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11月に読んだ本の感想をゆるりと。

「ホリデーシーズン」という言葉が気に入ってしまい、最近はよく連呼しています。

コンビニでチョコを買うときも「ホリデーシーズンやしな」。

いつもは2人で1本の缶ビールを2本空けちゃったときも「ホリデーシーズンやしな」。

行きたかったカフェが臨時休業でも「ホリデーシーズンやしな」。

なにかとフレキシブルに使えるぞ。とはいえわたしは年末年始の連休は死守したものの、ホリデーシーズン前のノットホリデーシーズンです。(=忙しい)

12月も7日が過ぎようとしていますが、あせらない、あせらない。11月に読んだ本、10冊を紹介していきます。

七時間半(獅子文六)

この小説は、東京ー大阪間が「七時間半」かかっていた時代のはなし。昭和30年代に書かれたものである。特急列車「ちどり」を舞台にした、ノンストップのドタバタ劇だ。

男女の働き方のちがいとか、家族関係とか、あらゆるところがめっちゃ昭和!こんな時代もあったんだな〜と比較するのがおもしろい。わたしはギリ平成生まれなのだが、不思議と懐かしい気持ちになった。

特急列車という、ある意味閉鎖的な空間だからこそ、濃ゆいストーリーが次々と、スピーディに展開されていく。

給仕とコックの恋愛、女子たちの確執、客に色目を使う悪女やら。登場人物がみな個性的なもんだから、そりゃトラブルも勃発するし、人間関係の交錯に目が離せなくなって一気に読めちゃう作品だ。

生活フォーエバー(寺井奈緒美)

期間限定開催のブックイベント、「BOOK PARK CLUB」にあそびに行った。個性派な出版社・書店が集結し本をセレクト、3000冊以上の本が並ぶというもの。

読書好きにとっては大型書店から街の小さな本屋、古本市などなど、すべてがパラダイスである。興味がなかった本でも、店のセレクトや棚の配置によってちがう光を放っていたりするから、沼なのだ。

だからこのイベントはぜひとも行かなければ!ということで、会期ギリギリに滑り込んだ。

「生活フォーエバー」は、このイベントで初めてお目にかかった本だ。(あとから調べてみても、Amazonにはサイン本しか取扱がなかった、、)

短歌を詠み、土人形作家としても活躍中の寺井奈緒美さん。

この本は短歌とエッセイを織り交ぜたスタイルで、著者の小さな「やらかし」とこころの声に思わずニヤリとしてしまう。共感のニヤリである。

短歌ってほとんど読んだことがなかったけれど、実生活から生み出される素朴な文体がクセになる。題材が身近なものだからか、わかるわかると共感できるのだ。

エスプレッソパーフェクトバイブル(丸山珈琲監修)

コーヒー関連の本を読む。

仕事で毎日コーヒーと関わるようになったから、コーヒー本のおもしろさも一段とアップ。本で学んだことを接客に活かしたり、技術面でつまづいたところを本で確認したり。本と職場の、この往復を全力で楽しんだ感がある!インプットとアウトプットを、いい感じに回せるいまの環境が、とてもありがたい。

何か分からないことがあったら、昔からまず頼るのは本だった。最短距離の学びではないかもしれないけれど、コツコツ本を読んで実践していくのが、自分には合っているのかなぁ。

この本はコーヒー豆の知識からエスプレッソの抽出技術、バリスタインタビューまで網羅されている。バリスタ修行中の身として、何度も復習でお世話になること間違いなし。仕事へのモチベーションも高まる1冊だった。

今宵も喫茶ドードーのキッチンで。

「喫茶ドードー」は住宅地の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ。

現代の目まぐるしい生活に疲れたひとを、店主がさり気なく癒してくれる。そんな喫茶店を舞台にした、5話からなる短編小説だ。

この5話は独立しているようで、少しずつリンクしている。登場人物のSNSを、別の登場人物が見て影響を受けていたり。自分がやさしい気持ちで満たされていると、それは周りだけでなく遠くのだれかにも伝播するんだよな。そんなことを思った。

今となっては懐かしいくらいだが、コロナ禍の閉塞感やひととの距離感も小説に反映されている。店主がそのストレスをゆるりとほぐしていくさまが、ほっこり温かい。喫茶店という舞台も、好みド真ん中の作品だった。

バスカヴィル家の犬(コナン・ドイル)

明晰な頭脳と、桁外れの観察眼。

探偵小説がけっこう好きだ。かっこいい。しびれます。というわけで、ひさびさに名探偵ホームズを読む。ちゃんと読んだことなかったんだよなー。

今回読んだ「バスカヴィル家の犬」は、ホームズシリーズのなかでも最高傑作といわれている。物語にグングン引き込まれていくうちに、「おもしろい」よりも「すごい!」という気持ちが勝ってくる。作者の頭のよさハンパないね?(まじで)

