見出し画像

父が孫を欲しがる件について。


結婚する気はあるの?
結婚しようと考えている相手はいないの?

 独身の妙齢(若い頃)を過ぎた女性なら、両親に結婚の意思や予定を確認されることはあるであろう。
 そして、個人(家族)差はあるだろうが、40歳前後でその確認がなくなったと、そういう声を聞く。もう、親も諦めた、とそういう意味だと誰しもが認識している。

 我が家に関しては、母親は一貫して「結婚」を気に掛けるスタイルだった。何と古風なんでしょう。世間体を重んじるタイプでもないのに。この芸能の世界に身を投じた時から、ある程度諦めてほしかったのだけど、母の意思は固かった。諦めなかった。毎度電話するたびに、

彼氏はおらんと?
早く結婚せんね。

 電話でそのワードが出るたびに、ケンカが勃発する。しかも冷戦系のバトルなので、無言が続き「じゃ、またね」と後味悪く電話を切ることになる。そんなことが5年は続いた。私とて気持ちがないわけではない。だが、結婚は、結婚だけは、一人ではできない。大抵のことは一人で出来る私でも、結婚だけは・・・本当に運転免許も取れていないかもしれないレベルで、幼児のよちよち歩きレベルで出来ない。その階段の踊り場にも立てていない。なんとレベルの高い行為なんでしょう。恋愛は、一目惚れとか片思いをOKだとするならば、とりあえずは一人でもできる。でも、結婚は絶対に相手がいる。なんということでしょう。これだけ自立して、一人で生きている女性も、結婚だけは一人だけではできないのだ。かなしい。むなしい。

 そんな私が、母親のプレッシャーを逃れられたのは、父親がいたからだ。

結婚せんでもいいよ。

 父親はそう言ってくれていた。だから私はその言葉を信じて、自分のやりたいことに邁進し、自分の幸せのために生きることが出来たのだ。そう、去年までは。なのに今日、父親は言った。


孫が欲しい。孫が見たい。


ま、まご?

まごまご?

孫?

そんさん?


 いや、孫って、結婚のその先だから!いきなりハードル高いのを求められるって何!?結婚しなくていいって言ってたの誰!?と私は開いた口が塞がらない。今日明日できない。いや、出来るのか、魔法を使えば。私だって、両親に安心して老後を過ごしてもらいたい。そのために結婚や出産が必要ならば、可能な限り対応したい。ミッションを貫徹させたい。そのくらいの孝行心はある。

 子どもの写真ですら待ち受けにしなかった父親でも、孫の写真は待ち受け写真に軽々とするらしい。そんな話を聞いて、孫の破壊力を感じずにはいられない。孫と遊ぶために、体力がいるから(今もマラソンなどして十分に体力はあるぞ)と、早くしてくれと急かす。結婚しなくてもいいと言っていたあの父親はどこに行ったのだ。どうやら父親の同級生に孫の溺愛ぶりを見せつけられて、孫欲しい欲に感染されたらしい。なんということでしょう。これはもう、母親よりも面倒くさいのです。でもその気持ちも分かっているのです。

 すこしほろ酔いなのをいいことに、こんなnoteを書いてしまいました。でもこれだけは信じて下さい。

やる気はあります!!

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!