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息子のお陰で将棋NHK杯を楽しむ

偶然出会うテレビ番組

最近息子が民放を極端に嫌がるので、我が家のテレビは2chのNHK Eテレに固定されています。そうすると普段は観ないような番組に出会い、思いがけない楽しい時間になったりします。

昨日の日曜日も、息子がお絵描きに励んでいる間、Eテレを観ていると将棋のNHKトーナメント戦をやっていて見入ってしまいました。 

将棋が身近な娯楽だった少年時代

昨年は中学生の藤井聡太七段の連続勝利記録が話題になったり、ヒフミンこと加藤一二三さん(現役時代は天才棋士)が人気を博したりで、将棋が脚光を浴びるようになりました。

29歳で病に倒れた鬼才の棋士・村山聖を松山ケンイチが、ライバルの羽生善治を東出昌大(びっくりするくらい似てました)が演じてヒットした映画(「聖の青春」)もありました。

私が小学校高学年の頃は、外では野球、家の中では将棋に熱中していました。テレビゲームが一般家庭にそれほど普及していなかったので、将棋盤を持ち出して詰将棋を解いたり、本や新聞に連載される対局譜を並べたり、自己流で研究を重ねました。

当時は中原誠十六世名人の全盛期で、大山康晴十五世名人(受けがうまくで、本当に強かった)も健在。升田幸三九段、米長邦雄九段、加藤一二三九段、二上達也九段、有吉道夫九段、など個性豊かな棋士たちが鎬を削り、若き谷川浩司十七世名人が颯爽と登場した頃です。私が好きだった棋士は内藤国雄九段で、空中戦と言われた華麗な棋風に憧れていました。

NHK杯 羽生竜王対菅井七段

NHK杯トーナメントも子供の頃によく観ていて、懐かしく感じました。本日の対局は、羽生善治竜王対菅井竜也七段の好カード。解説は森内俊之九段(十八世名人襲名)とこれまた豪華でした。

羽生竜王は、最早説明不要。30年以上棋界のトップに君臨する将棋界最大のスーパースターです。対する菅井七段は26歳の若手なるも、2017年に当時の羽生王位からタイトルを奪取し、通算の対戦成績では羽生竜王に勝ち越しているという実力者。AI時代の申し子の一人と言われ、数々の新手を編み出している次代のホープ、と解説の森内九段が言われてました。

序盤は変型の現代版角換わり腰掛け銀で展開しました。昭和30年代から今に継承される伝統ある戦形ですが、最新の手順も随所に出てきて凄く面白い。さすがは実力者同士の対局です。中盤からは激しい攻防となり、「歩の使い方のお手本のような対局」(森内九段)になりました。

10分の考慮時間を使い切ると1手30秒以内の早指し戦になるので、観ているこっちまで、緊張感が伝わってきます。最後は羽生竜王の鮮やかな勝利で終わりましたが、大変見応えのある好対局で、興奮しながら見入ってしまいました。息子のお陰で思うがけなくいい経験ができました。感謝です。


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