革命のファンファーレ 現代のお金と広告(西野亮廣)

今まで微動だにしなかった、夫のスマホの待ち受けが変わっていた。一緒にごはんを食べていたら、ふと気が付いた。

『お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。』

おー。ええこと書いてある。

「だれの金言なん?松下幸之助か?」

って聞いたら、西野っちでした。

「夢と金」を読んでから、夫が西野っちの発信に興味津々で、本も順調に読破しているようだ。動かざること岩のごとしだった夫の待ち受けが変わったとなれば、よっぽどその言葉が響いたのだろう。わたしもそれは読まねばなるまい。

なるほど。スマホで写真を撮らせるというのも、この本の仕掛け。まんまと転がされてる夫、まだまだ可愛げがあるじゃんか。(笑)でもこの素直さが、時代への適応力になるような気もした!いつまでも柔軟でありたい。

未来の働き方を考えよう(ちきりん)

もうすぐアラフォーに突入だ。好きな仕事に就けて「今は」満足しているんだけど、これを10年、20年……同じことを続けるのは正直ピンときていない。きっと体力はあるほうだが、有限なのはまちがいない。いやほんと体力面が心配なのだよ。

そんなタイミングだからこそ、ちきりんさんの本が刺さりまくるしすごく励まされる。「人生は二回、生きられる」と説く著者は、40代後半で働き方をガラリと変えた実体験をお持ちなのだ。

同じ仕事を続ける日々でも、「この学びを今後どう活かそうか?」「仕事のなかでも特に好きな作業はなんだろう?」「だれかに貢献できるとすればどんな場面?」と、自分のアンテナの数が増えたんじゃないかなーと思う。

人生後半を楽しむためにも、いまは楽しげな助走を意識したいものです。

ワタシは最高にツイている(小林聡美)

なんとなく調子がでないときに、繰り返し開く本がある。俳優の小林聡美さんのエッセイ「ワタシは最高にツイている」も、そのなかのひとつだ。

ハツラツとした前向きなパワーが感じられる文体で、生活の様子もすこぶるお茶目で楽しい。著者の大殺界の3年間に書かれたというエッセイなんだけど、それを吹き飛ばすかのようなエピソードの数々が、とても魅力的なのだ。

自分の免許の写真に驚愕したり、ターシャ・テューダーに憧れて種まきをしたり。こんなふうに、何ごともおもしろがって生きていけたらいいな!

「おいしい」を経済に変えた男たち(加藤一隆)

夫婦揃って、サイゼリヤが大好きだ。

仕事で遅くなったけどおいしいものが食べたい日、何も作りたくないけどおいしいものが食べたい日、お金がないけどおいしいものが食べたい日。いままでどれだけお世話になってきただろう……!(感謝)

近年はサイゼリヤのおいしさと安さのカラクリが気になりすぎて、社長の著者まで読んでしまった。これを読んだら、ますますサイゼリヤに通うのが楽しくなってしまって、どうしたもんか。でも飲食業に携わる身としては、通うたびに発見があってすごく勉強になるのである。(これを口実に、せっせとミラノ風ドリアを食べるのだ)

夫が買ってきた本を読んだ。彼は絶賛インプット期間で、飲食店経営を改めて勉強中である。

当たり前のように、わたしたちの食生活の一部となっているあのレストランや、ファーストフード。そのどれもに創業者がいて、とてつもない苦労があり、いまに至っているのである。6社分のストーリーが収められているんだけど、ぜんぶがドキュメンタリー映画さながらの迫力です。わたしの愛するサイゼリヤが、この本の大トリだ。

みなさんの推しのお店はありますか?

夢をかなえるゾウ4(水野敬也)

今年の8月から読み進めてきた「夢をかなえるゾウ」シリーズ。先月は、シリーズ4作目をようやく読了することができた。読みやすさ抜群だから、いつも2日くらいで一気に読んでしまう。

主人公が、ガネーシャの課題を実践しながら人生を変えていくという大筋は変わらないんだけど、成功、仕事、恋愛、死生観など、扱うテーマが少しずつ変化していく。

わたしはこの4作目がいちばん好きかも。

明日死んでも後悔しない生き方、できてるかな。

ふつうに生活していて忘れてしまっている、当たり前で有難いことを、じっくり考えさせてくれる本です。

11月に読んだ本まとめ

おつかれさまでした~!

このnoteは仕事の休憩時間にもちょこちょこ書いているのですが、仕事だけじゃない別の自分が存在するのはなんかいいです。

わりと仕事になるとエンジン全開で勝手にゼーゼーなっちゃうタイプなんで(ここ見直し中)、書くことが息抜きスポットになっています。

さて12月はどうしてもせわしなくなっちゃいますが、楽しみましょうホリデーシーズン。ちょっとホリデーっぽいかな?と、いまはムーミンなんかを読んでいるのですよ。(雰囲気)

今月もゆるりといきましょう~

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