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24.「令和の白拍子」 宝塚音楽学校へ〜殺気立つ高校時代(受験ラストチャンス編2)

「令和の白拍子」こと、花柳まり草(はなやぎまりくさ)こと、まりちゃんです。

いよいよ、「宝塚音楽学校受験生生活編」もラスト。

ちょうど先日、同期生(92期)の仲良しさん達と会う機会があったのですが、彼女達も、この拙い記事を読んでくれているということで・・・。とっても嬉しかったです!
彼女たちも、自身の大切な時期のことを思い出しながら読んでくれているとのこと。とても共感出来る部分が多いのはもちろん、ダークサイドまりちゃんの部分についてかなり正直に記述されているのが面白い、とのお言葉!!!なかなかそうした本音の部分は簡単に吐露出来ることではないから、読んでいてとても興味深い、と言ってくれました。

境遇を同じくした「戦友」のような友人たちが言ってくれる言葉はとても真実味があるし、ものすごい力をまりちゃんに与えてくれました。
何年経っても、たとえ少し距離をおく時期があったとしても、戦友たちとの「絆」というのはやはり私にとっては特別なもので、これからも大事にし続けたいと思ったのでありました!

ということで、24本目となりました今回の記事は、ついに「運命を決した合格発表」について書いていきたいと思います。

それでは、早速参りましょう!!!

■ふるえる

宝塚大橋のたもとにある、宝塚音楽学校の正面玄関。

その脇に掲示板が設置され、合格発表の時間になると、二つ折りの木の板が本科生の皆様の手で「バーーーン!」と開けられることになっています。

一瞬の沈黙の後、断末魔の叫びと喜びの歌が同時に湧き上がり、あとは地獄絵図。合格でも不合格でも、その場にいる全員が涙を流す・・・というカオス空間が出来上がります。

一年前も、まりちゃんはこの現場を体験していたはずでした。しかも、今年の試験が終わった後は「ここまでやり切って、これで落ちたら仕方がない」とまで思えていたはずでした。ですが、まだ開かれていない掲示板を目の前にすると、急に足が震え出しました。

「やっぱり、死ぬほど、合格していたい。これで番号がなかったら・・・そんな世界は想像が出来ません。不合格だったら、私は本当に死んでしまうかもしれない。神様、どうかお願いします。私を武庫川の人間にして下さい」

・・・と今更祈ったところでどうしようもないのです。が、急に不安というより恐怖に近い感情が猛然とまりちゃんに襲いかかってきました。

今か今か・・・

あれほど時間が進むことが遅く感じられたことは、17年間の人生で初めてでした。一次試験の結果を待っていた「ベランダ時間」より500倍くらい長い時間が経ったような気がしました。

そして、とうとうやってきたのです。「バーーーン!」の瞬間が。

■うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっつ

・・・・・・・・・

あっ・・・・

あった・・・

・・・・・・ある!!!!!!!!!

そうなんです。その掲示板に、自分の受験番号があったんです。

受験票にくっきりと書いてある、私の番号。何回も何回も見直したために、すっかり覚えてしまったその番号。それが、確かに掲示板に書いてありました。

大袈裟ではなく、誇張ではなく、「世界が変わった」と感じた瞬間でした。

これから待ち受けていることに対する不安と期待。そして、今までやってきたことが報われた喜び。「これで死なずにすんだ」とも思いました。

「合格者の方はこちらからお入り下さい!!」

ついに、「タカラジェンヌの卵」としてまりちゃんは音楽学校の校舎の中に迎え入れられたのでした。

本科生達の笑顔、「おめでとう」というお言葉、そして拍手。

雲の上を歩いているようでした。本当に、世界が変わったのです。

もしこのまま音楽学校で頑張って、晴れて劇団生になったら、私の肩書には「元タカラジェンヌ」と一生ついて回ることになるんだ!!(なんだその感想)

■世界が変わっちゃった件

仲良し五人組受験生メンバーからは、私とひでことお嬢が合格し、晴れて三人で92期生となりました。一緒に頑張ったメンバー・・・できれば全員で合格したかったです。どんなに悔しかったか分かりませんが、二人は笑顔で私たちを送り出してくれました。

私が逆の立場だったら、それは絶対にできないことです。本当に、すごい友人たちだと思います。

大妻高等学校を中退することに、何の未練もありませんでした。初めて実家を離れ、全く土地勘のない宝塚市で過ごすことにも、あまり不安はありませんでした。

まりちゃんの目は、前しか向いていませんでした。

しかし、大好きな大好きな朝比奈先生のバレエレッスンや、心の拠り所であった關根先生のレッスンが受けられなくなってしまうことは本当に辛かったです。

また、辛いとか厳しいとか言われまくっている宝塚での生活。その辛さは、厳しさは、一体どんなものなのか。何が辛いのか、どんな風に厳しいのか・・・そんなことに想像を巡らせ、寮生活に備えて無印良品で買い物をしたりして過ごしました。

とにかく、世界が違って見えました。

合格した結果、「宝塚予科生」というのが、新たにまりちゃんに与えられた役割。自分の立場が変わると、内面も変わり、「世界」はそれまでとは全く違った関わり方をしてきました。本当に不思議なものです。

■当時を振り返って思う、現在のまりちゃんの心境

この時も思いました。今もたまに思います。

「初めからそうなることが決まっているシナリオの中で、まりちゃんは生きているような気がする」と。

こんなことも思います。

「そのシナリオを積極的に受け入れて、自分の道を生き切ったもん勝ちだな」と。

人生は、「ドラクエ」だと思っています。「ファイナルファンタジー」だとも思っています。ついでにシェイクスピアの言葉も思い出したりします。

とにかく、楽しんだ者勝ちです。だって、ドラクエなんですよ。人と比べても無意味です。いっぱいスライム倒してレベル上げて、高い装備品買って、ボスを余裕で蹴散らしたいんです。職業は、強いけど理知的な匂いがする魔法戦士がいいです。

「自分の人生、超最高だぜ」って自分で自分に言ってあげなかったら、一体どこのどいつが言ってくれるんだと思います。

何があっても、例え悲しい出来事や辛い出来事があっても、後から振り返れば、全て「レベル上げチャンスのボス戦」です。

実は宝塚音楽学校から劇団生活まで、まりちゃんの精神と身体はブレにブレまくるのですが、今から振り返れば、そのぐちゃぐちゃだった時期があるからこそ、今のクソガキまりちゃんが健在でいられます。

そんな愛おしい時期のこと、諸々のコンプライアンスに触れない範囲で、次回から少しずつ書いていきたいなと思います。

さ、というわけで本日はこれ切り・・・是非、次回も逢いにいらしてください♪

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