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1月に読んだ本の感想をゆるりと。

もう2月も半ばになろうとしています、というかもう半ばです。年末年始を過ごしていたのが、ずいぶん前のことのよう。(こわい)

1月は帰省時の移動時間を使って、まとまった読書時間が確保でき充実していたのと、「今年はどんな本に出会えるかな?」とわくわくした気持ちで過ごすことができた。

新しい本、話題の本へのアンテナを向けつつ。自分に必要な本をチョイスしたり、大事な本は何度も再読したり、じっくり深い読書も楽しみたい。1月に読んだ本を振り返ると、そんなバランスで構成されている。(気がする)

1月分は7冊、ゆるりと紹介していきます~!

センスは知識からはじまる(水野学)

「センス」ってむずかしい言葉だなぁと思う。目に見えなくて、言語化や数値化から除外されていて、個性的でマネできない特別な才能、そんなイメージ。

それをさ、「センスは知識からはじまる」なんて言われたら。「自分にはセンスがないし……」と諦めなくてもいいのかい?「センス」という孤高の言葉に、なんかちょっと希望が見える。インスタの投稿でたまたま目にしたこの本と、次に紹介する本を、2冊まとめてポチッてしまった。

クリエイティブディレクターとして、大学で講義もされている水野学さん。デザインやアイデアの作り方を、「ここまで明かしていいんですか!?」と思うほど、開けっぴろげに解説されているんです。すごい。

デザインの裏側って、なかなか知ることができないですよね。でもこの本を読むと、あのかっこいいパッケージは知識と技術の賜物なんだと分かる。素人からすると、「センス」って突発的なひらめきっぽいけれど、決してそうではないんだなぁと。「センス」は身に付けることができる「スキル」だと説かれていて、すごく響きました。

「売る」から、「売れる」へ。(水野学)

水野学さんの本をもう1冊購入。こちらは、慶應義塾大学での講義「ブランディングデザイン」が書籍化されたもの。内容もより実践的な内容になっていて、とてもおもしろかった。特に旦那氏がこれからやろうとしていることにドンピシャだったみたいで、(お店のブランディング見直し&強化中)猛スピードで読破したみたい。

余談ですが、夫が悩んでるんだろうなというタイミングで、それに合わせた本をヒョイとおすすめするのが快感である。読書という個人プレイが、たまに人の役に立てるとうれしい。

さて。クリエイティブディレクターの水野さんは、デザインを通して企業のブランディングに関わり、コンサルタントとしても活躍されている。この、ごりごり現場の話がおもしろい!

ふだんわたしたちが目にする、企業のロゴや広告、パッケージ。これらを使って、企業はどんなイメージを抱かせたいんだろう?いつもと逆の視点で、考えるきっかけをくれる本だった。

おいしい日常(平松洋子)

頭をゆるりんと緩めたいときは、おいしいものエッセイ。平松さんの身の回りのおいしいものから、愛用されている調味料、また旅先のおいしい出会いまで。わたしは出先でも本を読むことが多いのだが、この本を読んでいると頭どころか頬がゆるゆるになっていた気がする。あーもう、どこから読んでもおいしそう。

平松さんの文章からは、食べ物の味や香りはもちろん、食材からほわぁと立ち上る湯気と対比するような朝の冷え込み、みたいな、食べ物を囲むありとあらゆる情景が全方位で描かれている。気候とか、体調とか、その土地ならではの素材とか、ぜーーーんぶひっくるめて舌の悦びなんだろうなぁ。わたしももっともっと食いしんぼうを目指そう、そのほうがぜったい人生楽しいんだから。この本を読んで、改めて決意したのでした。

13歳からのアート思考(末永幸歩)

今年はもっと美術館に行きたい。そう思っていたとき、気になっていたこの本のことを思い出した。プロローグを読んで、「うわー……、こうゆうのが知りたかったんだよ……!」と心を掴まれた。

著者は美術教師でアーティストの末永幸歩さん。この本は授業形式で構成されていて、各章が質問の投げかけから始まり、手を動かしたり考えたりしながら読み進めることができる。実際に授業を受けた学生さんの回答も紹介されていて、すごく臨場感のある本なのだ。

