ESG投資を調べた感想
本日は、『ESG投資を調べた感想』を書き残します。
個人研究テーマで触れてみたESG投資
昨年10月から、企業での業務と信州大学のリサーチフェローとの二足の草鞋を履く生活をしており、今月末には研究成果の発表を行うことになっています。私の研究テーマの周辺知識として少し調べる必要があったのが、ESG投資でした。
ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。ー 経済産業省HP
用語の説明に毛が生えた程度しか掘り下げる余裕はなく、ネット上で検索できた解説記事を数本読んだだけの知識しかありません。そんな中途半端な段階で意見するのもなんですが、私には「素晴らしい」とは称賛できない、というのが偽らざる感想です。
モヤッとした理由
モヤッとしてしまった理由はわかっています。それは、投資する=金を出す方が、上から目線で、投資を受ける方=起業家・実業家を選別する理論のように感じるからです。投資を生業とする人々がその事業に投資する目的は、どんなに美辞麗句や綺麗事を並べても、投資した金額を回収し、資本を増大させる(儲ける)ことにありますから、益々金融資本主義の優勢・強化を図るための道具ではないのか? と考えてしまいました。
ESGへの関心が高くなること自体は大賛成です。行き過ぎた法人偏重資本主義への牽制に繋がるからです。企業が利益獲得を最大目的に活動する存在で、社会に負の遺産も生み出してきたことは、歴史的に間違いありません。環境・社会・ガバナンスに配慮する義務を課し、経済活動の節度に枠を嵌めることは、社会全体にとってはよい方向に向かいそうな仕組みだと思ったのは確かです。
投資家が法人から消費者に肩入れを変えただけ?
気に入らないのは、ここで主導権を握るのが、影響力のある巨大な投資家であるということです。投資家には、政治や行政なども含まれそうです。これまで法人と蜜月状態で、利益追求に追い立てていた投資家群が、利益獲得の為なら暴走しがちな一部の法人を排除し、被害を受ける消費者(自らを含む)の権利にも配慮する方向転換した、という風に見えます。
投資家の方針変更には、このままでは地球環境が持たないという問題意識も大きいのでしょう。繰り返しになりますが、環境・社会・ガバナンスを重視することはよい流れだと思うものの、その目的は投資家に気に入られること、という構造がどうも気に入りません。私の理解が浅薄な可能性もあるし、ナイーブ過ぎることを言っている、という自覚もあります。信頼できる書物を幾つかあたって、もう少し自分の意見を掘り下げてみたいと考えています。
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