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東京マラソン2020観戦記

興奮しました! 

新型コロナウイルス肺炎の影響で、一般市民ランナーの参加が中止され、大幅に縮小された中で開催された東京マラソン2020で男子の日本新記録が更新されました。現日本記録保持者の大迫傑選手が自身の記録を21秒更新する2時間5分29秒(4位)をマークしたのです。

東京オリンピック2020 日本代表の最後三枚目の切符を狙って、東京マラソン2020には、大迫傑選手、設楽悠太選手、井上大仁選手ら日本のトップ選手が多数エントリーしていました。設楽選手は2時間4分台宣言をしていましたし、海外からの招待選手も豪華メンバーだったので、高速レースが期待されていました。

実は、レース開始時刻を勘違いしていて、前半のレース展開を見逃してしまいました。慌ててテレビをつけた時には、もう後半の6㎞くらいでした。これは痛恨のミスです。ただ、実況で大迫選手に日本記録更新の可能性があることを知った後は、画面を凝視し、右脇腹を抑えながら力走する姿に「大迫ガンバレ!」と何度も声に出してしまいました。ゴール直前、レース中は冷静沈着なイメージの強い大迫選手が珍しく喜びを爆発させてテープを切った瞬間は「日本マラソン界の歴史が動く瞬間に立ち会えた!」という感慨がこみあげました。

後続でも高久龍選手と上門大祐選手が2時間6分台をマーク。サブテンと言われる2時間10分以内でも多数の選手が走破しました。注目の井上選手は、後半失速して2時間9分34秒の26位に終わったものの、30㎞過ぎまでは日本人選手ただひとり先頭集団でアフリカ勢に食らいつき、世界で戦うレースを見せました。設楽選手も本人は不本意かもしれないものの2時間7分45秒(16位)で走破しました。

大迫選手は、赫々たる実績を誇り、誰もが実力を認める日本長距離界のトップランナーです。プロ意識が非常に強く、日本長距離界の底上げの使命にも燃えていて、普段の発言力も非常に注目されています。ただ、2019年は本人にとってやや不本意なシーズンで、極寒の悪コンディションの中で開催された昨年の東京マラソン2019は29㎞付近で途中棄権に終わっていますし、2019年9月に行われた代表選考会のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)では3位に終わっていました。今回実力で東京オリンピック代表の条件を突破し、代表最右翼の座を不動のものにしました。来週のびわ湖毎日マラソン終了後に正式に日本代表が確定すると思われます。

2000年代以降世界との差が大きくなっていた日本男子マラソン界が再び盛り上がって来ました。日本人ランナーが世界で活躍する時代を知る私としては嬉しい限りです。世界のトップレベルの選手とは、まだ差があることは否めませんが、日本選手の実力の底上げは着実に進んできており、今後も期待したいと思います。


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