私が笑顔でいられるように。
最近、息子がテレビに齧り付くようになった。きっかけは、YouTubeに上がっている車の動画を流したこと。夫が車好きの息子のために買ってきた車の絵本がとある歌に合わせた物語なっていて、その曲がどんなものか試しに流してみたのだ。
すると、大画面に出てくるリアルな車に息子は大興奮。そのまま様々な車の動画を見るようになり、今ではEテレよりYouTubeを見ているほどだ。
最初は良かったのだが、あまりにテレビ!テレビ!となるものだから、私も健康面が気になってなるべく見させる頻度を減らそうと試みた。
でも勝手にテレビを消せばギャン泣きされ、リモコンを届かない場所におけば、電源をつけるまで泣きながらリモコンに手を伸ばし続ける。
「たくさん見たからダメなの!」、「今日はもうおしまい!」そんなふうに泣き続ける息子に言い続け、なんとかおもちゃや絵本で気を引いて遊んでみても、すぐにまたリモコンを探し始める。
どうすればいいんだろう。毎日悩んで、テレビをつけても消しても、いつも罪悪感に苛まれた。無理やり遊んでいても、時計を見てはまだこんな時間しか経っていないのかと絶望した。息子のためには、私が早く職場復帰して保育園にいれてあげた方が良かったのではないかとも考えた。
でも、私の希望で長めに育休を取らせてもらっているから夫にも相談しづらくて、ぐるぐると頭で考え続けては、落ち込んでを繰り返した。そしてもうどうしようもなくなって、思い立って母に電話した。
母も最近体調を崩していて、心配をかけたくなかったので、ギリギリまで耐えていたけれど、ポツリと話し始めたら、涙が止まらなくなった。声だけだから気づいてないといいと思いながらも、思っていたことを吐き出した。
母は、うんうんと話を一通り聞いた後、「テレビを見たいなら、見せてあげていいんじゃない?」と言った。「あなたを育てていた時も、別にテレビを見せないようにしていたことはなかったよ。でも今こうしてちゃんと母として頑張ってるじゃない。だから大丈夫。」
ふっと、肩の荷が降りた。そうか、テレビ見せてもいいのか。確かに最近の私は、息子にテレビを見せないことに躍起になっていた。でも、それは少し違ったのかもしれない。
「あんまり自分を責めすぎないで。お母さんが、笑顔でいるのが子どもにとって一番なのよ。」
そんなふうに言われて、心が救われた。そっか、私もう十分頑張ってるんだ。そして、それと同時に、最近はいつも息子に怒ってばかりで、笑顔を向けられていなかったことに気づいた。
いつも時間ばかりを気にして能面のような表情で遊んで、テレビと言われると鬼のように怒って。息子と少しでも長く一緒に楽しく過ごすために取った育休だったのに、全然楽しめていなかった。
私はもっと息子と笑顔で毎日を過ごしたい。そのためには、テレビをたくさん見せたっていじゃないか、と思った。それよりも大切なことがほかにきっとある。
私が笑顔でいること、息子と楽しく過ごすこと。それがきっと息子にとっての幸せにもなると信じて。一緒に楽しく過ごすことを一番に考えて、日々を暮らしていきたい。これからも、息子と一緒に笑顔で。