見出し画像

ここが私の帰る場所。

ここ1ヶ月ほど、少しバタバタしていた。実家の母が体調を崩し、入院や施設の手続きなどで、連絡をしたり出向いたり。

ちょうど妹も近くに帰ってきて2人で分担できたので、そこまで負担は大きくなかったけれど、それでも落ち着かない日々を過ごしていた。

そしてこの前ようやく、母が病院を退院して施設へ入所する日が決まった。当日の送り迎えは妹にお願いする予定だったけれど、急な体調不良により急遽私がすることに。息子の預け先も見つからず、結局2人で一緒に病院と施設を往復した。

久しぶりに帰った実家の寂しい様子や、久しぶりに会った母や祖母の言葉、慣れない病院や施設での関わりなど、半日のこととはいえかなり疲弊しした。体以上になんだか私の心が疲れてしまったようだった。

このまま帰ろうかとも思ったけれど、もともと参加する予定だった子育て支援室のイベントに間に合いそうだったので顔を出してみた。息子もずっとおとなしく頑張ってくれたし、少しの時間でも楽しい場所に連れて行ってあげたいと思った。

そして訪れた子育て支援室。顔馴染みの先生が「間に合ってよかったね〜!」と笑顔で出迎えてくれて、部屋に入るといつも顔を合わせるお母さんやその子どもたちがニコニコと遊んでいた。

皆さんの顔を見た瞬間、その空間に入った瞬間、なんだかすごくホッとして涙が出そうになった。あぁ、いつもの場所だ。温かくて、明るくて、楽しくて、安心できる、ここが私の場所なんだ。

そこでみんなと遊んでいるうちに、疲れていた私の心は少しずつ元気を取り戻し、帰る頃にはいつも通りの穏やかな気持ちで自然と笑顔になっていた。そして帰り道、車を走らせながら、ふと不思議だなぁと思った。

息子が生まれるまで、初めてこの場所を訪れるまで、私にとってここは知らない場所で、最初の頃は緊張すらする場所だったのに。いつの間にか、ここに来ることが自然になって、私の一つの居場所になっていたんだ。そんなふうに思える場所に出会えたことに心から感謝したくなった。

家に帰れば、もちろんそこも私のホームで。息子が寝ている間にドラマを観たり、家事をして過ごすうちに、いつも通りの私に戻っていく。夫が帰ってくれば、たわいのない話をして、みんなでのんびりして、夜を迎えて。この暮らしが今の私にとってどれだけ当たり前で、そして大切な日常なのかを改めて実感した。

あんなに楽しかった実家での暮らしや家族で過ごす時間が自分にとって重たくなってしまったのは、悲しいけれど。それでも今の私には、新しい大切な帰る場所がたくさんある。だから、この暮らしをしっかり自分の手で守っていきたい、そう改めて心に誓った。

どうかこれからも今の穏やかな暮らしが、家族で過ごす幸せな日々がずっと続いていきますように。


この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,870件