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東大大学院合格は簡単なのか〜結論〜 【東京大学大学院電気系専攻】

そろそろ、タイトルにある「東大大学院合格は簡単なのか」について触れたいと思います。そこで合格までの流れを見てみましょう。結論だけ見たい方は最後までスキップしてください。

B3 10月   「受験する決意をする」
B3 11月〜1月「英語(TOEIC)の勉強をする」
B3 12月〜4月「数学の勉強をする」
B4  5月〜  「専門の勉強をする」


10月 「受験する決意をする」

この段階では研究室配属もやりたい研究もありませんでした。しかし、とりあえず東大行きたいっていう気持ちがあったため、電気系の案内書から面白そうな研究をやっている先生を探しました。そしたら、ありましたやりたい研究。ここで、漠然としていた大学院受験を決めました。同時に、この時期に決まっていた自分が所属する大学の筆記試験免除を断ることも決めました。


11月〜1月 「英語(TOEIC)の勉強をする」

なんでTOEFLじゃなくてTOEICなんだ?と思われた方も多いと思います。私は外部院試を受けるくせにTOEICの最高スコアは420(2年)でした。いわゆる英弱です。そこから全く英語の勉強はしていなかったので、とりあえずTOEICから始めました。「先づ隗より始めよ」ですね。11月にそう思い、短期集中するためバイトを辞めました。ちょうど11月終わりにIPテストがあり、1ヶ月の成果が580点でした。スコアシートを見ると文法がかなり低かったので有名な黒い文法の本をやりました。12月に620点、1月に780点になりました。(よく頑張った)
欲が出て900点狙いたかったのですが院試前最後のTOEIC開催になってしまいました。使ったのは下の2冊です。

5月にTOEFLいらなくなりました(ハッピーでした)

12月〜4月 「数学の勉強をする」

まず、問題集として使ったのは下の2冊だけです。

確かにこの2冊やれば合格点取れます。私の場合、全問解き切りました。(全部はやらなくてもいいかも)時間に余裕がある人数学が得意で8割目指す人ならやるべきです。
メリットとしてまず、豊富な問題量があることです。例題と演習に分かれているので、例題は初見で解くことより発想を身につつけることに重点を置きました。例えば、logを含んだ複素積分の方法は特殊であるため丸々覚えるなどしました。演習はできるだけ解答を見ずに解き、その結果4月の時点でどの分野も苦手意識は無くなりました。
4月中に東大電気系の数学は平成14年以降を全て解きました。どの年も8割程度が安定して取れる感じでした。

しかし、5月に悪魔の宣告がされます。"あいつ"のせいで数学と英語を課さないことになりました。ここまで英語と数学しかしていなかったので絶望感がすごかったです、、

5月〜 「専門の勉強をする」

院試で最も重要な専門科目を5月に始めました笑
これには理由があって、学部の授業は比較的真面目に聞いていたため謎の自信があったからです。
やらなければならない専門科目は「電磁気」「電気回路」「力学」「熱力学」でした。(この段階で熱力学は完全に捨ててたので割愛。)

まずは電磁気から始めました。
ウォーミングアップで問題集を1冊やろうと思い、評価の高かった「電磁気学演習」を買いました。

GWの時期にちょうど2週間で一周しました。やる前は2周やるつもりでしたが、思ったより解けてたこともあったので過去問へ移りました。まず、東大電気系の過去問を始めました。思った通りすらすら解ける実感がありました。今振り返ると7割程度の理解力でしたが、それでも初見で十分な点数を取れていました。この辺は授業を真面目に受けていたことが役に立ったのかもしれないです。この後、東工大、東大共通科目、東大先端エネルギー、東大複雑理工、東北大機械系?の過去問を全て解きました。多分やりすぎですが、電磁気で9割以上取れたら電気回路で6割程度で大丈夫だろうと思い重点的にやりました。
その結果7月中旬で解けない問題はないと感じました。これを支えたのは自作の「電磁気チャート」(配布したいけど容量が、、)です。

