婚活10年目の軌跡と育児休暇を経て婚活ライターの道へ
ライターのわたなべ真理子です。
婚活には、理想のパートナーに出会うための前向きな活動として捉える人もいれば、結婚に対する周囲の期待やプレッシャーに悩む人もいます。
インタビュー企画第5回では、10年間の婚活を経て、40歳のときに運命の相手と出会い、結婚を果たした山本昌弘さんのストーリーをご紹介します。
山本さんは家族を大事にしたいという思いが人一倍強く、念願の第一子が誕生した年に「育休」という選択をしました。
男性の育休取得に対する社会的な理解がいまだ進んでいない中で、山本さんはどのように育休を取得したのか。10年間の婚活を通じて得たもの、パートナーシップの築き方、そしてWebライターへの新たな挑戦などを深掘りしていきます。
山本さんの詳しい紹介はこちらから↓
「家族が欲しい」という思いと10年間のトライ&エラー
ーー山本さんは婚活を10年間続けてこられたそうですが、結婚に対してどのような思いを抱いていたのでしょうか?
社会人になってから、ずっと一人暮らしをしていたので、家族がいることの大切さを感じていました。困ったときに一人だと心細いじゃないですか…。支えてもらえる存在があることがありがたいなと切実に思っていたんです。
ーー結婚イベントやパーティーにはどれくらい参加していたのですか?
カップリングパーティだけでも50回以上は参加しました。結婚相談所には最終的に3社登録し、お見合いも25回ほど行いましたね。
毎週末は情報誌を見たり、インターネットで婚活イベントを探したりして、出会いのチャンスを逃さないようにしていました。
「行動しなければ何も変わらない」という思いで、とにかく動き続けていたと思います。
ーー婚活では、どんなことに苦労しましたか?
出会いの場に頻繁に参加しているのに、なぜパートナーが見つからないのだろうとひどく落ち込むことが何度もありました。もともと悩みやすい性格なので、お見合いやイベントでアプローチした際に断られると、その理由を延々と考えてしまって。
自分のどこが悪かったのか、と長い期間引きずることもありました。 特に何度も同じような結果が続くと、「自分には結婚なんて無理かもしれない」と思い詰めたことも。
それでも諦めきれず、その都度気持ちを切り替えながら続けてきました。
ーーそれは辛かったですね。気持ちを切り替えるきっかけになった出来事やアドバイスはあったのですか?
結婚相談所の場合だと、スタッフの方に相談して客観的なアドバイスをもらうことで、気持ちを切り替えることができました。
「もしかしたら自分本位だったかな」「相手の話をちゃんと聞けていなかったかも」と気づくことが多く、反省する機会がたくさんありましたね。
それから、自分の日常の行動や習慣にも目を向けました。たとえば、食事の仕方があまりきれいではなかったことに気づいて、「これが原因かもしれない」と思い、少しずつ直すようにしたんです。
結婚願望が強かったので、周囲の意見には素直に耳を傾け、自分を変えていこうという努力を重ねてきました。
10年の努力が実を結び、理想のパートナーと巡り合う
ーー婚活を10年続けた結果、ついに理想のパートナーに出会ったとのことですが、その出会いに至るまでの経緯を教えていただけますか?
僕の勤務先は全国転勤がある総合スーパーですが、主に中国、四国地方が勤務地でした。
しかし、ある日突然北海道への転勤が決まり、全く知らない土地に引っ越すことになったんです。この転勤をきっかけに、「ここで絶対に結婚相手を見つけるぞ!」と強く決意し、短期集中で婚活を始めました。
まずはカップリングパーティに10回以上参加しましたが、カップルにはなれなかったんですよね。それで心機一転し、結婚相談所を3社掛け持ちしながら婚活を続けました。
複数の相談所を利用したことでさまざまな出会いを経験することができ、ようやく理想のパートナーと出会うことができたんです。
ーーおめでとうございます。これまでの努力が実ったんですね。
ありがとうございます。いま振り返ると、この10年間の試行錯誤がなければ、今の奥さんとは出会えなかったと思います。
この10年でたくさん失敗を経験し、そのたびに相手を思いやる気持ちが深まったと感じています。振り返ると、自分の中で「こういう人と一緒になりたい」というイメージも明確になっていたのもよかったのかもしれません。
念願の赤ちゃん誕生と「育休」という選択
ーー結婚後、5年目にお子さんが生まれた際に育休を取る選択をされたとのことですが、会社や上司の反応はどうでしたか?
