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疑似家族への憧れ⑤BANANA FISH

冷戦×アクション×ヒューマンドラマ×いろいろ少女マンガ

吉田秋生「BANANA FISH」は硬派なマンガである。
舞台は1980年代のNY・ダウンタウン(治安悪い)。
「バナナフィッシュ」という謎のキーワードを巡って繰り広げられる、
ストリートギャングとマフィアの抗争だ。

掲載誌は「別冊少女コミック」。そう、少女マンガだけど。

類まれな美貌とIQ180を超える頭脳を持つが、暗い過去に悩まされる美少年・アッシュの存在が少女マンガであることを思い出させてくれる。
一方で、彼が心寄せるのは、心優しい日本人青年・英二。
(この時代の少女マンガは男性同士のプラトニック・ラブが多かった。)

「オレが怖いか?」「まさか」

この台詞は2回出てくる。
バブル時代の日本から来た純朴な英二を前に、
暴力で敵を倒していくアッシュが、
嫌われるのではないかと不安を感じるシーンである。

英二はすかさず「まさか」と返す。この信頼関係よ…!

血のつながりではない、国(やいろんな意味で世界)
を超えた、友情とも愛情ともつかない関係性に夢中になっていた。



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