見出し画像

柔軟剤の使用から見る広告の盲目的信用について


こんにちは! 片倉まりなです。

今日はですね、
タイトルのように、ちょっとまじめなスタイルになりそうです。


何やらすごそうな洗剤を見つけた!


「柔軟剤の使用から見る広告の盲目的信用について」

いったいどんな流れで
この記事を書くことにしたかと言いますと、

まず、
この外出自粛期間中に
日々使っているアイテムの見直しをするようになったんですね。

インテリア・食事・生活雑貨・消耗品...
と見ていた時に、
こんなインスタグラムのストーリーズを見つけました↓

画像1

初めはこの写真の、
タオルとかワイヤーバスケットがかわいいな〜と思って
スクロールしていったのですけど、

商品情報を読んでいくうちに、
なんだかこの「ECO LOUNDRY LIQUID」とやらは
すごい洗濯用洗剤かもしれぬ...!
とわかってきました。


① 環境にやさしい
② 洗濯槽や排水パイプをきれいに保つ
③ おしゃれ着洗剤いらず
④ 柔軟剤いらず
⑤ 経済的


それでは順に見ていきます↓


① 環境にやさしい

汚れを落とすために使われている界面活性剤は、
分解されにくいため排水汚染につながるのですが、

界面活性剤を微粒子化することによって、汚れを落としやすくなり
使用量を極めて低く抑えられています。

また、
微粒子化された界面活性剤は
それ自体の分解も早くなります。


② 洗濯槽や排水パイプをきれいに保つ

カビの原因となる石けんカスが出ないうえ、
洗剤残りや汚れの再凝固がないので洗濯槽をきれいに保てます。

また、
排水はほとんどの成分が分解されて出てくるので
パイプの汚れも防いでくれます。


③ おしゃれ着洗剤いらず

強いアルカリ性の洗剤では、
ウールやシルク・カシミヤなどの素材を洗うと傷めてしまいますが、
これは中性の洗剤なので、
繊細な素材のおしゃれ着も洗うことができます。


④ 柔軟剤いらず

汚れがしっかり分解できると、繊維一本一本が起き上がるので
柔軟剤なしでも
衣類が持っている本来の柔らかさに洗い上げることができます。


⑤ 経済的

ボトル一本500mlで2600円。
一見すると高額ですが、一回の使用量は5ml。
一回およそ26円で洗濯できます。

ごく一般的な大衆商品の値段を調べてみたんですが、
洗剤と柔軟剤を合わせて使うとすると
一回21円ほどになりました。

別で、おしゃれ着洗剤を買わなくて良いことを考えると
むしろこちらのほうが経済的と言えます。



おおお〜

すごいねえ!



*主に、こちらのサイトに載っている情報を元にまとめています。
正確性にはじゅうぶん配慮しておりますが、不安を覚える方はご自身で調べることをおすすめいたします。


「ECO LAUNDRY LIQUID」
この商品がめっちゃ良いことはわかった!


でも...


なんで今までこれ知らなかったんだろう?


いい商品なのに、知らなかった理由は?

はい、
まずドラッグストアに売ってないですね。

画像4

(Photo by Hanson Lu on Unsplash)


調べると、
セレクト系のライフスタイルショップには
オンライン・店頭ともに
取り扱いがありました。

ただ
店頭で見かけた記憶がない


おそらく、
とても整った印象のパッケージであること。
(おそらく大衆品のような広告機能を持たせていない)


それから、
この商品の良さは
文字で読んで初めて理解できるけど、

一見すると
洗剤一つで2600円?かなりの贅沢品?
とか思っちゃうので、

この商品が目に入っていたとしても、通りすぎてしまい、
手にとってパッケージの裏まで読もうとは
ならなかったんでしょう。



いやあ、
もったいないことしてたなあ、
なんで気づかなかったんだろう...

こんなに良い商品なら
誰かがインスタに投稿しててもよさそうなのに...



そもそも柔軟剤って別にいらないらしい


そんなことを考えていたら、
ちきりんさんのTwitterで柔軟剤について言及していました↓


柔軟剤を使うと、水がしみ込まなくなってしまうから
タオルや下着には特に、
柔軟剤を使わないほうがいいという事実...!


えええ、
まじか、そうなのか...


「柔軟剤でタオルふっくら〜!」
ってあれ、テレビCMに刷り込まれてただけだったのね...

知らなかった...

