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22.「令和の白拍子」 宝塚音楽学校へ〜殺気立つ高校時代(決勝戦編 殺気立つ理由2)

「令和の白拍子」こと、花柳まり草(はなやぎまりくさ)こと、まりちゃんです。

前回は「頭の良い馬鹿」という、まりちゃんお気に入りのあだ名についてお話しさせて頂きました。何か一つでも自分が誇れるものを見つけたい・・・受験前の不安な心を少しでも落ち着かせたくて、まりちゃんなりに必死だった17歳の冬。

そんなまりちゃんに、確実に「受験日」が近づいて参りました。

もうすぐ高校二年生編もクライマックス!「やらかし」&「しくじり」ばっかりの日々ではありましたが、いよいよ本気を出さねばならぬ時がやって参ります。

今日は以前にもチラッと書きました、受験前に参加したバレエの発表会あたりのことを中心に書いていこうと思います。

という訳で、今日も元気に22本目の記事参りましょう!

■「受験生ズ」で、踊る

以前の記事でも触れましたが、私を含めた受験生五人組(受験生ズ)は本当に仲が良く、誰かが誰かの足を引っ張るとか、漫画のネタにでもなりそうなことは全く起こりませんでした。

上記の記事でも書きましたが、この仲良し受験生五人組で「眠りの森の美女」の妖精さんの踊りを踊ることになりました。

五人が持つそれぞれ個性と、役のキャラクターがバッチリ合っていて、先生の配役が見事だったよなぁと今から振り返ってもそう思います。

ただ、ここでも一つ、まりちゃんはやらかしていたみたいです。

私が踊るのは「優しさの精」のお役。アダージオというゆっくりした曲に合わせて、足を上げてバランスをとったり、全体を通して優美な動きが要求されます。

とても素敵な踊りですし、キープ力が当時は少しはありましたので、みんなでお稽古していた段階でも「私はこれかも」と内心思っていました。

しかし、他のお役に比べると特徴的な動きがない様に感じられ(ひでこが踊るカナリアの振り、何あれ超個性的!)、ぶっちゃけ特に好きな振りもなく(あやこの踊る勇気の精の振付、超かっこいい!)、キープしなきゃいけない割にあんまりパット目立たないような気もして(おじょうが踊る元気の精、たくさん回ってて超派手!)、雰囲気も特に「優しい」感じはしませんでした(あいちゃんの踊る鷹揚の精、超可愛くて優しそう!)。

(注:↑カッコ内は、まりちゃんの心の声)

と、人と比べまくって超ネガティブに自分の役柄を考えてたんです!!!

そして結果として「優しさの精は大変な割に、あんまりその凄さが伝わらない役なのかなって思うんです」と先生の前で発言してしまったらしいです。

本当にボコボコにしてやりたいくらいの大馬鹿野郎ですが、先生はそれでも私を見捨てずにお稽古をしてくださいました。

今となっては「貴女は、なんだかんだ言ってもポジティブだよね」と尊敬する舞踊家の先生にも言われちゃうくらいになりましたが、当時は今よりもずっと感情の起伏が激しく、ダークサイド周期に入ると「激よわ」「超ネクラ」「人と自分を比べまくる被害妄想の鬼」と化していました。

お稽古中、みんなが踊っているのを見るのも辛い時期がありました。

でも例え違う配役であったとしても、きっと同じ様に馬鹿なことを考えていたと思います。どの役を踊っていても、自分の技量の低さと情けない精神状態のために、ダメダメであったことに変わりはないでしょう。

そんなダークサイドまりちゃんが吹っ切れたのは、発表会がだいぶ近くなり、お稽古場で「お衣装合わせ」をしてから。(遅い)

優しさの精のお衣装の色、それは当時大好きだった「ピンク」でした。

キラキラ光るお花の様なお衣装・・・。

見た瞬間に、心から「とても綺麗!」と思いました。そして「これを着て踊ることができるんだ!」ととても嬉しかったです。このお衣装にぴったり合う様に踊らなければ・・・とようやく自分のお役にしっかり向き合うことが出来るようになったのです。

