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2020箱根駅伝(往路)

本日無事に51歳と224日目、無職44日目を迎えることが出来ました。感謝!

駅伝観戦三昧の二日目は第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(往路)です。いよいよ決戦です。今年のレースも数々のドラマがありました。

2019年大会のおさらいと今大会の事前予想はこちらをご覧下さい。

第1区 21.3㎞ 大手町〜鶴見

気温7℃、軽い追い風という絶好のコンディション。当日のメンバー変更で各校の1、2を争う実力者がこの区間に集まりました。

早稲田大学・中谷雄飛選手、東海大学・鬼塚翔太選手、青山学院大学・吉田圭太選手らを中心に、スタートからハイペースでの展開になりました。10㎞過ぎに優勝候補の一角で過去二年連続1区の区間賞を獲得していた東洋大学の西山和弥選手が集団から遅れる波乱の展開となりました。今季ケガの影響で本調子ではない西山選手は、出雲、全日本と失敗レースが続いていました。不安が的中した格好です。

勝負所の六郷橋の下りを過ぎて、先頭集団の中で控えていた國學院大学の藤木宏太選手がスパートしてリードを奪いますが、残り1㎞から冷静に追い上げた創価大学・米満怜選手が中継所手前で逆転し、区間記録に迫る好タイムで区間賞を獲得しました。1区での区間賞は創価大学史上初の快挙です。

2位は國學院大学、3位は池田耀平選手が粘った日本体育大学。優勝を狙うチームでは、東海大学が10秒差の4位、青山学院大学が18秒差の7位とまずまずの位置で滑り出したものの、主将の中村大聖選手が走った駒澤大学は54秒差の9位、西山選手が苦しんだ東洋大学は2分2秒差の14位と出遅れ、いきなり厳しい展開です。

区間賞 1時間1分12秒 米満怜(創価大学)

第2区 23.0㎞ 鶴見〜戸塚

首位で中継した創価大学の2区、留学生のムイル選手は10000m27分台のベストタイムを持つ実力者。先頭でリードを広げるかと思いましたが、前半は慎重な入りで、追走してきた6校が追い付き、集団走の展開になります。

後方からは出遅れた東洋大学の相澤晃選手と東京国際大学の伊藤達彦選手が並んでハイペースの追撃を開始します。監督車からの指示でこの状況を察知した國學院大学の主将、土方英和選手がペースを上げて、先頭集団を引っ張ります。距離が進むにつれて、日本体育大学の山口和也選手、中央学院大学の川村悠登選手が集団から振り落とされ、権太坂の上りでは創価大学・ムイル選手も後退し、國學院大学、東海大学・塩澤稀夕選手、青山学院大学・岸本大紀選手、早稲田大学・太田智樹選手の4人の争いとなります。

"戸塚の壁"と言われる最後の上りで、青山学院大学が抜け出し首位を奪取。秒差で早稲田大学、東海大学、國學院大学が次々と中継。帝京大学の星岳選手はあえて先頭集団に加わらずにマイペースを維持する頭脳的な走りで、前からこぼれ落ちる選手を次々と抜いて5位をキープしました。

トップから37秒差の7位まで追い上げた相澤選手は1時間6分を切る大記録を樹立しました。最後まで競った伊藤選手も1時間6分台で走破しました。岸本選手は1年生歴代最高タイムを1分以上も更新する殊勲の走りです。駒澤大学は三年連続2区の山下一貴選手が区間13位と奮わず、13位に転落しました。

区間賞 1時間5分57秒=区間新 相澤晃(東洋大学)

第3区 21.4㎞ 戸塚〜平塚

トップでタスキを受けた青山学院大学の主将、鈴木塁人選手が積極的な走りを見せました。前半食らい付いてきた早稲田大学のルーキー、井川龍人選手を振り切ると、区間記録を上回るハイペースで先頭を牽引します。 

ところが、8位でタスキを受けた東京国際大学のヴィンセント選手が圧倒的なスピードで爆走し、あっさりと首位を奪取。コース後半の湘南海岸沿いの道路に出ても健脚は衰えず、59分台の驚異的な区間新記録で走破し、2位の青山学院大学に1分21秒差をつけました。コンディションも良かったもののワールドクラスの記録です。2位は青山学院大学が死守。

