も交流も一切なく、私が勝手に慕っているだけの関係です。

今週の格言・名言《2021/5/10-16》

Pay happiness forward to people you don't even know.
見知らぬ人に幸せを譲る。

The most important thing in communication is to hear what isn't being said.
コミュニケーションで最も大事なのは、言葉にされないことに耳を傾けることだ。

Peter Drucker    business scholar/Austria

ピーター・ドラッカー 経営学者/オーストリア

Abema TVでの再会

私がこの記事で、ご本人の許可も取らずに”ゆるFIREしている先輩”と呼んでいるのは、『TIME IS MONEY キムのセミリタイア日記』というブログを運営されている金村圭介(김 용규)”キム”さんです。

YouTubeを漁っていたら、Abema TVの番組”#アベプラ”に、”ゆるFIRE"の実践者としてキムさんが出演されているのを偶然見つけました。御本人のブログを確認しましたが、出演時はかなり緊張されていたようです。

FIREはサバイバル術

番組は、最近話題のFIRE(Financial Independence, Retire Early)の議論をする為、格好の肩書 ~約4000万円の資産を貯めて32歳で公務員を辞め、現在は日雇いなどをしながら悠々自適の生活をしている~ を持つキムさんを担ぎ出したようでした。

キムさんが公務員時代から書かれていたブログを熱心に読み込んできた私としては、番組構成には不満でした。パッくん(タレント)が真っ当な常識人代表的な質問をぶつけ、若新雄純さん(実業家、プロデューサー)が社会の本質をズバッと語り、渡辺瑠海さん(テレビ朝日入社2年目のアナウンサー)が組織人ならではの発言をしたりする場面は面白かったものの、キムさんがなぜ早期リタイアを決意し、どうやって目標を達成したのか、についての掘り下げは殆どありませんでした。

私の理解では、キムさんの実現した早期リタイアは、自分自身を徹底的に客観視し、俯瞰した結果、自分で編み出した唯一無二のサバイバル術です。キムさんは過去のブログで「自分は致命的なほど仕事が出来なかった」ということを、自身の経験を紹介しながら何度も書いています。

私がキムさんのブログに惹かれたのは、そういう状況でこれから先も働き続けることが、自分のこれからの人生にとっていかに不毛であるかを悟って早期リタイアする決意をしたこととその実現方法を徹底的に研究し、愚直に実践する姿勢が素晴らしいと思ったからです。

ブログでは、キムさんを見下したような酷いコメントを繰り返すアンチにも柔軟に対処していて、毎日律儀に更新される投稿を読みながら、立派だなあと思っていました。

FIREを目指していた私

私は、FIREということばが定着する以前から、お金の為に働く必要のない経済的な自由を早期に確立し、その後は自分の好きなことに時間もお金も使う生活をするのが理想だなあ、と漠然と考えてきました。

私は働き始めた早い段階で、自分は会社からポイ捨てされるタイプの人間だろう、という予感がありました。会社から求められていないのに、会社にしがみつくしか選択肢のない生き方は絶対に嫌でした。晩年になって組織から不遇な扱いを受けたり、惨めな思いを感じた時には、すぱっと辞められるように数年間は持ち堪えられる経済基盤を固めておくことはマストだ、と思っていました。

「仕事の出来ない奴」と思われたくないというプライドは人一倍強かったので、仕事には真面目に取り組んだ自負はあるし、会社員を続けることで得た恩恵は間違いなくありました。会社員人生が割と順調に進んでいると感じていた40代半ばまでは、自分自身への懸念も忘れていました。

ベンチマークする先輩

キムさんのブログに出会ったのは、丁度、会社員としてのキャリアが下り坂に入り、毎日が悶々としてつまらないと感じ始めた頃でした。「自分に似た考えを持ち、きちんと言語化し、そこから抜け出す為の周到な計画を作り、愚直に実践している人がいる」ことに勇気を貰い、徐々に「もう会社員はいいや」という気持ちになっていく一因になりました。

キムさんは、自分が嫌だと感じる環境から脱け出す方法を深く深く考えていました。早期リタイア=逃げるという目標が明確で、綿密な計画を持っていれば、足元の辛い現実から目を逸らす術にもなります。私は、彼の方法論をベンチマークして、会社員卒業の計画を立てるようになりました。もしも、彼のブログに出会わなければ、堂々巡りをしながら、今も悩んでいた可能性は大いにあります。

FIREは、生き方のセーフティネットの一つかなあ、という気がします。






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