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幾千億、あるよ

幾千億、あるよ

世界に1人だけだと
自分だけだと
思っているんでしょう

僕はあの木々で
あいつはあの雲で
あの子はあの鳥で
彼はあの本で
彼女はその本のキャラクター
あの人はそこの花で
あの人は飛んでる蝶々
あの人はカーテンで
君は瞬く星で

いくらでもいくつでも
幾千億、あるよ

ぜんぶ一緒でぜんぶ違って
ぜんぶ繋がっているよ

いつになったら

いつになったら

その自信のなさを理由に
いつまで待たされるのか

目的も夢も大義も
才能すら
何もいらないと

ただ、君そのものと
私への気持ちがあれば
ほかに何も

何度だって 伝えているのに

君はいつでも自信がないと
それを理由に私から逃げる

あと何が足されれば
あと何人に認められたなら
あといくら揃ったなら

その自信とやらが形成されて
あなたは私を安心して
愛しはじめるのでしょうか

私はいつでも待っ

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栗色のつるん

重力に逆らって弧を描く
君の髪の毛
刺しこむ光を帯びて
栗色につるんとしている

慣れた朝

かわいい。

忘れたいことほど
勝手に思い出されるのに

この一瞬は
たぶんすぐ忘れてしまうなあ

きっと忘れてしまうから

ゆっくり吸い込んで
めいっぱい感じる

ここにある宇宙

宇宙なんて

見られない
触れない
あるのかないのか

得体の知れないそれに

脅威を重ねて

委ねて翻弄されて

我をを失うようで

どうしてそんなに夢中なのさ

って。

だけどカレンダーに、

毎月流れる血に、

瞬き浮かぶ星月に、

登って沈む太陽に、

私たちは組み込まれている

そういうことだったんだ

自分に触れて
見て
確かめる

たしかにここにあると思う

綾になって

絡まった闇が
どうしようもなくなって
自分ごと切り落とそうとした時に

君に出会って

連なって
綾になって
愛の言葉が生まれました

全ての無意味に意味が宿って
無関係は繋がって

居場所なんてないまま
営みが出来上がって
幸福なルーティーンに組み込まれて

愛しているなんて
近づくための大義で
本当はただ関わっていたいだけ

運命なんて思っていなくて
偶然に意味付けして手放したくないだけ

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