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トランスレーションズ展で「わかりあえなさ」を体験する

最近母親が翻訳活動をしている。翻訳の活動を聞いていると、英語から日本語に訳す作業が、どれだけ大変なんだろうという気持ちになる。

そもそも英語と日本語は背景が違う。辞書には意味が載っているが、それをただ並べただけでは伝わらないのだ。日本には日本の背景があり、アメリカにはアメリカの背景がある。

ピクサーの映画の中でだってローカライズは行われている。
たとえば、子供が嫌いな野菜を皿のフチに寄せるというアニメーションを例に上げる。アメリカではその嫌いな野菜はブロッコリーとして描画されているが、日本向けローカライズ版ではピーマンに変更されていた。

子供の嫌いな野菜=ブロッロリー(アメリカ)
子供の嫌いな野菜=ピーマン(日本)

こういう細かいところをとってみても、背景が全然違うというニュアンスがわかる。

国と言語がちがうならわかり会えない可能性はまあ、あるだろうなという認識はある。じゃあ、同じ国の同じ言語の日本語を操る同僚は?
いままで学生自体を一緒に過ごした友達は?

私の発言は、他の人にとっては不快な気持ちにさせることもあるだろうし、その逆もある。等の本人の何気ない一言は私を傷つける可能性はある。

そういう、わかりあえなさは、どんな日常にも潜んでいるよ
そのわかりあえなさを認識し、許容し、どうすればお互いに気持ちの良い距離感やコミュニケーションが取れるか、受け入れて進んでいけるかというのがコンセプトなのではないかとおもった。

展示会の企画概要

「翻訳」を介したコミュニケーションは、文字による言語だけではなく、視覚、聴覚といった感覚や身体表現などを用いて、送り手と受け手をつなぐ「架け橋」の役割を担っています。そして、その過程で生まれる解釈や変換、表現は、デザインやアートにも共通します。本展では、ドミニク・チェンの「翻訳はコミュニケーションのデザインである」という考えに基づき、「翻訳」を「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」と捉え、その可能性を多角的に拓いていきます。

この展示では
●言葉の海をおよぐ
●伝え方を探る
●体で伝える
●昔と過ごす
●異種と向き合う
という作品それぞれにコミュニケーションの分類が存在していた。

トラNsれーショNs展会場計画

トランスレーションズ展.002


日本語と英語と中国語とフランス語が入り混じって変な気持ちになるとともに、各言語発音がまったくちがうんだなぁという気づきを得る。

トランスレーションズ展.003

私の日本語をいろんな国の言葉で変換してみる

コンピューター「最後に見た夢はどんな夢ですか?」
私「旅行に行く夢」

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各言語と日本語がどれくらい近似しているのかを表した図

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トランスレーションズ展.004

「旅行に行く夢。」をいろんな言語で表してもらいました。
それぞれの言葉で「旅行に行く夢」の音声がきこえた。

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予想される仕組み
マイク→Google Cloud Speech APIに投げて日本語検知→それぞれの言葉に翻訳&音声返す→時間差をつけて発声
三次元での線の近似は何を表していたのだろう・・・気になる。
このへんかな・・

自分でもプロトタイプをつくってみたい。

ハロー・モールス

タニア&ケン・フィンレイソン+Google Gborad team
モールス信号を、絵にしたらというアイディアが素晴らしかった
赤線がツー赤点がトン
こうすればアルファベットも楽に覚えられる気がする

トランスレーションズ展.005

これはモールス信号を覚えやすくしたアプリ

トランスレーションズ展.006

公式の紹介ページはこちら↓

信号でことばを書く
エンジニアのタニア・フィンレイソンはモールス信号によって自身の「声」をみつけた。彼女の首の動きはモールス信号の「ツー」「トン」に翻訳され、コンピューターが文字を認識し人工音声で読み上げられる。モールス信号が強力なコミュニケーション手段となることを実感したタニアは、この技術をより多くの人々に提供したいと考えた。そこで彼女と夫のケンはgoogle Gborad teamと連携して、モールス信号が打てるキーボードを開発し、iPhoneとAndroidを使用する何億もの人々に無償で公開した。
このプロジェクトによって、誰もがスペルチェックや予測変換と行った現代のキーボードに内蔵される機械学習の機能にモールス信号対応のデバイスからアクセスすることができる。
(展示の説明より全文引用)

考案者自体がエンジニアというのが、心惹かれる。自分の声をモールス信号にして、発信しよう&それをインプットする機械をつくろうという勇気がすごかった。(是非動画を見てほしい。頭でモールス信号を打ってる。)
また自分だけではなく、iPhoneやAndroidでも使えるように多くの人に技術を提供したのも、エンジニアは夢のある仕事だなとおもった。

・・・のイメージ

和田夏実+筧 康明
(グラフィックデザイン、演出:宮本拓真 協力:異言語Lab)

手で世界を描く
雨が降る、雲が生まれる、飛行機が飛ぶ・・・といった表現をそれぞれ日本手話で表すと、目の前位に自分のあらわしたいものの造形が描かれていくインタラクティブな映像作品。手で雲の形を作るとともに、スクリーン上に雲のビジュアルが生まれ、手を動かすスピードや量に応じて雨が振り、手の動きに応じて飛行機が飛んでいく。音の言語では名詞や動詞がそれぞれ分かれて表されるが、視覚の言語では一体となって表現されていく。あなたが描く手の動きから、一体どんなイメージが生まれるだろうか
(展示の説明より引用)

トランスレーションズ展.007


トランスレーションズ展.007

視覚の言語ということばが好きだ。
そうだ、私は、言語は音しか無いと勘違いしていた。手話は確かに視覚の言語だ。

仕掛けはリープモーションで手の動きを取得している。
ただリープモーションをおくだけではなく、この円のなかで手を動かしてねをわかりやす来るために金属の輪を用意しているところが工夫だと思った。

インタラクションのある展示は、観覧車にどうすれば動くかを最小限で伝える必要がある。少しでも動かなければ壊れているのかなと離れてしまう。
また、円の奥に手の動かし方の展示があり、わかりやすかった。

スーパークリエーターだったのか。


トランスレーションズ展.008

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