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静岡銀行若手行員が、TECH BEAT Shizuoka に地域の未来を見る理由

静岡銀行と静岡県が音頭を取り地域企業とスタートアップのマッチングを行うプロジェクトTECH BEAT。2年目を迎えるTECH BEAT Shizuoka 2020は約100社のスタートアップの参加や、オンラインでの商談を成功させるべくプロジェクトとしても新規挑戦を続けている。
静岡銀行としてスタートアップと向き合い、TECH BEATという未踏プロジェクトに果敢に取り組む中核メンバーの一人が静岡銀行イノベーション推進室の渥美志織だ。彼女は第一回目の2019年開催から手探りのままでも静岡企業とスタートアップの商談を成功させるべく日夜奮闘し、今年も同様の挑戦を続けている。7月15日、16日開催直前の静岡銀行 渥美志織氏にTECH BEATにかける思いを聞いた。地方銀行、若手銀行員が新たなプロジェクトに果敢に取り組むモチベーションを感じてもらえるだろう。

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取材相手:静岡銀行イノベーション推進室 渥美志織 

■銀行業からの新しい取組みとチャレンジを支えるモチベーション

質問:渥美さんは2019年の第一回開催時も静岡地域企業とスタートアップの商談のスケジューリング、静岡地域企業へのヒアリングを積極的に行っていらっしゃいます。通常の銀行業とは違う挑戦、正解が見えない取り組みに常にモチベーション高く取り組まれているのはなぜなのでしょうか?

静岡銀行イノベーション推進室 渥美志織(以下渥美):色々と手探りなのですが、面白いから頑張れます。なぜ面白いのかというと、銀行の通常業務は規定やルールに縛られているものがほとんどなので、何をやるにもまずは規定を確認しなきゃいけません。ただTECH BEATのような新規プロジェクトは規定もルールもないので、企画力と実行力があれば如何様にも作り上げていけることができ、そこにとてもやりがいを感じ楽しんでいます。

■すべてはお客様のために!静岡県内企業の10年後の未来を見据えて

質問:TECH BEATは毎週定例を静岡県、静岡銀行&東京事務局(TAILOR WORKS、トレジャーデータ堀内、HEART CATCH)で実施していますが、そこでも渥美さんは色々と提案されていらっしゃいますよね。渥美さんが頑張れる背景には何があるのでしょうか?

渥美:一番は、とにかく、お客様(静岡銀行の取引先)のためにやってます!
私は現職イノベーション推進室に配属される前は、静岡銀行支店で営業をしておりました。当時担当していた会社は80社くらいありましたがどの会社の社長様にも、本当に良くしてもらいました。その会社の社長、皆様に恩返ししたくて喜んでもらいたくてやっています。営業をしていた頃は目先の資金繰りなどのお手伝いしか出来ませんでしたが、今は静岡県内企業の10年後の未来を作るお手伝いが出来るんだ、っていうのがモチベーションです。
これは個人的な意見ですが、このTECH BEATにより目先の収益が上がらなくとも、私はそれでも良くて、とにかく、静岡の会社の10年後がより良い未来になるために、今私が出来ることをやって、10年後に、取引先から「あの時静岡銀行さんがこういう動きしてくれていて良かったよ」って、営業店担当者が褒めてもらえるように、やれることは全部やりたいと思っており、その未来を思い描くと頑張れるのです。

渥美:また、TECH BEATのような自治体&地方銀行参画型の『地域の大手中堅企業×スタートアップのオープンイノベーション』が、日本全体の産業活性化になると信じております。私たち静岡銀行が静岡県と組んでこの取組をすることで、他の地方自治体や地方銀行にも参考にしていただき、各地でオープンイノベーションが生まれてくると信じており、例え、今私たちが作っている静岡の事例がうまくいかなくなったとしても、他の自治体が成功して、成功した地域からどんどん産業活性化していけば、結果的にいろんな地域の活性化に繋がり日本全体の産業創出に繋がるだろうと思っています。
もちろん、その1番の成功事例を静岡で作りたいですが、このスキームを独占することなく、どんどん周りに情報公開していき、他の他県に抜かされる程のライバル県が出てきてくれたらいいなと思ってます(その方が早く日本全体の産業活性に繋がるから、静岡だけで悠長に進めていてもよくないとプレッシャーを感じながら進めたいです)

■先輩から後輩へ。若手行員のやりがいを創る

渥美:最後に、TECH BEATを頑張れるモチベーションは「営業店にいる後輩のため」です。
私もそうだったのですが、営業店にいると、銀行員は経営者とお話しすることが多いのですが、経営戦略や会社の将来について相談されることもたびたびあります。まだまだ駆け出しのころは経営者の方に適切にアドバイスができす、悩みます。後輩からも、経営者からの相談にどんな提案や解決策がありますか?と聞かれることもあります。そのような後輩たちに融資などの既存の銀行業務に追加の提案ができるような視野を広げてあげたいと思っております。
銀行員の仕事はやりがいがあり、地域経済に貢献していると自負を持っている後輩もたくさんいるので、その後輩達が、もっとお客様に喜んでもらい、信頼されるようにTECH BEATの仕組みを営業店と共有し、提供したい考えております。TECH BEATの仕組みはほかの銀行にない価値を提供できる可能性が高いと思っていますので、私もやりがいを持ってより良いものにしたいと思います。

今年からTECH BEATではTAILOR WORKSという通年で活用できるオンライン商談の仕組みを使い始めたのですがこの仕組みを地銀営業店の行員にも開いていく必要があると考えております。

まあ、私のような若手行員が色々と提案し動いていると(皆様も想像しやすいように)実はいろんな意見も出てくるのですが、私は営業店の若い後輩達のために仕事しており、微力だと思うけど、今最前線で頑張ってる後輩達のお役に立てたらいいなと思えるので頑張れます。これは直近まで営業店で仕事してきて営業の辛さとかやりにくさとか身をもって感じてきた私だからこそ理解でき、作り上げることが出来る仕事とも思うので、私が諦めたらここで途絶えてしまうというプレッシャーも感じながら(時間がかかる上に実効性が担保出来ないから皆が皆やりたがる仕事ではない)諦めずに取り組んでいきたいと考えております。

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■銀行員を巻き込んだ共創の場の創造

質問:まずは7月15日16日のイベント成功を目指しつつ、イベント後に渥美さんが考えていることを最後に教えてください。

渥美:10年後を見ている私からすると、如何に若手行員を巻き込んでいくべきか?を考えています。営業店で今最前線で頑張ってる行員達(特に次世代を担う若手)にTECH BEATやTAILOR WORKSの仕組みを紹介しつつ「どういう機能欲しい?あったら使う?」みたいなアンケート取りつつ、一緒に作り上げていくような土壌を作っていきたいと思っております。誰もやったことないものを作り上げていくことの楽しさをみんなと共有していきたいです。

--渥美さん、ありがとうございました!

既存の銀行業務を拡張し、お客様、地域、次世代育成を考えた銀行員もメンバーとなり創り上げているTECH BEAT。豪華な登壇者、地域企業、スタートアップの裏に静岡銀行イノベーション推進室 渥美志織氏のようなメンバーが熱意持って取り組んでいるTECH BEATの取り組みを7月15日16日の本番で体感いただきたい。


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