■他人と自分を比べてしまう

実はこの思考から解き放たれたのは、ほんのつい最近。

何がきっかけだったのか・・・実はよく分からないんですよね。

抽象的で申し訳ないのですが、それは「積み重ね」なのかもしれません。

鍛錬の積み重ね、読書の積み重ね、人様との出会いの積み重ね、コミュニケーションの積み重ね、感動の積み重ね、感謝の積み重ね、成功体験の積み重ね、失敗の積み重ね・・・。

でも、肩の力が抜けはじめて「歳を重ねると、どんどん色んなことから解放されていく気がする。何だか楽しい」と思える様になったのはここ2年くらいの出来事です。

だから、もし「大人まりちゃん」が「17歳のまりちゃん」に言えることがあるとすれば「とにかく焦らないで」ということだと思います。

17歳まりちゃん的にも、「人様と自分を比べる」という行為がアホらしいことなのは分かっていいました。でも、そのループに落ちてしまう。結果として「こんな風に考える自分は、やっぱりダメなのだ」とお得意の「自己否定」が始まる。

ただ、必ずその負のスパイラルから抜け出せる瞬間があります。

そのきっかけは、先ほどのお衣装合わせの様に「超些細なこと」だったりするわけです。だから、立ち止まっていても顔だけは俯かずに前を見据えていれば、ある時、フッとそういう「些細なこと」が目の前に必ず降って来るのです。

そういう事を何回も経験して行くうちに、言い方は悪いですがだんだんとお腹の中が図太くなっていきます。だから、焦って自己否定をしたり、闇雲に走り回るなよ、と言いたいです。

もちろん、17歳まりちゃんは焦りまくって頭を色々なところにぶつけましたが、無駄な経験は一つとしてなかった、とも言えますので、まぁ良しとしましょう笑

■きっと、最後

17歳のまりちゃんに話を戻します。

衣装合わせ以降、ようやく心が晴々としたまりちゃんは、ヘタクソなりに出来る事を頑張ろうと思える様になりました。五人組と一緒に踊るパートもあるのですが、みんなで踊る事を楽しめる様にもなりました。

何より、泣いても笑っても、この五人で踊るのはきっと最後

私は今年落ちてしまったらもう宝塚受験はやめようと思っていましたし、あいちゃんとあやこは私よりも一つ上のお姉さんでした。

それまで、みんなにずっとライバル心を燃やし続けていた自分が馬鹿みたいだなぁと思いました。そんな風に思っている間、すごく苦しかったのです。でも、そういう感情を手放したらとっても楽になって、今までの時間は一体なんだったのだろうという感じでした。

そして迎えた本番。

すごく舞台が温かくて、踊っていて気持ち良かったです。五人のチームワークもバッチリだったんじゃないかな。

ソロパートでも、みんながそれぞれに自分の役割を全うしました。もう下手とか上手いとかそういうことではなく、とにかく全うしました

その後に控える「模擬試験」でも大きな失敗はなく、ヘタクソでもまりちゃん的にはやり切ることが出来た気がしました。それよりも、他のメンバーがキラキラしていて・・・その姿にとても心が温かくなり、感動しておりました。

本当に、良い友人に巡り合えたと思います。


そして、そんな私たちはついに一次試験当日へと突き進んでいくのでした。

ということで、本日はこれ切り・・・是非、次回も逢いにいらしてください♪

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日本舞踊家 / 宝塚歌劇団出身 / 前世は巫女、白拍子らしい / 双子座は「素敵なクソガキ」/ 自然、水の流れ、神社、龍、白蛇、美味しいご飯、猫、サメ、車、三島由紀夫、泉鏡花、山本タカト、COMME des GARCONS、ハンニバル・レクター ■気ままに更新予定■

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宝塚音楽学校入学、宝塚歌劇団へ入団。 星組生として活動するも、自身の壁に打ち当たり、退団。その後明治大学へ・・・。 そんなすったもんだを経て、現在は日本舞踊家として活動するという珍妙な経歴を持つまりちゃんの汗と涙と笑いのヒストリーをまとめました。

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