主力の青木祐人選手が額面通りの走りを見せた國學院大学が3位に進出、帝京大学が、期待の遠藤大地選手の区間新記録(2位)の走りで、4位にあがってきました。5位は西川雄一朗選手が2つ順位を落としたものの、粘りの走りを見せた東海大学。ここまで下位で苦しんでいた駒澤大学が、注目のスーパールーキー、田澤廉選手の区間新記録(3位)の快走で、順位を6位まで挽回してきました。

区間賞 59分25秒=区間新 Y. ヴィンセント(東京国際大学)

第4区 20.9㎞ 平塚〜小田原

東京国際大学、佐伯涼選手が首位をひた走るものの、2区でタスキを受けた青山学院大学の四年生、吉田祐也選手が快調なペースで追走。13.8㎞地点で追い付くと、逆転してそのまま引き離す殊勲の走り。東洋大学・相澤選手が前回出した大記録を20秒以上更新する堂々の区間新記録を打ち立てました。

抜かれたものの東京国際大学は2位を死守。3位争いは帝京大学の主将、岩佐壱誠選手に競り勝った東海大学・名取燎太選手が先着。國學院大学が5位、駒澤大学は6位を守り、大健闘の創価大学が7位。東洋大学は、渡邊奏太選手が走行中に怪我をするアクシデントで区間最下位の大ブレーキを起こし、14位まで転落する大誤算となりました。

区間賞 1時間0分30秒=区間新 吉田祐也(青山学院大学)

第5区 20.8㎞ 小田原〜芦ノ湖

首位に立った青山学院大学は、昨年8区2位と好走した二年生の飯田貴之選手が初めての5区を好走。昨年区間新記録を出し、前評判の高かった國學院大学・浦野雄平選手、東海大学・西田壮志選手を相手に、箱根山中の本格的な上りに入ってからも、全くひけを取らない走りを披露し、区間新記録(2位)で三年振りの往路優勝テープを切りました。

2位には浦野選手が三人抜きの國學院大学、3位は下りに入ってから東海大学を抜き返した東京国際大学。ゴール手前で4位に落ちた東海大学は首位から3分22秒差となり、優勝を狙う復路は少々苦しい展開となりそうです。

明治大学が鈴木聖人選手の好走で5位に食い込み、6位には帝京大学。創価大学が健闘の7位。駒澤大学は順位を2つ下げて8位。東洋大学は、初出場の宮下選手が区間新記録(区間賞)を更新する走りで11位まで盛り返し、シード権獲得に望みを繋ぎました。

区間賞 1時間10分25秒=区間新 宮下隼人(東洋大学)

往路成績

① 青山学院大学 5時間21分16秒=往路新
② 國學院大学 5時間22分49秒=往路新
③ 東京国際大学 5時間24分33秒=往路新
④ 東海大学 5時間24分38秒=往路新
⑤ 明治大学 5時間27分11秒

総評

絶好のコンディションにも恵まれて、区間新記録が連発される史上最速のレースが展開されました。各チームの強化、シューズの進化によって年々選手のレベルアップが進んでいる印象です。國學院大学、東京国際大学、創価大学など新興チームの躍進が目立ったレースでした。

青山学院大学がレース巧者ぶりを発揮し、前回失速した4区、5区を修正し、ミスのない駅伝をしたのはさすがでした。逆に、東洋大学、駒澤大学は期待されたエースは前評判通りの地力を発揮したものの、失速する区間が複数出た影響で下位に沈む結果となりました。優勝候補筆頭の東海大学は、ブレーキではないものの、どの区間でも今一つインパクトに欠ける成績に終わったことが敗因でしょう。

各校の実力が拮抗し、一つのミスも許されない群雄割拠駅伝になってきています。どのチームも、10000m 28分台、ハーフ 1時間3分台の記録を持つ選手を複数擁していますし、前半からハイペースで突っ込んでも最後まで持続できる強さを持つ選手も増えています。1㎞3分のイーブンペースで走ればいい時代は終わったようです。

明日の復路が楽しみです。

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