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配信ライブ12ヶ月2〜配信の春〜

準備

2020年の春はMarinoと配信の機材を買い集めるのに奔走した。カメラの他にオーディオインターフェイスも必要と、Atem miniを急いでMarinoがオークションで手に入れた。(その後すぐに品切れになって、入手困難になった)。カメラはソニーのα6400と、gopro hero7 blackを買った。

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機材を勉強するために、Marinoは朝から晩までYouTubeで使い方の動画を見ていた。時には投稿者本人に電話をかけて質問したりしていた。わたしは1年間のプランを練り、場所とスタッフを探すことにした。また、チケットサービスを比較して投げ銭のやり方を研究した。peatixは以前、ライブチケットを買ったことがあり便利だったので使ってみることにした。

場所・日程

第1回の場所は大事だ。初めてだからうまくはできないだろうが1年続ければ技術も上達するだろう。試行錯誤するしかない。成長をわかってもらえるよう最初はできるだけセットもシンプルにがらんとした場所がいいと、友達のおがっち(FM山陰「おがっちのレトロ本舗」パーソナリティー)が運営しているレンタルスペース「カルチャースペースさらん」を借りることにした。ここはセミナーや講習会に使われるスペースだが、コロナ禍でなかなか人を集めるイベントができないでいるそうだ。

実際の配信日は2020年4月17日(金)と決める。何もかも初めてなのでいきなり本番はこわい。それで本番さながらのゲネプロを4月14日(火)に行うことにする。

スタッフ

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配信動画のこだわりの優先順位としては1位が音、その次が映像である。ミュージックビデオを作るのではなくライブを届けるのだから、音響は専門家を頼みたい。そのころ、FBで奥田隆さんのライブ中継の投稿を見つけた。マイトリーの奥田さやかさんのライブを配信していたのだった。音もいいし、映像がきれいだったのでこの人にお願いしてみたいと思った。

奥田さんとはほとんど面識がなかったが、さやかさんのことはよく知っているので、すぐに連絡して紹介してもらった。2人はご夫婦である。聞けば、その配信を奥田さんは1人でやっているという。音響、撮影、配信もできる人なら頼もしい。経費や密回避の面からも、大勢を頼むのは難しいのだ。投げ銭がどれくらい集まるかわからないのでギャランティは多く提示できなかったけれど試みに賛同してくれて奥田さんは快く引き受けてくれた。

奥田さんはOBSというソフトで配信をしているそうだ。これで映像と音を混ぜたり、画面の切り替え(スイッチャー)もしている。Atem miniも使ってみたかったが、初回なので奥田さんのやり方でやってもらうことにした(次回からAtem miniをスイッチャーとして使う)。

第1回配信@カルチャースペースさらん

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4月14日のゲネプロはうまくいってバックアップ映像を撮ることもできた。もし、本番中に何かアクシデントがあっても映像を切り替えればよいので気持ちはいくぶん楽だ。

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スクールMARIKOのスタッフ若槻俊也さんと、おがっちも手伝いに駆けつけてくれて、いよいよ本番。モニターでYouTubeのチャットを見ながら双方向でのやりとりを目指したけれど、動画と音のずれ、パソコン画面とのタイムラグがあってうまくいかなかった。ここをどう改善するかが、次回の課題となる。

フィードバック

この配信は、再生回数も過去の他の動画と比べて多かった。きっと機材などを見て研究している人が多かったのだと思う。他の人のライブを見るのは勉強になる。久保田麻琴さんからは配信後すぐに連絡あり、音響についてアドバイスをいただいた。奥田さんは恐縮しつつも喜んでいた。感謝です。

第2回配信@Music Bar Birthday

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全国的に出ていた緊急事態宣言は解除になった。5月はわたしの部室とも言えるお店「Music Bar Birthday」で行うことにした。セッティングは前日にして、5月15日の本番の日ゲネプロも行った。4月の配信時の遅延はwifiのアップロードのネットワークが不安定だったためだがここでは大丈夫だった。

いざやってみると、ゲネプロを本番とおなじ日に行うと、疲れる(笑)、ということがわかった。やれカメラの位置がとか、照明の当て方がとか、撮影はこまごましたことに時間がとられる。40分弱の動画を撮影するのに何倍も時間がかかってしまう。ここは次回の課題。

配信の前に、Marinoがちょっとしたムービーを挿入することを提案してくれた。お店の紹介になっていいかもしれない。

協力

SNSで配信のことを告知していたら、東京でお世話になっているスタイリストの藤崎コウイチさんが衣装提供を申し出てくださった。どの人もその人なりの協力をしてくれるのが嬉しい。また、わたしたちの配信のことを知って、見学したいという人も現れる。島根県民会館のスタッフの方で、配信にも興味があるので、どんな風にやっているのか見てみたいとのことだった。照明のアイディアなどサジェストしてもらって助かった。できることならこんな風に配信をやりたい人を全部集めて勉強会をしたいところだった。

