推薦図書『深呼吸の必要』
「きみはいつおとなになったんだろう。」
そんな問い掛けから始まる長田弘さんの散文詩「あのときかもしれない」。
その一部が国語の教科書に載っていました。
全篇が収められていると知って買ったのが『深呼吸の必要』。(昭文社さん)
単行本は実家に置いて来てしまっていますが、昨年文庫化されていたので最近になってまた読み返しています。(ハルキ文庫さん)
こどもだった「きみ」が、おとなになった瞬間はいつだったのか。
その答えを探し求めるように綴られる「あのときかもしれない」出来事の数々。
改めて読み返してみると、私があの頃この詩に強く惹きつけられた理由がわかる気がします。
そして同時に考えます。
私はいつ「おとな」になったんだろう。
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一番最初に思いつくのは「親もただの人間なんだ」って気づいた時のこと。
小学生の高学年だったか中学生だったか忘れてしまったし、別に何があったわけでもないんです。
実家の居間で一人でぼんやりしてて、突然「そうだよ、親も人間なんだよ」って強く思って。
当たり前なんです。当たり前なんですけど、その瞬間まで私にとっての特に母親というのはどこか絶対的なカミサマみたいな存在で。
子どもが親をそんな風に見るのが自然なことなのか、そうじゃないのかは分からないけど。
「どうして今まで気づかなかったんだろう」って衝撃を受けたので、あの時のことは今も印象に残ってます。
ただ、その反面で「まだこどもなんだけどな」って思う自分もいます。
少なくとも、空を見上げて太陽や月や雲や星をきれいだなって感じる自分は失いたくないし、人から見たらどうでもいいようなことをぼんやり考える自分のままでいたい。
「本当の自分」って突き詰めて考えたらどこまで掘っても答えは見つからないかもしれないけど、元来の私ってもっと天真爛漫だった気がするんだよなって最近は思います。
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