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アウシュビッツで不思議体験

今から8年以上前になりますが、私は会社を辞めて家を引き払い、実家で居候しながら色んな国へ旅行し始めました。

当初は1年だけと考えていたのですが、結果的に4年間仕事をせず
旅行→実家で休息&次の準備→旅行 を繰り返していました。


その期間、各地で体験した不思議なことがいくつかあるのですが、まずはポーランドでの不思議なお話をしようと思います。


これは怖い話ではなく、単純に不思議な話 なので、もしかするとつまらないかも知れません。

★アウシュビッツについて、と括ると文字数が大変になるので、今回は不思議体験にだけ絞っていきます。



ある年の11月末ごろ、アウシュビッツを訪問


その時期は既にかなり寒く、到着すると所々雪が積もっていました。
その広大な敷地の中を一日かけての見学を見越し、しっかり着込んでいましたが、震えるほど寒かったのです。


見上げた空はどんよりグレーで、自分がこれまでに観た映画やテレビで抱いていた、アウシュビッツのイメージと、目の前に広がる光景が完全にマッチしていました。


あまりに広大な敷地に点在する建物の全てを、閉館時までに見て回るのは不可能です。
その上収容所は2か所に分かれている為、時間配分を考えつつ見学を進めました。

★第1収容所と第2収容所の2か所で構成されており、その間はシャトルバスで移動します。


ここでの不思議体験は3つ

【1】
元医療施設として使われていた、ある建物に入った時の事です。

★建物の中のいくつかは、色んな展示物があったり、映像が流れていたりと、ある程度内装に手を加えられています。


その元医療施設は、他の建物よりも内装がしっかり綺麗にされていて、中だけを見れば大変綺麗な建物でした。

ただ私は、その建物に入った瞬間にまず感じたのが、消毒液の匂いのキツさです。
それは鼻をつくほどでしたので、その建物が元々医療施設だったと分かり「あぁなるほど、だからか~」なんて思っていました。


でもよくよく考えたら、私が訪問した時点ですら、余裕で70年以上経ってる訳で、更に内装はとても綺麗になっている。
それでもなお、あれほどしっかり消毒液の匂いって残るものなのか?と不思議でなりませんでした。


★帰国後、色んな人のブログ等読んだりして調べましたが、それに関わる記載を見つけられず、他の方も同じように感じたのか知る事はできませんでした。



【2】
ある別の建物で見学をしていた時。
そこは小さな部屋がいくつも並び、廊下はひんやりと薄暗く、ジメっとした空気感が漂っていました。
その中の一つの部屋の前に来た時、突然私の胸の真ん中辺りがズドーン!と重たくなったのです。
それは結構な衝撃だった為、ものすごく驚きました。


ドアの上部にある小窓から内部が確認でき、覗いてみると部屋の真ん中にポツンと花が置かれていました。
それ以外はなんにも無い、かなり狭い部屋です。



「え?今のなに?めっちゃ胸重いねんけど・・・」そう思いつつ建物の見学を終えて外へ出ました。


胸の重さは最初に感じた ドーン! の後、そう長く続いた訳ではなく、外に出る頃には、消えて無くなっていました。



ただ頭の中ではずっと「え?今のなに?」が、グルグルと周遊していました。


★建物内部には沢山の説明書きが添えてあるのですが、私は英語が全く分からない為、殆どの説明書きへ目をやる事すらしませんでした。


帰国後に調べると、驚くことが分かった
その建物は、投獄された人が飢餓の刑と称し、命を奪われる場所でした。
そこで亡くなった神父様がいたのですが、牢獄行きの他の男性を助ける為に、ご自身が身代わりとして投獄される事を志願し、そこで亡くなったそうです。

そして私が驚いたのは、その神父様はかつて日本で布教活動をされていた事があるらしく、日本が大好きだったそうなんです。


突然やって来た胸のドーン!、あれは日本人の私に神父様が反応されたのかもしれないな、そんな風に思いました。
不思議だけどほんの少し、腑に落ちたような気がしました。


【3】
最後は、ガス室とされている建物での事です。


この建物の前に来た時、まずは外側の窓ガラスを通して中の写真を撮ろうと思ったんです。
カメラを窓に近づけ、シャッターを切ろうとした時、何故かさっきまで動いていたカメラが全く反応しません。

電源すら入らず焦った私は、あれやこれやと試してみると、やっと電源が入りホッとしました。
しかし、画面が真っ黒のままで対象物を捉えられません。



おかしいなと思いながらも、閉館時間が迫っていた為、中へと入り内部見学をしました。
ガス室見学の後も、結局カメラの調子が戻る事はありませんでした。


その夜食事に行った時に再度試してみると、カメラは起動するものの引き続き撮影は不可状態。
それに加え、アウシュビッツで撮った写真が一枚も確認できません。
それ以前に撮った写真は確認が出来るのに、です。



そう、撮影不可、画面が真っ黒で対象物を捉えられない、なのに保存している写真は画面で確認できるのです。
そして何故か、その日アウシュビッツで撮った写真の全てが、SDカード内に残っていないのです。


そこから数日、落ち込みながらもポーランド滞在を終えた私は、予定通り日本へ戻りました。


そして帰国直後、カメラの電源を入れてみました。
すると、何事もなかったかのように起動し、撮影モードもしっかり機能するのです。
もちろん画面も綺麗に対象物を捉えます。



更に驚いたのが、アウシュビッツで撮影した写真はごっそり無くなっていたはずなのに、それは何度も確認したのにも関わらず、何故か「え?前からありましたけど?」と言わんばかりに、あの日の写真がしっかりと保存されていたのです。


「うそでしょ?なんで?なんで?」と何周したかわかりません。
そんな事もあり、帰国後はアウシュビッツについて結構調べてみたのですが、内容が自分の想像をはるかに超えていた為、ある意味知らないまま行って良かったのでは、とすら思ってしまいました。


しかしこれって、いったいなんなんでしょう。
ただの不思議な話ではありますが、本当に不思議で仕方ありませんでした。




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