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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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#村上春樹

『女のいない男たち』を読む

家族旅行二日目は、雨が降る生憎の天気でしたが、筋金入りの『晴れ女』である妻の強運のおかげで、天気のトラブルに見舞われることなく過ごせました。前半で簡単に旅の総括をした後は、村上春樹『女のいない男たち』(文藝春秋2014)の読書感想文です。 家族三人が一緒にいるだけで幸せ昨夜は早めに風呂と夕食を済ませていたので、夜は早目に休みました。普段は夜更かし気味の息子も早起きして疲れたのか、ベッドに入るとすぐに眠りに入りました。 今朝は8時過ぎまで寝て、昨日訪れた赤倉観光ホテルのカフ

『翻訳夜話』を再読する

五連休の最終日となりました。朝から雨が降っていて、幾分気持ちが塞ぎますが、今日が息子と同じ時間を過ごせる最後の機会です。短い時間ではありますが、息子を誘って、またまた電車旅〜横浜市営地下鉄ブルーライン〜 をしました。電車旅は、雨でも影響が少ないので、助かります。本日は、その電車旅中に読み始めた村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』(文春新書2000)の読書感想文です。 翻訳を語る本この本は再読です。新刊で購入して読み終えた後に、加古川の私の実家に送ってありました。年末に本棚を整理し

『村上春樹はくせになる』を読む

やるべき課題が山積みであるにもかかわらず、何もやる気がしない一日でした。朝6:00過ぎには目が覚めたものの、心配事が頭の中を駆け巡ってしまい、ずるずると昼過ぎまで寝床から起き上がれませんでした。客観的にはこれがプチ鬱状態による現実逃避といったところでしょうか。枕の横に置いてあった、清水良典『村上春樹はくせになる』(朝日新書2006)を貪り読んで過ごしました。 無数にある村上春樹論村上春樹氏(1949/1/12-)は、日本で最も人気のある作家の一人であり、孤高の作家という地位

近くにも遠くにも感じる村上春樹氏

本日は、こちらに来てから手に入れて、ひとりの夜に何度も読み返している雑誌、BRUTUSの『特集 村上春樹 上・下』から感想文です。切り取ってコメントしたい部分は多々あるのですが、下巻の”村上小説を音楽で読む。”からの掘り下げです。 音楽マニアの村上氏ご自身で自覚されているか定かではないですが、村上氏の生き方や価値観に憧れ、羨ましいと思っている人は、自分のみならず、世界中に無数にいるだろうと思います。 比較するのもおこがましいですが、私が愛している四つの要素、本・音楽・旅・

『風の歌を聴け』を再読する

本日の読書感想文は、村上春樹『風の歌を聴け』です。今回久々に読み直してみて、新たな発見がありました。 村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』は、村上春樹氏(1949/1/12-)のデビュー作です。学生結婚した奥様と東京都国分寺市で、ジャズ喫茶/バーを経営していた村上氏が、小説を書くようになったエピソードはよく知られています。 1978年4月1日、明治神宮野球場でプロ野球開幕戦、ヤクルト×広島を外野席の芝生に寝そべり、ビールを飲みながら観戦中に小説を書くことを思い立つ。それは

『謎とき 村上春樹』を読む

本日のnoteは、石原千秋『謎とき 村上春樹』の読書感想文です。 村上春樹初期文学作品の謎とき本著者の石原千秋氏は、日本近代文学研究者。本書は早稲田大学教育学部で講義された内容をベースに構成・加筆され、2007年に発売された本です。 村上春樹氏のデビューから作家キャリアの初期に発表した小説、 『風の歌を聴け』(1979) 『1973年のピンボール』(1980) 『羊をめぐる冒険』(1982) 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(1985) 『ノルウェイの森