うちの会社には育休制度自体は整っているのですが、男性が10ヶ月も育休を取るのは珍しく、正直言ってあまり良い顔をされませんでした。
女性のパートさんたちは子育てを経験しているので、僕が現場を離れることを快く受け入れてくれましたが、上司の理解を得るのは大変でしたね。
「男性が1年も育児休暇を取るなんて聞いたことがない」「現場を長期間離れる穴埋めはどうするんだ」といった否定的な意見もありました。
それでも、家族を大事にしたいという強い気持ちと子育てに関わりたい思いを丁寧に伝えた結果、最終的には納得してもらい、無事に育休を取得することができました。
ーー実際に育休を取得してみてどうでしたか?
育児休暇を取ったことで、家族との絆が深まり、子どもと過ごす幸せを実感できました。
また、仕事を離れて家庭の中での役割や育児の大切さを改めて認識することができ、視野が広がる貴重な機会にもなりました。男性の長期育休が難しい環境も多い中、1年間の育休を取得できたことに対して、会社には心から感謝しています。
ただ、子育てサロンに行くと、「偉いですね」と言われることが多く、男性の育休取得がまだ少数派だと実感しました。
子育てが女性の役割とされる意識が根強く残っていると感じたので、男性ももっと育児に積極的に参加すべきだと思いましたね。
ーー育休中に家族との時間を持つことで、仕事や人生に対する考え方も変わったのではないでしょうか?
育休中に家族との時間を大切にする中で、仕事や人生に対する向き合い方が大きく変わりました。妻は札幌で教師をしているため、基本的に地元を離れることができません。一方、私は転勤族で、会社から辞令が出れば断れない状況です。
このような環境の中で、家族との時間を守るためには、どうしても自分のキャリアを柔軟に考え直す必要がありました。
そこで、場所に縛られずに働けるWebライターに興味を持ち、今後のキャリア設計を真剣に考え始めました。
Webライターへの挑戦とその壁
ーーなるほど、家族のことを考えての選択だったんですね。Webライターという仕事なら、育休中の自宅での時間を活用して、隙間時間で取り組むことも可能ですからね。実際はじめてみてどうでしたか?
最初は苦労が続き、悩むことが多かったです。初心者向けの案件を取れるようになったものの、文字単価が高い案件に応募すると、競争率は20倍に膨れ上がります。
採用されるのは簡単ではありませんでした。そのため、何度も文章を提出し、自分の課題を見つめ直しながら、少しずつ改善していきました。
ーー改善とは、具体的に何をされたのですか?
改善の転機となったのは、note運用チャレンジ部の主宰者である山口なつめさんから、メンバーのマインドマップで思考整理するライターばんびさんによる壁打ちセッションをすすめられたことです。
実は、なつめさんとはハピシュアの初心者ライター講座で出会いました。彼女が講座の講師を務めていたんです。
その後、個別の無料相談を受け、最終的にnote運用チャレンジ部に参加することを決めました。
ーー私もばんびさんの壁打ちセッションを受けてポートフォリオを大幅に見直しました。それまでブランディングがまったくできていないことに気づかされたのですが、山本さんはセッションを通じてどんな変化や気づきがありましたか?
