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10年ぶりくらいに辞典を買った話

半年くらい前に本屋で辞典を買った。紙の。
紙の辞典や辞書なんて買うのは高校生の時ぶりだと思う。

前もって買おうと決めていたわけでもなく、ただタイトル見て面白そうだと思った。
それがこれ。
『類語ニュアンス語辞典』

いろんな言葉を知っている人になりたい。
と、その時の熱に浮かされ買ってみたが、読んでみると意外と面白い。

たとえば。
とある特定の事象を言葉で言い表したいときに、どんな言葉を使うか。

人を好きになったことを表す言葉だけでも、「好き」「好意を持つ」「惚れる」「恋に落ちる」など山の数ほどにある。
ただ、同じ意味であっても、言葉から受けるニュアンスは違う。
口語にするとやや堅苦しい表現もあれば、文語にするとしっくりくる表現もある。
(友達との話し言葉の中で「僕は⚪︎⚪︎に好意を持っている」なんて言わないだろうし)

確かに言われてみるとその通りだけど、この本を読んで改めて気付かされる。

「工場」という言葉も、「こうじょう」と読むか「こうば」と読むかで受ける印象は変わる。
前者はちょっと大きめな施設をイメージするが、後者はこじんまりした町工場のような施設をイメージしてしまう。
「牧場」という言葉も、「まきば」「ぼくじょう」で受けるイメージは違う。

ことばって面白いと感じられ、もはや辞典というより、読み物として楽しめる本だった。
小学生の頃の自分に「大人になったら辞典をニヤニヤしながら読む大人になってるよ」と言ったらなんて思うだろう。

もう一つ気づいたことといえば、辞典・辞書の紙のあの質感が好きだ。
捲る時に手に吸い付くような感触や、捲る時の「シャカ...」という音。
一枚一枚がしっかりしている大判本や、やや色味のある文庫本では味わえない感覚。
一枚捲るごとに、自分の心の調律が保たれて行く気がする。
そんな800ページだった。


と、この本の紹介はこんなところだが、この本を読んで、自分の使っている言葉って本当に大丈夫?と考えさせられる。

今日の甲子園決勝で慶應義塾の応援を見て、「慶應の応援やばい」と家族にLINEを送っていた。
「やばい」という言葉を普段から使っている自分。やばい。

妻氏とのラインの様子

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