丁寧さと大胆さ
以前歯医者に行って感じたことをこのように書いた。
若い先生はかなり慎重に歯を扱ってくれたが、ベテランの先生は遠慮がなくて、こちらの反応を半分くらい受け流し、ガシガシと推し進めた。
ガシガシ先生の方が不思議と安心感があった。
今日、通って2回目になる歯医者へ定期健診へ行った(上の記事とは違うところ)。院長が物腰が柔らかく、治療の説明が丁寧で、施術も問題なかったから通っている。
基本的には歯のチェックと、クリーニングをしてもらうだけで、痛い歯があるわけではない。それらを担当してくれるのは歯科衛生士の方である。
前回とは違う先生だった。年齢は私よりも上で、経験値も高そうだった。そして、院長と同じく説明が丁寧で好感を持った。
まず、歯茎のチェック。されたことがある人は分かると思うが、細くとがったピンセットみたいなので歯の付け根の下あたりを押して確かめるあれ。「少しチクっとしますよ」なんて一言が添えられる。
今日の先生はチクっとするどころか、そのタッチが超絶にソフト。もっと刺していいんですよ?と心底思っていた。もちろん悪くはない。ないのだけど、なんだか物足りない。痛くしてくれと言いたいわけではない、ないのだけど、なんだか不安になる。
そしてクリーニング。
水が噴射され、おそらく小さなドリルのようなもので隙間を磨いてもらうあれ。「歯と歯茎の間をお掃除しますね」なんて説明される。
磨くときは、ミラーとか手で、唇や口自体を引っ張られる。特に奥歯なんかのときは、「今どんな顔してんねん」と思うような感覚になるときもあるのだが、その口の広げ方すらもソフト。ソフトというか、本当に広がってます?と心配になるような、遠慮を帯びた引っ張り。
それで歯の全部、見えてるのかな、と心配になる。磨いている箇所ももう少し際を攻めてほしい。例えちょっとの痛みがあったとしても。
最後はフロス。フロスも、通すのにめっちゃ時間がかかる。ゆっくりゆっくり歯の間を通す。しかも通したらすぐにまたゆっくり戻す。今までの先生はググッと力で通したら、奥で歯の側面をこしこししていたような気がするのだけどな…
不完全燃焼。
磨いてもらったはずなのにスッキリしない…
あぁ、物足りない。
丁寧なのは有り難いけれど、物足りないのだ。
どの世界、どの分野にも、丁寧さだけではなく大胆さが必要なんだろうなぁ、そのバランスが一番むずかしいんだけどなぁ、と「きれいに磨かれていて問題ないですよ」なんて日々のメンテナンスを褒められながら、頭ではそう考えていた。
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