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2019箱根駅伝(往路)観戦記

駅伝観戦三昧のお正月、二日目は箱根駅伝(往路)の観戦記になります。

正式名称『第95回東京箱根間往復大学駅伝競走』、通称「箱根駅伝」は、日本で最も有名な駅伝であり、もはや正月の風物詩でしょう。

下馬評では、戦力充実で優勝候補筆頭に挙げられた青山学院大学の箱根五連覇&同校二度目の大学駅伝三冠なるかが注目されていました。その青山学院大学は、エースで主将の森田選手が11月末に故障を発症し、万全ではないとの情報も流れており、打倒青学に燃える有力候補の東洋大学、東海大学が、青山学院大学を阻止するチャンス到来か、という情勢でした。

油断していて、朝寝坊してしまい、往路緊張のスタートを見損ないました。

1区 21.3Km(大手町~鶴見)

急いで当日のエントリー変更を確認しました。各校出遅れは禁物ということで強い選手を1区に置いてきました。

スタート直後に大東文化大学の新井選手が転倒するアクシデントがあり、足を痛めたのか早々に後方へ下がっていきました。この日を目指して厳しい練習に耐えてきたのに、晴れ舞台でのアクシデントはさぞかし無念でしょう。

レース前半はスローペースで流れましたが、中盤の八ツ山橋あたりから集団でペースアップしました。早稲田大学のスーパールーキー中谷選手が積極的に集団を引いているのが目につきましたが、勝負所の六郷橋の下りで、学生長距離界屈指の実力者ながら今シーズンの駅伝ではブレーキが続いていた東洋大学 西山選手がスパートして抜け出し、2年連続区間賞を獲得しました。

優勝候補の青山学院大学・橋詰選手と東海大学・鬼塚選手も秒差で中継し、優勝候補3強は順調な滑り出しです。

2区 23.1Km(鶴見~戸塚)

花の2区は例年通り各校エースの競演となりました。前半から中盤にかけては、東洋大学・山本選手と中央大学・堀尾選手の4年生エースが、ハイペースで先頭を走りますが、終盤のラスト3kmからの"戸塚の壁"と言われる上り坂で、国士舘大学のルーキー、ヴィンセント選手が首位を奪取して中継しました。  

かわされた山本選手は粘り、東洋大学が秒差で続き、東海大学も4年生で最初で最後の箱根出走となる湯澤選手が好位置で繋ぐ大健闘です。

青山学院大学の梶谷選手は、やや走りに精彩を欠き、後半引き離されて区間10位、チーム順位は8位まで後退。2位東洋大学とは59秒差に広がりました。

後方から追い上げた日大 ワンブィ選手が1時間6分台の好記録で区間賞、学生長距離界No.1の実力者、順大 塩尻選手も1時間6分45秒の日本人最高記録で後方から迫力ある追い上げを見せました。

3区 21.4Km(戸塚~平塚)

出場が危ぶまれていた青山学院大学の主将、森田選手が当日の選手変更で3区に登場しました。落ち着いた走りながら、先行するチームを次々とかわし首位へ肉薄していきます。その勢いは最後まで衰えず、区間新記録の快走で、中継点の手前では首位をいく東洋大学・吉川選手を逆転しました。

抜かれた吉川選手も1時間2分台で走っているので、森田選手が別格の走りでした。東海大学は箱根初出場の西川選手が無難にまとめ、依然として好位置をキープしています。

前評判の高い帝京大学が、期待の1年生遠藤選手の力走で順位を上げてきました。過去優勝経験のある名門の早稲田大学、日本体育大学、山梨学院大学、神奈川大学などがなかなか浮上しません。

4区 20.9Km(平塚~小田原)

東洋大学三本柱の一人、相澤選手が登場。中継してまもなく青山学院大学期待の2年生、岩見選手をあっさり抜くと、後は完全な一人旅の独走です。

区間2位の好走で青山学院大学を抜いて2位に上がってきた東海大学 館澤選手や、他校の有力選手を全く寄せ付けず、昨年樹立された区間記録を1分半近く更新する1時間0分54秒の驚異的な区間新記録を樹立しました。

4区は小刻みのアップダウンと箱根からの風の影響を受ける難コースです。この記録は、旧コース時代に往年の名ランナー、駒澤大学の藤田敦史選手がマークした大記録をも上回る好タイムで、観ていた私も鳥肌が立ちました。相澤選手は、トラックレースも強いものの、駅伝で全くはずさない安定感があります。長身ながら走りが軽く、惚れ惚れするくらいいいランナーです。

青山学院大学の原監督が抜擢した岩見選手は、三大駅伝初登場の緊張からレース後半は低体温症のアクシデントに苦しみ、区間15位に沈みました。重要区間の4区で、名も実もある学生トップランナーと競るには、少々荷が重かったのかもしれません。青山学院大学の勝利のシナリオに黄信号が灯り始めました。

5区 20.8Km(小田原~箱根芦ノ湖)

注目の山登り、東洋大学は2年連続の田中選手、東海大学は山登りに適正があるという2年生の西田選手を起用。青山学院大学は、昨年区間5位で、原監督が「新たな山の神」と絶対の自信を持つ竹石選手が走ります。

実績のある青山学院大学・竹石選手が追い上げるかとみていたものの、スタートから自信なさげな表情で、精彩を欠く走りです。箱根山中の上りで次々と順位を落とし、後半の下りでは意地を見せて2人を抜き返したものの、チームは6位に後退、区間13位はブレーキと言っていいでしょう。

区間登録発表時から注目していた國學院大学の3年生エース、浦野選手が区間新記録の見事な走りで区間賞を獲得。チームも史上最高の3位に食い込む大躍進を見せたのは素晴らしかったです。

昨年区間賞を獲得している法政大学・青木選手は今年も快走。前評判通りの力を発揮し、レース前半下位に低迷したチームを5位まで押し上げました。2区で中継ミスのあった駒澤大学もしぶとく4位に食い込みました。

往路に主力を投入して優勝の東洋大学、4区館澤選手、5区西田選手が共に区間2位と好走した2位の東海大学は予定通りでしょう。タイム差的にも明日は非常に面白いレースになりそうです。

青山学院大学は、往路終了時点で首位と5分30秒差の6位は想定外の大誤算でしょう。東洋大学、東海大学共に6、7区に強力メンバーを置いているので、いかに復路に強力メンバーを残す青山学院大学といえども、明日の復路は苦しい戦いになりそうです。

明日は箱根駅伝(復路)です。

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