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どんなにデザインが素敵でも。

はい、こんにちは〜
片倉まりなです。

先週の記事がなんと
noteの「編集部のおすすめ」にまとめられていて、
通知の嵐になりました...

フォローしてくださったかた、ありがとうございます!


あなたは誰なの?と思う人は、
こちらの自己紹介noteをさらりとご覧くださいね↓


さて引き続き、
5月テーマの「レモンとデザイン」について
記事を書いていきます〜


レモンといえば広島でしょう


レモンをテーマにしようと決めたとき、
どこかで絡めたいなと思っていたのは、
実家がある広島のこと。

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高校生まで、広島で暮らしていました。


実は、広島県って
レモンの生産量が日本一なんですよ!
ご存知でしたか?

りんご→青森
さくらんぼ→山形
ぶどう→山梨

このあたりと比べると
まだまだ知られていないだろうな〜と思います。


以前は、広島県民ですら
その事実を知らないほどだったんですから。

ただ、ここ数年、
観光キャンペーンなども積極的にしてきたおかげか、
おみやげコーナーには
レモンのお菓子がずらりと並ぶくらいにはなりました。


瀬戸内レモンのおつまみ


今日ご紹介したかったのは
こちらの商品↓

イカ天瀬戸内レモン

イカ天 瀬戸内レモン味


ああ〜
きゃわわ〜

広島の尾道にある、「まるか食品」というメーカーさんから
発売されているものです!

レモン色とスカイブルーの爽やかな色合い。
商品名まで手描きで仕上げた、ゆるさとあたたかさ

スーパーのおつまみコーナーに会ったら
かなり存在感を放つ、可愛さですよね〜!


もともと、
広島特産のレモンを使った商品を!ということで開発が始まり、
地元での販売からスタートしたものの、
人気のため全国で販売されている大ヒット商品です。

ただ、
この商品が
このデザインで世に出るまでに、
かなりたくさんの苦労があった
のだとか...


チャレンジングなデザインだった



↑こちらのサイトから
パッケージデザインのお話を引用しますね

企画室の岡田さんのお話...

イカ天パッケージ案3種

最初の段階で、下の写真のような3パターンのデザインが出来上がりました。皆さんだったらどのパッケージを買いますか?
岡田はデザインと初対面した時に③のパッケージに一目惚れ。
そう、恋に落ちました。

でも...まるか食品は珍味メーカー。普通なら、①のパッケージです。
あきれられるのを覚悟で会議では②を推薦しました。②のパッケージだって珍味としては思い切ったものです。
しかし、私は5年に1度の恋に落ちています。社長にだけ聞こえる小さな声で1回だけ言ってみました。
「会社として進めるなら②だと思います!でも...実はーーー私ーーーー。。。。。③のパッケージもちょっと気に入ってるんです。。。」
すると、社長から返ってきた言葉は「やっぱりね。どうせなら好きなようにやってみれば?」
言ってみるもんです!

「商品名ほんとに手書きなん?見にくいじゃん。」という意見もありました。
しかし、手描きでなければ瀬戸内のやわらかい雰囲気が伝わらないと信じていました。裏面に、広島とレモンの小話を入れました。「そうなんだ!」って思ってもらえた瞬間にこの商品のことを覚えておいてもらえるから。
絵本のような語りかけるデザインにしたい!
私の小さなこだわりは、ことごとく男性社員には伝わりませんでしたが、最後は半ば強引に押し切りました!
だって、こんな商品が売っていたら、私が絶対に買うから!

そして、嬉しいことに理解していただいたお客様には、ドハマりしていただきました!
れもんイカ天ファンの皆さん、今日もありがとうございます。


いやすごいな...

奮闘してくれて嬉しいですね。
「まるか食品」の皆さんのおかげで
こんなに美味しくて可愛いパッケージのイカ天が食べられるんですもの!

イカ天瀬戸内レモン中身


どんなに素敵なデザインがあっても
それが世に出るにはやはり相当のハードルがあるんだなあ。


何がすごいか


私が思う、この話のすごいな!ポイントは↓


●無難なデザインも選べたのに、それを選ばなかった勇気!熱意!信念!

●「会社としてこれだとは思うんですが、実はこっちも気に入ってるんです...」と、議論の空気を否定せずに自分の素直な意見も伝えていく岡田さんのコミュニケーション!

●「好きなようにやってみれば?」と言えてしまう社長の度量!懐の深さ!器の大きさ!会社のゆとり!

●担当者を5年に1度の恋に落としてしまうほどの可愛いデザインを提案できるデザイナーさんの技量!

