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母の愛

もうすぐ母の日だ。
この前知り合いに花束を贈りたくて、いけばなでお世話になっているお花屋さんに行ってきた。母の日が近いから、とても忙しそうに電話をとっていた。この時期になると何をしようかなといろいろ悩んでやっぱり当日に花束を渡すことが多い。

私の母は高齢出産で私を産んだ。同級生の母親たちと比べたら断然年の差は大きい。以前はそれがコンプレックスだった。しかし今は母親というよりも親友という感じだ。
何かあったら相談に乗ってもらうし、買い物や旅行だって2人で出かけることが多い。

母親は姉でもある。
私は一人っ子だ。兄弟がいないからこそ、姉のように母に何でも話す。嬉しいことも悲しいことも全てだ。母は何があってもいつもどんな時でも見守ってくれている。
実家にいる時は喧嘩が絶えず、余計な一言をつい言ってしまう自分が嫌いだった。今は離れているから母の優しさやあたたかさが痛いくらいにわかる。
当たり前にあるものは、当たり前じゃなくなってから本当の大切さに気がつくのだと実家を離れてから自分なり実感している。

母はいつも私が決めたことは応援してくれる。
うまくいかなくて悩んでるときも、
何かに夢中になっているときも、
あなたなら大丈夫といつも伝えてくれるのだ。
誰に何を言われようとあまり聞く耳を持たない私だから、苦言を呈すことはあっても最終的に応援してくれる。
身内でひとりだけでもいい。誰かが信じて待ってくれていると諦めそうなときにあと一歩進んでみようと思えるものだ。

この前だって実家に帰ったときに、いつもそこにいるかのように迎えてくれる。いつでも帰ってきてもいいよと言わないが無言でも伝わる優しさがそこにある。

今働いている会社ではラジオがずっと流れている。ラジオってなんかいいなと思う。
それは古い曲も新しい曲も誰かのリクエストで流れたり、普段自分が聞かない曲を知れて、世界が広がる感じがするからだ。
ちょうど母の日が近いということから
backnumberの『手紙』が流れた。
backnumberは学生のときによく聞いていた。
だからとても懐かしかった。

嬉しい事があった時に
誰かに言いたくなるのは
自分よりも喜んでくれる人に
育ててもらったからなんだろうな

backnumber/手紙

久しぶりに聞いて、この曲って母親のことを書いた曲だったのかと初めて知った。
人に優しくできるのは、人の痛みをわかるのはそんな母に育ててもらったからなのかとふと思った。
以前お世話になってる人に母を紹介したことがある。あなたの強さはお母さん譲りなんだねと言われたときに、とても驚いた。
やはり私は母に似ているのだろうか。

母はとても強い。
苦しくて辛いこともあまり口に出さないし、
できることをコツコツ進んでいる姿に
かっこいいなといつも思う。
家族を守るためにはどんな行動にも出るだろう。
優しくあたたかいが、頼れる母だ。
私とは大違いだ。直感のまま気の向くままに生きている私とは違い、母は誠実で真面目という言葉が似合う。

私が母親になる日が来るなら、
母のような強くてあたたかい母親になりたい。
自分の子供を信じて無限の愛を与える姿を私はきっと忘れないだろう。
いつも何があっても味方でいてくれて、1番の理解者だ。だからこんなに安心して過ごせているのだろう。母は心の支えなのだ。失敗しても上手くいかなくても母はどんと構えてくれていて、受けとめる姿勢でいてくれているところも、私が私らしくいれる秘訣なのかもしれない。

いつも母の日には小さなカードに文章を綴って渡すのだが、日曜日はしっかりした便箋に今感じている感謝の気持ちを丁寧に綴りたい気分だ。

先程もテレビが壊れてた。13年も経つからよく長持ちした方だと母からLINEが来た。

テレビが来てから13年も経ったことを思うと、あの頃よりは大人になったなあと思う。自分で選択して生きていく、それが大人になることだと思っていた。そもそも大人って何なのだろうかとふと思うことがある。子供の時は無邪気に諦めを知らなかった。大人になるとは諦めることなのだろうか。私にはまだ適切な言葉が見つからない。
だけど、もしそうだったら不思議と悲しいなと思う自分がいる。私はずっと子供のような心で生きていきたいなと思う。諦めたくない、いろんなことを。自分や人生についても全部のことにだ。
難しくたって、失敗したって、無邪気な心を忘れない自分でいたいと思った。
母にとっては私はまだまだ子供だろう、いや一生子供か。あまり出来の良い子供ではないのだが、
母の元に生まれたことに感謝している。
私は幸せものなのだ。今年こそは大分に連れて行ってあげたい。あと何回旅行に行けるのか、桜は何回見れるのか。一瞬一瞬の時間がかけがえのない時間だから、家族との時間も大切にしていきたい。後悔のないように日曜は感謝の言葉を伝えて花束を渡す。いつかあなたのような母になれますようにありがとうという言葉を添えて。母の愛は大きく、あたたかい。私もいつかそんな愛を子供に捧ぐ人になれますように。


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