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経済についての独り言

昨日は、為替相場が大きく円安に振れ、1ドル151円台をつける展開となりました。現時点(2023/11/1 22:25)でも、151円30銭前後になっており、この円安の流れは簡単には止まらないような感じがしてきます。本日は、経済にさして明るくない、しがない親父の独り言です。

日本経済は本当に弱くなったのか

日本経済は本当に弱くなってしまったのでしょうか? いきなり素人感丸出しの問いを考えてみようと思います。現在の私は、『日本経済が世界の中で強かろうが、弱かろうが、万人がごく平凡かつ安全に生きていける社会が維持されているなら、別にどちらでも構わない……』というスタンスです。

とはいえ、これから一旗揚げたい、その他大勢で終わってたまるか、と前途に思いを馳せる人たちにとっては、日本経済、日本企業の状況は重大な関心事項でしょう。私は、バブル経済に浮かれていた頃の社会の風潮が好きではなかったし、『不景気で貧乏臭い日本社会』『未来への閉塞感が強い日本社会』にかなり慣れてしまっているので、景気が悪い時の方がむしろ落ち着きます。

一般経済指標や、国際比較の数字をなぞる限り、日本経済にはかつて世界で持て囃された時のような力はなく、確実に衰退の道を歩んでいる哀れな没落国のように見えてきます。しかしながら、私の知る限り、幾つかの産業分野において依然として世界で指折りの実力と存在感を備えた日本企業は多いし、社会にもうっすらと閉塞感は漂っているとはいえ、完全に崩壊しているようには見えません。日本拠点で製品輸出を行っている企業はこの円安の恩恵を受けて、業績は潤っているだろうと推測します。為替レートが追い風になって得た国際競争力は、たとえそれが真の実力以上に歪められたものであっても気持ちがよいもので、なかなかの魔力の筈です。

そして、コロナ禍の終息と円安効果で、外国人観光客も戻って来ていて、確実にお金を落としていってくれています。外国為替建ての金融商品を保有している人は、円安による含み益で悪くない資産状況になっている筈です。汗水垂らして勤勉に働くことが絶対、と考える向きには、不都合かつ不愉快な状況かもしれませんが、可能ならば、「ご隠居経済」を楽しめばいいような気がします。

競争とか、成長とか、

真面目に「競争」とか「成長」とかを考えるのが嫌になってきています。人生のある時期、確実に意識した方がいいことばであり、概念だとは認めますが、いつまでもそれを最優先に掲げて、他人にも強要するような御仁とは、適度な距離を保って生きていきたい、社会の隙間でしたたかに、のほほんと生きていきたい、というのが現在の私の願望です。

競争・成長を真面目に目標としている人(私も、「大切」だとは考えていますが)は、このままではまずいという危機意識、自分の能力や価値を証明したいという願望、他人や自分には負けたくないという自己尊厳、などがドライバーになっているのでしょう。

競争には勝たねばならない……
成長を目指さないヤツはクソだ……
そんな風に考えていた日々が、私にもかつてあったことは認めます。その意識が強過ぎて、競争に負けてもヘラヘラしている人や、自らの成長を考えず、日々ぼけっと生きているように見える人を、傲慢にも見下していた時代もありました。今となっては、猛烈に恥ずかしい態度です。

今、日本全体には、厳しい競争を避け、痛みを伴う成長に本気で取り組んでいないような雰囲気があるような気もしています。競争や成長に真剣に取り組もうとする人がいないと、経済が活性化しないのは確かでしょう。私のような人間がすべきことは、競争とか、成長とかに必死に取り組む人の邪魔をしないことです。競争や成長にベットする人をリスペクトし、陰で静かに応援しよう、知恵やお金を出し、時には手助けしよう、と思っています。


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