画像5

(Image by Steve Buissinne from Pixabay )


今でこそ、私はテレビを観なくなったので
CMに触れることもないのですが、

洗濯は
洗剤と柔軟剤、プラス時々おしゃれ着洗剤っていうのがあたりまえだ
と思い込んでたな。


ちきりんさんのツイートに続くリプを見ていくと、

柔軟剤の強すぎる香りは、
頭痛や吐き気を伴う香料アレルギーにつながったり

殺菌作用の強い成分による皮膚刺激が
肌荒れを引き起こしたりするため、

悪影響に悩まされている人もけっこういるみたいですね。



広告のざんねんな仕組み


ここで広告の話をしたいのですが、

コピーライターや
そのほか広告代理店業に関わるクリエイターは、
企業さんから依頼されたとき

基本的には
その商品やサービスが売れるようにクリエイティブを作るわけです。

画像6

(Photo by Dylan Gillis on Unsplash)


そもそもこの商品ってこの世の中にはいらなくない?
という議論にはなりづらい。


例えば、
「ペットボトルのお茶が売れる企画を打ってほしい」
と言われたとして

「そもそもペットボトル飲料なんて
環境破壊を助長するんですから、これ以上売らなくていいですよ」
と返すわけにはいかない(たぶん)。

ペットボトルのお茶を必要としてくれる人に届くように、
なんとかクリエイティブを作りますよね。


売れるまでたどり着けなくても、
商品名を覚えてもらうとか、好印象を持ってもらうとか
店頭で思い出してもらうとか、タレントさんにコメントさせるとか

ありとあらゆる手法を駆使して
人々の心を、その商品に向けさせようとするわけです。


不都合なこと言うわけないよね。

売れなくなるかもしれないことは、
正しいことだとわかってても言えないと思う。


悪気はない(はず)


でも、彼らは
悪気があってやってるかというと
そうは思わないんです。

私が就活中に行った
消費財メーカーのインハウスコピーライターの説明会では、

現役コピーライターさんがすごく楽しそうに
「まるで遊んでいるみたいな仕事です!」
とお話してくれたので、


ん〜
なんというか、
広告作ってる人もただの人間なのかな、と思います。


どうしても、
その商品やサービスに触れる全員のことを一人残らず考えて、
全ての人を取りこぼさないようにするっていうのは
ちょっともう難しい。

もちろん、
できる限りのことは
調べたり考え尽くしたりしますけど、

商品や広告を世に送り出している側の人間ですら、
地球上の全てのことを理解しているわけではないんですね。


はい、すなわち、
広告は安易に信用してはいけない


画像3

(Photo by John Jackson on Unsplash)


広告をしてるからって、
それだけでいい商品だとは言えません。

選択する時は
ちゃんと自分で考える。

自分のことを一番考えてあげられるのは自分だけだからです。


たとえば、こんなふうに。

先日久しぶりに乗った電車では、

【婚活サービス】【結婚式情報マガジン】【脱毛サロン】
という
なかなか圧の強い広告セットを目にしたんですけど笑、


●婚活サービス
婚活しなくても交際や結婚はできるし
というか結婚だけが人の幸せではないですよね。
決まったパートナーがいなくても、友人たちに囲まれて
楽しく、自分らしく生きている人はいます。

●結婚式情報マガジン
結婚式を挙げなくても
結婚を決めた二人の人生は素晴らしい。
でも、そもそも
結婚という形じゃなくても事実婚でもいいのです。

●脱毛サロン
脱毛しなくても男性とお付き合いはできる。
毛のないつるつるぴかぴかの肌だけが
その人の魅力を作っているとは限らないわけです。


画像7

(Photo by Billie on Unsplash)


特に脱毛サロンの広告は
パートナーに見立てた男性を登場させていました。

他人からの見えかたという視点を提示して
煽ろうという魂胆ですね...


こう考えると、
価値観の押しつけだよなあ、広告って。

もちろん、そうじゃないかっこいい広告もいっぱいあるよ!



思い込みはいつも自分のなかに


長くなりましたが、

「柔軟剤は使うものだ」という常識

それがいつのまにか
広告とか誰かから刷り込まれていたんだね
ということに気づき、

ちょっと立ち止まって、疑問を持って
自分で調べたり考えたりしようよ〜

というお話でした。


考えが勝手に植え付けられてるって
怖いね...



私の職業はコピーライターでして、

今は主に、
WEBサイト制作を進めるうえでのコンセプトを固めたり
サイトに載せる文章を作ったりするので、

瞬発的に打つ広告コピーとはまたちょっと
性質が違うのですが、

誰かを傷つけたり、
読み手に考える余地を与えないような厳しい言い方をしないように

というのはいつも気をつけています。


画像2

(Photo by Zoran Borojevic on Unsplash)


世に言葉を送り出す機会が多いからこそ、
慎重に言葉を取り扱える人でありたいです。


ありがとうございました!


さてさて、
6月のマガジンテーマ
「常識にとらわれないでみた」

いかがでしたでしょうか。


柔軟剤に限らずね、
知らず知らずのうちに
私たちは常識の枠の中で生きちゃってるんだよな
とわかりました。


今日はどっしりした内容でしたが
ここまで読んでくださったかた、本当にありがとうございます。


また来月は
新しいテーマでお送りいたします!

どうぞよろしくです〜

こちらのマガジンに更新しますね↓


それでは〜

片倉まりなでした!

(トップ画像:Image by Frank Habel from Pixabay )



サポートしてくださるとさらに励みになります!いただいたサポートで、コピーライティングやデザインの勉強をすすめたいです。