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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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#五木寛之

『生きるヒント2 新版』を読む

本日は、五木寛之『生きるヒント2 新版 今日を生きるための12のレッスン』(Gakken2014)の読書感想文です。 アマノジャクな生き方五木寛之氏は、私が大好きな作家であり、ほぼ無条件に信頼している数少ないオトナの一人です。読者として出会ってから、もう40年近い月日が経過しており、随分と長い付き合いになっています。近年は専らエッセイを読んでいますが、かつては氏の小説を読み漁ってきたので、氏の文体や考え方から大きな影響を受けています。90歳を超えて、なお影響力のある作品を発

『無意味な人生など、ひとつもない』を読む

本日は、人生に彷徨いそうだなあ…… と感じている時に、救いとヒントを求めてきた五木寛之氏のエッセイを集めた『無意味な人生など、ひとつもない』(PHP2017)です。 まえがきだけで救われる昨日の不本意な一日を引きずっていて、本日は仕事も不調でした。特に急ぎの案件がないのをいいことに、取り組むべき課題には殆ど手をつけず、色んな文献を漁ったり、物思いに沈んだりする時間が多かったです。こういう悶々とした時には、時に優しく示唆を与え、時に厳しく喝を入れてくれる五木寛之氏の著作を手に

『かもめのジョナサン』を読む

三連休最終日の今日は、30年以上振りに読み直したリチャード・バック作・五木寛之訳『かもめのジョナサン』(新潮文庫1974)の読書感想文です。 数少ない高校時代に読んだ小説私が本格的に『本を読むオトナになる!』と決める前の中学・高校時代に読んだ小説が数冊だけあります。覚えているのは、 ● アラン・シリトー『長距離走者の孤独』 ● 村上龍『限りなく透明に近いブルー』 ● 三島由紀夫『初恋』 そして、この『かもめのジョナサン』です。当時本読みのど素人だったにしては、なかなかセ

『捨てない生きかた』を読む

本日は、五木寛之『捨てない生きかた』(マガジンハウス新書2022)の読書感想文です。読み終えた今、「悶々としていて調子が優れない時には、人生の達人の紡ぐことばに触れるのが最適だ」と再認識しました。 『Together & Alone』『Keep on』五木寛之氏(1932/9/30-)は今年90歳を迎える今も、一線の作家として執筆活動を継続されているレジェンドです。私のnoteでは、過去に何度も氏の作品を取り上げてきました。「下山の思想」「学生期・家住期・林住期・遊行期」な

『人生の目的』を読む

本日の読書感想文は、五木寛之『人生の目的』です。その中の”信仰について”(P167-195)から思ったことを記録に残します。 人生を学んできた師私はこれまで、小説家・随筆家の五木寛之氏(1932/9/30-)の書いた多くの作品を読んできました。映画化もされた『青春の門』や『四季・奈津子』で五木寛之という名前は幼少期から知っていたものの、文学作品を初めて読んだのは16歳の時、五木氏が翻訳したリチャード・バックの小説『かもめのジョナサン』(新潮文庫)でした。 心が疲れたり、弱

『雨の日には車をみがいて』を読む

本日のnoteは、久々に再読した五木寛之『雨の日には車をみがいて』の読書感想文です。 五木寛之の傑作短編集五木寛之氏の作品は、私が読書生活に入った頃から愛読しています。紡がれていくことばの流れがよく、すっと心の深い所まで入ってきます。 この短編集は、氏の数多い作品の中でも一番思い出深い作品です。セールス的にもかなり成功した作品です。この本の編集には後に幻冬舎を立ち上げる見城徹氏が関わっています。 私は1990年発売の角川文庫版を買って、当時住んでいた下宿で一気に読み切り