壁打ちセッションを通して、自分の強みを明確にすることができました。それまでは文章のスキルを上げることばかりに集中していましたが、ばんびさんとの対話を通じて、自分がこれまで経験してきた婚活や育休のエピソードが、他の人にとって価値のある情報になると気づかされたんです。
この気づきをきっかけに、自分の肩書きを「婚活ライター」に変更することに決めました。
実際に婚活経験を基にした記事を執筆してみると、自信を持って書けるようになり、最終的には婚活に関するKindle本を出版する予定にまで至ったんです。
ーー本の発売は、2025年2月頃を予定しているとのことです。
ばんびさんの強みを活かしたポートフォリオづくりの壁打ちセッションはこちらから↓
ーー山本さんは金融ジャンルにもお詳しいと伺いました。ファイナンシャルプランナーや簿記の資格をお持ちとのことですが、それらの資格や知識はWebライターの仕事にどのように活かされていますか?
インデックス投資や高配当株投資を5年間経験したこと、さらに確定拠出年金を実践してきたことが、金融ジャンルの記事執筆に大いに役立っています。
特に、投資初心者向けの記事やNISA、iDeCoなどの制度解説記事を執筆する際に、実体験を基にした具体的なアドバイスを盛り込むことができるのが僕の強みです。
たとえば、「新NISAとは?」「旧NISAとの違い」などを記事にして、読者が投資に関する理解を深め、実際に活用する際の参考にしてもらえると感じています。
今後の目標
ーー育休明けから本業と並行してWebライターの仕事を続ける予定とのことですが、今後の目標についてお聞かせいただけますか?
婚活期間が10年と長く、失敗から学んだことが多かったので、同じように悩んでいる人の力になりたいです。Webライターとして安定した収入が得られれば、会社員の給料より減っても構わないと思っています。
それより、家族との時間を大切にしたい、それが僕にとっては一番なんです。
ーー現在婚活中の方へ向けて、何かアドバイスや励ましのメッセージをいただけますか?
もっとも大事なのは、相手を思いやる気持ちです。それは婚活も育児も共通して言えることだと思います。
10年間の婚活を通じて、条件や顔、仕事などの表面的なものにこだわる人が非常に多いことを感じました。
しかし、そういったことで選んだ相手とは長続きしないことが多いと実感しています。
僕は婚活において、年齢や条件にはこだわらず、一番に重視したのはお互いを尊重し合い、仲良く寄り添いながら歩んでいけるかどうかでした。相手に求めるだけではなく、相手の気持ちを考えて行動できることが大切だといまも考えています。
そうした思いやりの気持ちがあれば、きっと自分にとって素晴らしいパートナーと巡り合えますよ。
インタビューを終えて
インタビュー中、山本さんは「何かあったら遠慮なく言ってくださいね」とか「趣旨とズレていないか」など、細やかな気配りを見せてくれました。
まさに、10年間の婚活で学び得た「相手を思いやる気持ち」が、私との対話の中でも要所要所に見受けられたのです。
パートナーシップについて話が及んだとき、山本さんはどんなに忙しくても奥さまとの会話を大切にしていると話してくれました。付き合いが長くなるとつい、「言わなくてもわかる」と思いがちですが、山本さんはどんなに忙しくても、些細なことでもしっかり話し合うよう心がけているそうです。
今回のお話は婚活だけでなく、Webライターの仕事にも通じる部分がありました。それは、継続すること、失敗を改善していくこと。どちらも、着実に進んでいくことで、大きな成果につながるということです。
山本さん、この度は貴重なお話しをありがとうございました。
インタビュアーの紹介
改めまして、私は山形県在住のブックライター・取材ライターで、SEO記事も書いています。
経営者や起業家の方々の想いを言語化し、魅力的なストーリーに仕立てるのが得意です。noteでは、自主企画のインタビュー記事を配信中。
書籍化の企画も担当しています。もし、印象的な経験や心に残るエピソードがあれば、ぜひお知らせください。それが、次の企画のきっかけになるかもしれません!
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