【番外編】全20回のスキーマ療法の臨床試験を受けた検査結果の推移

ヤングスキーマ質問紙の推移

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初回のスキーマ療法開始前のスキーマです。スキーマの説明文ではなくスキーマそれぞれの数値の推移を見てください。ちなみに、スキーマは30点満点、()内は健常者の平均点です。ピンクは標準偏差2、黄色は標準偏差1を表しているらしいです。

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スキーマ療法開始10回目時点のスキーマです。この回の検査結果票は前回と表記の順番が異なっていて見にくいですが項目は同じなので探して比べてみてください。前回はほとんどがピンク色だったのに、白い項目が出てきました。

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スキーマ療法20回終了直後の検査結果です。ピンクの項目が半分ほどになり、黄色に下がったものが多いです。また、黄色だとしてもほとんど健常者平均と差のない項目が多くあります。

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スキーマ療法の臨床試験終了後半年経過した時点の結果です。この間、一切のカウンセリングを受けていません。通常の通院のみです。治療がない間にピンクに戻ってしまった項目と、健常者の平均点以下になり白くなった項目、ピンクから黄色になった項目さまざまです。おそらく、私の中で問題性の強い根源的なスキーマはスキーマ療法から離れると元に戻ってしまうようです。臨床試験で重点的に取り扱ったスキーマに関しては臨床試験終了後も数値の減少か維持が可能なようです。臨床試験で扱われなかったスキーマに関しては終了直後の結果とあまり変わらないままです。

スキーマモード質問票の推移

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モードはスキーマと異なり、点数の上限が項目によってバラバラです。左側に[]で書いてあるのがそれぞれの項目のMAX値です。スキーマ療法開始以前では「チャイルドモード」全般と「コーピングモード」の一部がピンク色です。

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スキーマ療法開始10回目時点では、重点的に取り扱った「脆弱なチャイルドモード」がピンクから黄色に下がっています。一方で、以前は問題になっていなかった「懲罰的ペアレントモード」の数値が激増しています。これは、スキーマ療法の治療の中で自分がいかに不当に扱われてきたのかを知ることとなり、一時的に増加しているものと考えられます。

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20回のスキーマ療法の治療終了直後の検査結果です。驚くべきことに、ピンク色の項目がなくなり、ほとんどの項目が健常者平均以下になっています。体感としては、この時点で自分の中のモードのコントロールが可能になり、暴走することがほとんどなくなっています。同時点でのスキーマ質問紙の結果はピンク色が多く残っていたのに、モードではほとんどなくなっているのは、スキーマレベルでの治療は途中だが、モードレベル(認知レベル)での治療はほぼ完遂されたと解釈できると思います。

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スキーマ療法終了後、半年経過した時点での結果です。ほとんどの項目が平均以下であり、モードコントロール可能な状態が持続しています。一方で、「怒れるチャイルドモード」の数値が激増しています。これはこの検査をしている最中の生活状況で自分のせいではないトラブルに巻き込まれていたからということも関連していると思いますが、怒り関連のモードはこの検査からさらに3ヶ月経過した現時点でも問題化されています。怒り関連モードがなぜ活性化してしまうのかについては今後の課題です。

その他心理検査の結果の推移

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説明文の画像と検査結果の画像を見比べてもらうとわかると思いますが、ほとんどの項目で「重度うつ状態」になっています。私自身、人間関係に問題はあるものの、うつ状態である自覚は全くなかったのでこの検査結果にはかなり驚かされました。無自覚のうつ。検査って大事だなって改めて思いました。

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スキーマ療法の治療開始10回目時点の結果です。あまりに劇的なうつの改善が見られるのでびっくりしてしまいました。BDI-Ⅱが43→14になり、軽度と無症状の境界ラインまで回復しています。あまりの変化にびっくりしました。体感としても、この時期はかなり調子がよい時期でした。

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20回のスキーマ療法終了直後の結果です。BDIは減少してるものの前回とあまり差はありませんが、HAM-Dの結果がすごいです。初回からの推移を見ると23→13→4。「4?!」って思いました…。

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これで最後です。スキーマ療法終了後半年経過した時点での結果です。残念なことに、初回ほどではないにしろ、うつ状態は基準としては「重度」に戻ってしまいました。もちろん、この間にさまざまなストレスフルな生活状況になっていたことも影響があると思いますが、スキーマレベルでの回復ができていないことが大きな要因だと思います。問題を起こすモードのコントロールの結果、自分が引き起こしてしまうトラブルは劇的に減少しましたが、周囲の影響で引き起こされる「スキーマ刺激」への対処ができていないという点がこのうつ尺度の検査結果に現れていると思います。どの結果も初回よりは低い数値に収まっているという点はモードコントロールによるものだと思います。

現在はスキーマ療法を月に1回のペースで再開しましたが、うつ状態はどんどん悪化している気がします。未治療期間に抱え込んだ問題が未処理のまま膨れ上がっている感じです。生活レベルもかなり低下しました。自力の生活がほぼできない状態に戻っています。

自分の中の結論としては、スキーマ療法は週1ペースで受けていれば劇的な回復がすぐにあるが、中途半端な状態で終了するとある程度は未治療状態に戻ってしまうということがわかりました。月1ペースでスキーマ療法を再開して3回目が先日終わったところなので、月1で続けるとどうなるのかまだわかりません。しかし、スキーマ療法の効果は継続によって得られるものだと感じました。かなり経済的な負担があります。障害年金で暮らしていると、常にお金がない状態になるので、その意味でうつ状態の悪化も招きます。スキーマ療法は依然としてハードルの高い心理療法だと思いました。

サポートありがとうございます。みなさんのサポートは、スキーマ療法や発達障害、当事者研究に関する書籍の購入やスキーマ療法の地方勉強会、ワークショップ開催などの費用に充てたいと思います。