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料理と魔法

明日は十五夜。娘のお友だちの誕生日に一緒にハイキングに行くことになったので、外でも食べられて、十五夜ならではのおやつがあったらいいなと思ってピン!ときたのが『とんがり帽子のアトリエ』のスピンオフ作品『とんがり帽子のキッチン』3巻にある、「宝芋の黄金焼き」というスイーツ。

本編とともに、娘と一緒に何度も読んで楽しんでいるこの作品は、料理と魔法って確かにすごく似ていると思わせてくれる素敵なお話。

「宝芋の黄金焼き」は、さつまいも(作品の中ではメタリックに光輝く「宝芋」という架空の食材ということになっている。ほかにも、お砂糖は「水晶糖」ってなっていたり。キラキラしたファンタジーの美しさがディテールにもまぶされていて、そこも素敵なんだ)の良いところを全て楽しめるレシピで、1番下の台座のような輪切りの部分は蒸しただけの状態、真ん中のまんまるお月さまのようなぽってりした部分は、バターや生クリームを混ぜて卵黄でコーティングして焼き上げるスイートポテト、一番上の飾りは薄切りにして素揚げしグラニュー糖をまぶしたチップスになっていて、味わいや食感、全部のいいところがちょっとずつ楽しめるフィンガーフードになっている。

普段はあまり、手の込んだお菓子作りはしないけど、今年はあまりにも仕事が忙しすぎて、毎年恒例の芽吹き屋さんのお月見団子を買いそびれてしまったし、娘のお友だちのお誕生日祝いにちょっとしたものを添えられたらと思って、色々タイミング良くつくることに。

実際、手が込んでるので娘と一緒にゆっくり作ってトータル2時間くらいかかったけど、出来上がりのあまりの可愛さに母娘のテンションは高まるばかり。そして横から前から後ろから、気になってはお味見させてもらってを繰り返していた息子のほうもとても気に入って、沢山作りすぎたかな、と心配したのが嘘みたいにみんなぺろっと食べておかわり、久しぶりのお菓子作りは大成功に終わったのだった。(もちろんプレゼント用はキープしておいた)

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料理と魔法って、ほんとに良く似てて、料理も魔法も、基礎があって、その上に人それぞれのやり方や得意不得意、好みや個性があって、何より楽しむ心があると、キラキラと輝き出す。

毎日のご飯は、もちろんこんな心持ちでは全くないし、こなすだけになってしまう日も多い。慌しい日々の中で、手は込んでないけど旬の味や香りが楽しめたり、いつもの味にホッとするのももろん尊い。けどこんな風に季節折々で、魔法が起きて、子どもがわーおいしい!かわいい!って喜んでくれたらそれは自分にとって、とっておきの回復魔法になる。

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夜、十五夜本番ではないけど、台風一過の夜空は澄んでいて、白く照るまんまるの真珠のような月が、とてもきれいだった。

子ども達が先に眠りについた寝室で、カーテンの隙間から眩しい月をぼんやり見つめていたら、南の空のわりと低いあたりで、すっと、星が流れた。

これだけ月明かりで空が明るくて、ほかの星もあまり見えないような日に、お月さまを見ていたらおまけで流れ星までついてきて、なんだか今日はとても幸運な一日。

夏休みに、八ヶ岳で満天の星空を眺めながら娘が叶えたいと思っている願い事を教えてくれて、その時は流れ星は見れなかったのだけれど、今日この瞬間、反射的に娘の願いが心に浮かんで、私はそれを強く願った。だからきっと、その願いが叶うといいな。

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