このような偏った勉強法はあまりお勧めしませんが、計算できる科目があると精神的に良かったと思います。


次に電気回路です。
なぜかあまりやる気が出ず、始めたのは梅雨くらいでした。電気回路は高校の延長みたいな科目であるため、問題集は使わず過去問だけやりました。

まず過去問全体をみて、何が問われているかをまとめました。大きく分けると、「過渡現象」「交流回路」「小信号等価回路」「オペアンプ」しかありませんでした。(太字は重要な分野)

ここで電気回路を選択しようとしている人は「分布定数回路」がないことに気づくと思います。一番難しいと感じる分布定数回路がほとんど出題されていない(2012以降で1回のみ)のは東大電気系で電気回路を選択するメリットだと思います。逆に東工大ではよく出題されていました。

電気系はどこの大学院でも「過渡現象」と「交流回路」「オペアンプ」は問われると思いますし、東大だからといって難問はほぼありませんでした。だから、ほぼ対策していません笑。基本的な事項がわかっていれば解けると思います。過去問を2周やれば十分です。

問題は「小信号等価回路」です。私は電子回路の授業をほとんど取っていなかったため、全く意味がわかりませんでした。2週間くらい格闘した結果、やっと理解できました。ネットに落ちてる授業PDFがかなり役に立ちました。実は、出題のパターンも少ないため理解したら簡単に得点できる分野でした。

東大と東工大の両方を受ける人は、等価回路の種類(内部抵抗の有無など)が大学によって異なるので、しっかり問題読みましょう。

結果的に本番で7割以上取れた感触だったのでこの勉強法はいいかもしれません。


最後に力学です。
過去問しかやりませんでした。4割とれればいいかな、、っていう感じでした。

試験本番では結局使いませんでした。(オンラ院試で良かった)


東大大学院合格は簡単なのか

今年はオンラインでの院試であったため、正しい評価はできないと思いますが、「学部入試よりは楽(しく)、精神的にはかなり辛い」が結論です。楽(ラク)楽しいかは人それぞれです。

学部入試と大きく違うのは、文系科目が必要ないということです。勉強する上で、やりたくない科目(個人差はあると思いますが)がないのは大きかったです。電気系ならば電気の勉強をしたいから大学に入ったと考えると、好きな科目だけで勝負できるのでやりやすいと思います。この点で、学部入試より楽(しい)と言えます。ただ、内容は大学入試よりも遥かに難しいので簡単ではないと思います。大学院入試を経験したこともない人たちが「簡単だ」「ロンダだ」と批判するのは首をかしげます。もちろん、学歴のみを求めて受験するのはどうかと思いますが、そのモチベーションだと最後までもたないと思います。楽な道があるにも関わらず努力をして目指しているので全員が誇るべきだと思います。

また、精神的にはかなり辛いです。友達の多くは比較的簡単な内部進学をしている中で勉強をし続けること、模試がないので自分の立ち位置がわからないことなど、キリがないほど辛いことがあります。私は一人暮らしであったため、収入面での不安もありました。


私でも乗り越えられたので後輩のみなさんもできます!頑張ってください!

電気系の方はぜひこちらの解答も参考にしてください!2008年以降の問題も入っています。



追記 2020/09/10
工学研究科の合格発表を終えて
今年に限ったことかもしれませんが、ボーダーは51%くらいだと思います。

追記 2022/02/13
多くの人に閲覧していただいて嬉しいです。
私自身の就職活動が終わりましたので、また記事を書きたいと思います。
修士1年が終わりましたが、刺激的で非常に楽しいです!
少しでも行きたいと思っている方は、受けない理由がないくらいメリットしかないです!


追記 2024/01/13
さらに詳しい体験記や、様々な院試に関する情報をブログでまとめています!
是非参考にしてください。

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