取材

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また、この日のことを聞きつけてNHK松江放送局から取材の依頼入る。ディレクターとともに音声さん、カメラさんが来られた。わたしたちの即席配信チームと違って、機材は上等だし、経験も豊かなので、取材されるついでにこちらからも質問して教えてもらう。やはり餅は餅屋、勉強になる。逆に配信機材についてこちらのスタッフから教える場面もあり、和気藹々と情報交換をしているのを見ると幸せな気持ちになる。

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第3回配信@喫茶MG

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ひと月が経つのはあっという間。第3回は松江ピープルの心のふるさと「喫茶MG」に決める。ここは開業50周年を迎えた老舗の喫茶店で、ギタリストの山本恭司さんや、俳優の佐野史郎さんが学生時代から通っていることでも知られている。お店の看板娘あっちゃんにお店で配信させてもらうよう頼むととても喜んでくれた。

配信ライブをスタートしてから初の共演ゲストを呼ぶ。これまでスタッフとして裏方をやってくれたMarinoにsaxを演奏してもらうことに。そのかわり、スタッフの手が足りなくなるので、映像カメラマンのOさんと、Mくんに手伝ってもらう。

店休日(土曜日)を使ってゲネプロ(6月6日)と本番(6月13日)を行うことにした。漫画や雑誌の置いてある棚や入り口近くのスペースをステージと決めてキーボードのセッティングをする。

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通信速度問題

ここでの心配は、やはり通信環境だった。スタッフと相談した末、wifiは使わずイーサネット(有線LAN)を使うことにした。ゲネプロは、電波の具合を確かめるために本番と同じ時間にしたかったが、お店の都合もあり昼間に行った。回線はその時はなんとか大丈夫だったのだが・・・。

本番の夜は雨になった。配信を始めてすぐのこと、途中で画面が止まってしまったと視聴者からチャットで知らされる(MGのでっかいテレビをモニターがわりに使う)。ここはアップロードが遅い。時間帯で回線の環境が変わったのかも知れない。すぐに再開したが、最初とYouTubeのURLが変わってしまっていたのに気づかず周知が遅れ、迷子になった視聴者がたくさんいた。うーん、やはり回線の環境で配信が左右されるのはよくない。通信速度問題これから考えていかなければならない。

感想

配信プラットフォームをYouTubeにしたのは、配信ライブを見るのに一番ハードルが低そうだったからだ。ただYouTubeは無料動画サイトなので、チケット料はいただけない。無料で見せて、心ある方にはチケットサービスを使って投げ銭としてサポートをいただくという苦肉の策を考えた。コロナで生活のきつい人もあろう。そういう人には無料で見てもらってかまわない。

見えないコロナの不安に気持ちの落ちている当時、みんなが見られる無料動画をとやってみたのだが、音楽のみならずわたしたちの配信のドタバタ劇が楽しかったと感想をいただき恐縮した。ご家族で見たという方もあり嬉しかった。わたしたちも楽しかったです。そして、あらためて映像の世界の奥深さに恐れ入ってしまった。1周回ってやっぱりプロはすごいと思ったのだ。

覚書

Mariko Hamada Live stream vol.1

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日時:2020年4月17日(金)
出演:浜田真理子(p,vo)
会場:カルチャースペースさらん(松江)
音響:配信:奥田隆
撮影:Marino、若槻俊也
デザイン:Marino
選曲:1港が見える丘
   2ひそやかなうた
   3かなしみ
   4爪紅のワルツ
   5恋ごころ
   6あなたへ

Mariko Hamada Live stream vol.2

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日時:2020年5月15日(金)
出演:浜田真理子(p,vo)
会場:music bar Birthday(松江)
音響:配信:奥田隆 
撮影:Marino
衣装協力:藤崎コウイチ
選曲:1Song Never Song
   2教訓1
   3離別〜I'm so lonesome I could cry
   4のこされし者のうた
   5純愛
   6さよならをもう一度

Mariko Hamada Live stream vol.3

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日時:2020年6月13日(土)
出演:浜田真理子(p,vo)
ゲスト:Marino (s.sax, t.sax)
会場:喫茶MG(松江)
音響:撮影:配信:奥田隆ほか2名 
衣装協力:藤崎コウイチ
選曲:1夢の中で泣いた
   2赤い風船
   3春の嵐の夜の手品師
   4Danny Boy
   5ロード
   6水の都に雨が降る

☆長文お読みいただきありがとうございました。「配信ライブ12ヶ月3〜天空の夏〜」に続きます。

一週間に一度くらいの頻度で記事をアップできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。