この本、わたしたちが受けていた美術の授業と、まるで別次元のおもしろさ。美術の授業はきらいじゃなかったけれど、「この絵のなにがスゴイのか?」を教えられることもなければ、考えることもなかったなーと。

この本には、アートを通して自分なりのものの見方を取り戻し、育む術が書かれている。1枚の絵と対峙したときに、よりおもしろく鑑賞できるのはもちろん、思考力のトレーニングにもなるのだ。美術館に行かなくちゃ!(うずうず)

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか(村上春樹・安西水丸)

ゆるゆる読めて癒される、村上朝日堂シリーズ。村上春樹さん(文)と安西水丸さん(絵)の共著シリーズだ。収録されている村上春樹さんの全エッセイに、安西水丸さんの挿絵付き。読んで楽しい、見て癒される、とても贅沢な本なのだ。

日常の他愛のない話題から仕事論に至るまで、自由でおおらかに書かれたエッセイがとても好きです。特にわたしは、「日本マンション・ラブホテルの名前大賞が決まりました」という章がお気に入り。笑った!読者からのお便りで、日本全国の不思議なネーミングのマンションやラブホテルを募集するという企画。集まったタレコミを、おふたりが真剣に且つそれぞれの感性でジャッジしていくコメントがいいんですよね~。くだらなさ(いい意味で)が最高だった!

罪と罰1(ドストエフスキー)

「それは正月から読む本ちゃうやろ!」という本を、正月に読み始めるというヘンなくせがあります、ひねくれてるんだと思う(笑)案の定、夫には怪訝な顔をされたけれど、まったく気にしていない。帰省で移動時間が長かったので、長編を読むには絶好のタイミング。「罪と罰」の再読に踏み切った1月だった。読むのは2回目。

いやー、すごい小説ですね。(感想薄)
この小説が、わたしと同じ「人類」という部類の、とあるひとつの脳みそから生み出されたなんて、到底信じがたい。頭をどう使ったら、こんな小説が書けるんだ……。そのスケール感にただただ圧倒されてしまう。一周回って、誇らしいような。ドストエフスキーも、わたしと同じ人類ですからね。え。

寝る前に読むと入り込みすぎちゃうので、わたしはほんわか系の本と併読するようにしている。寝不足注意。夢中になってあっという間にページを手繰ってしまいます。「むずかしそう……」と敬遠するのは損。わたしも最初に読んだとき、「もっとはやく読めばよかった!」と痛感した作品なので、読んだことのないかたはぜひ。一緒に読み進めましょう。

レシピを見ないで作れるようになりましょう。(有元葉子)

この本にはめちゃくちゃ助けられましたねー。料理がきらいなわけじゃなくても、自炊し続けることが負担に思えるともある。そんな気持ちになることがちょこちょこあったので、「今こそ!」と再読した有元葉子さんの本。ほんとに名著なんですよ…!!!ラクにおいしく作るコツが、かなり論理的に解説されている。読んだその日から台所に立つのが楽しみになるし、色んな素材で試してみたくなること請け合い。まさに一生モノの料理書なんです。

炒める、煮る、揚げる、あえる。それぞれのコツが素材ごと(肉、魚、野菜に分かれている)に解説されていて、その術は至ってシンプル。なぜおいしく仕上がるのか?逆に、なぜ不味くなるのか?レシピ本は数あれど、家庭料理でここまで言語化してくれている本は少ないと思う。スイスイ理解できる簡潔な文章も分かりやすく、読んでいるとすぐ作ってみたくなってしまう。身に付けてほしいのは「料理の勘どころ」という、著者のスタンスもかっこいいんですよね。

実際わが家では、「オール有元さん献立」で食卓を囲む夜も。仕込みなしで帰宅してからすぐ作れる、シンプルなメニューがとても好きだ。

1月に読んだ本まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございました~!

デザインやアート、おいしいもの関連、再読の長編というラインナップとなりました。一見バラバラだけど、わたしの「今の興味」はこんな感じなんだろうな。

2月になってから、まだ本を買っていない、たぶん。ちょっと暖かくなってきたことだし、本屋散策に行ってきます~!


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