●そもそもそういうデザイナーさんに発注をかけられる担当者の見る目!選定力!情報収集力!

●デザイナーさんに的を射た要望をちゃんと伝えられる担当者のコミュニケーション!

●今までにないデザインの商品でも棚においてくれた小売店の皆さん!

●おいしさとパッケージの可愛さを支持したお客さんたち!


...このあたりでしょうか?

どれが欠けても、
この「イカ天 瀬戸内レモン味」は生まれなかった!

ここでお伝えしきれていない奮闘も、
きっと多々あるはず。

様々な事情を乗り越えて、
世に出てくれてありがとう〜と感じますね。


生活者が美しさを好きでないとね


特に、
パッケージの可愛さを支持したお客さんたち
というのはポイントだろうなあ。

だって、この「イカ天 瀬戸内レモン味」が
世に出たとしても、
誰も買ってくれなかったら、いま売ってないわけで。

開発や企画をする人が
「素敵なデザインなら買ってくれるだろう!」という予想も
できないわけで。


生活者が
いいものをちゃんといいと言えること
いいものをちゃんと選べること

それくらいの見る目、知性、思慮、想像力
携えていたいよなあ
と 思ったりしました。


海外のほうが美しい?

日本より
アメリカやヨーロッパの人たちのほうが、
デザイン的に美しいもの・アートへの関心は強いイメージ
ってありますよね。

アーティストの作品を部屋に飾るのが
あたりまえだったり。

それってなんでだろう?
単に、意識の違い?とか思っていたのですが、

こないだの卒業旅行で
オーストリア・ウィーンにある美術館へ行ったとき、
少しわかりました。


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Photo by Marina Katakura 2020.02.21 Vienna

そのとき私は、
ふつうに展示を見てまわっていて、
あ〜音楽とかも聴けるのね〜ウィーンぽくていいわぁと
のんきに楽しんでいたら

何やら奥から話し声が聞こえてきたんですよ。


声のするほうを見てみたら、
5〜6歳くらいの子どもたちが20人ほど、
ひとつの絵の前にみんなで座って、
お姉さんからの話を聞いていた
んです!

しかも
一方的なレクチャーではなくて、
「これは何?」→「はい!それはお花!」
という感じで、
問いかけ形式の双方向ミュージアムトークしてました。

(大学で2年間ドイツ語かじってたので、少しだけ聞き取れた)


いやすんげえわ。
そりゃあ敵わんわ。

そんな年齢のころから、
クリムトやシーレなどによる本物の絵画を前に
自分ごととしてアートを楽しんでいる国民の皆さんなら
そりゃあ、
豊かな美意識が育まれているはずですやん。

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Image by tolmacho from Pixabay


私が幼いころも、
美術鑑賞という課外活動で
劇団四季のミュージカルを観に行ったりした記憶はあるんですが、

なんというか
一方的に見せられて、はい、おしまい!
という感じだった気がします。

感じたことを素直に誰かとシェアしたり、
作品の背景を知って改めて観たり
していたら
もう少し
いろんな視点を育むことができたのかな?
と思いますね。


自ら美意識を育もう


幼いころの教育のされかたはもう、どうしようもないので、
それに負けないよう、依存しすぎないよう
私は今からでも、
いろんな芸術や考えや視点に触れていくのみですな。

別に
高尚なアートを人生に取り入れていかなくては!
っていうわけではなくてね。

美しいものに囲まれて送るくらしは、
きっと嬉しい、心地いい。

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(Photo by Andrew Small on Unsplash)


そしてそれは
見た目だけでなく、

言葉や音楽、香りや動きなんかにも
通用するのでは?

と 思ったりします。


日本にも美意識はある


あわわ、
イカ天のお話から
なんと、こんなところまでやってきてしまいましたね笑

スミマセン...


とはいえ、
日本に根付く美意識
世界に誇る文化のひとつ。

わびさび、こもれび、生きがい...

日本語にしか存在しない言葉から、
日本人らしい美意識に改めて気づくこともできそうです。

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Photo by Roméo A. on Unsplash


むやみに海外を礼讃して、
日本を卑下したくはないですよね...

日本だって良いとこたくさんよ!(自戒も込めて)


というわけで、
5月のテーマ「レモンとデザイン」についての記事は
今回が最後でした!

毎回、
書いている私がいちばん楽しんでる気がします笑


来月のテーマも気になるかたは、
ぜひマガジンをフォローしてみてくださいね〜↓


今月も、ありがとうございました!
片倉まりなでした〜

(トップ画像:Photo by Derick McKinney on Unsplash)

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