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第98回箱根駅伝予選会 観戦記

2021年10月23日に、来年の1月2日、3日に開催される第98回東京箱根間往復大学駅伝競走に出場できる10校を選ぶ予選会が、陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース(21.0975km)で行われました。その観戦記を記します。

箱根駅伝を目指すチームの激突

箱根駅伝の本大会は、前回10位までに入り、予選会免除のシード権が与えられた10校と予選会を勝ち抜いた10校を合わせた20校、それに本戦に出場できないチームから、予選会個人順位の高い選手を中心に選抜されたオープン参加の関東学連選抜チームを加えた、全21チームで争われます。

近年は実力拮抗で、かつての出場常連校や伝統校でも、なかなか本戦出場ができないケースが増えています。昨年の予選会では、上位通過が確実視されていた中央学院大学が12位に敗れる波乱もありました。

レース寸評

昨年は雨の降る肌寒い天候の中で行われましたが、今年は晴天に恵まれました。しかしながら、風が強く、気温も高い難コンディションです。

レースは、各チームから12名がエントリーされ、上位10名の合算タイムで争われます。大部分のチームが、タイムを稼ぐ役割を担うエースをフリーで走らせ、中堅以下の選手たちはペースを守っての集団走を行います。予選通過には、10人の選手が持てる力を発揮することが重要なカギで、スーパーエースが快走してタイムをいくら稼いでも、チームの8~10番手にブレーキが出て、大きく遅れる選手が出てしまうと致命傷になります。

レースは、予想通り外国人留学生が先行しますが、風の影響もあって想定よりはややスローな展開で進みます。それでも距離を踏むごとに日本人大集団との差は広がり、最後は、武蔵野学院大学のチャールズ・カマウ選手が1時間1分23秒で制しました。1~7位までを、外国人留学生選手が占めました。

日本人トップの8位には、10000mの持ちタイムがトップの中央学院大学・栗原啓吾選手が1時間2分46秒で入り、9位にはラストで追い込んだ明治大学・加藤大誠選手が僅差で入りました。注目されていた中央大学・吉居大和選手は12位、日本体育大学・藤本珠輝選手は15位と、チームのエースとして及第点の仕事をしました。

起伏の少ない滑走路を使った2.8㎞の周回コースで行われた為か、トラックの持ちタイムのいい選手が額面通りに走った印象です。

チーム順位結果

チーム順位は、実力ある選手をずらり揃えた明治大学が堅実に走り、2位の中央大学に4分以上の差をつけて圧勝しました。2位の中央大学、3位の日本体育大学も順当にシード権を勝ち取りました。かつて法政大学のエースとして、箱根路を沸かせた徳本一善監督率いる駿河台大学が8位に入り、悲願の初出場を決めました。

終わってみれば、実力校が順当に切符を獲得した印象なるも、出場常連校の拓殖大学、大東文化大学、城西大学、上武大学などが出場権を喪いました。本戦での優勝常連校だった日本大学の総合21位は寂しい結果です。

【チーム順位】
①10:33:22 明治大学
②10:37:38 中央大学
③10:39:32 日本体育大学
④10:41:15 山梨学院大学
⑤10:41:57 神奈川大学
⑥10:42:12 法政大学
⑦10:43:08 中央学院大学
⑧10:44:47 駿河台大学
⑨10:44:58 専修大学
⑩10:45:41 国士舘大学
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⑪10:46:36 拓殖大学
⑫10:48:08 大東文化大学
⑬10:48:14 筑波大学
⑭10:49:29 上武大学
⑮ 10:49:32 城西大学

本戦に向けて

予選会には毎年ドラマがあります。今年も10位の国士舘大学と11位の拓殖大学との差は55秒の僅差でした。「1秒の重み」が現実となります。

予選会で強さを発揮したチームは、本戦でも上位争いをする傾向があるので、実力校の明治大学、中央大学、日本体育大学あたりには、一層の奮起を期待したいところです。

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