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週報20240415-21

この週報はアーティスト井口真理子が、福岡県宗像市大島という離島を舞台に、「一日も無駄にせず、慈しんで生きる」というモットーのもと暮らす、その記録である。
毎週末に、先週号を振り返りつつ、当週号を書き綴る形式のため、配信は1週間ずらしている。
マガジンのサブタイトル「心技体」は、今年の書初であり、その1年における自分との約束である。

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4月第3週、朝型生活を継続中。
ひとことで言うと、今週も大充実。
特に、ソーシャルタイムを満喫した1週間であった。

月曜、福岡市内へ。
夜は、知人のトークイベントへ。
文筆家の方が刊行されているマガジンの出版記念で、今回取材を受けた喫茶店オーナーさんが、現在にいたるまでのストーリーを語るという企画。
自分らしく生き、自分で仕事をつくるって、すごいことだ。
アーティストやクリエイターにも通じることだが、自営業特有の道なき道を開墾していく過程には、紆余曲折や試行錯誤による、蛇行の跡がつきものだ。
その跡は、実にうつくしい。その人にしかない味わいとなって、だんだん滲み出てくる。それがオーラの源泉となり、目には見えない潤いとなる。
人間的魅力に富んだオーナーさんの所以を垣間見れ、文筆家さんたちとの交流もあり、心にあたたかなお土産をいただいたのだった。

火曜、半日はひとりでのんびり。
最近、日々を惜しんで暮らすあまり、やや詰まり気味に。
この日は余白をテーマに、六本松エリアを散歩したり、インドカレーに舌鼓を打ったり、珈琲を嗜んだり、気ままに過ごした。
午後、京都から友人が博多駅に到着。
木工職人であり、なんでもできる頼もしい人だ。今回は個展用の大型パネル制作の依頼をしている。
作業は大島だが、せっかくなので福岡市内でおもてなしすべく、お迎えに。

福岡では、その大切な友人を、これまた大切な友人たちに紹介した。
サードプレイスとも呼べる、気のおけないコミュニティが彼らである。
暮らしのチャレンジを実践している個性豊かなメンバーに、職人も早々に打ち解けた様子だった。類は友を呼ぶものだ。思わず笑みがこぼれる。

友人たちと、タコしゃぶ宴会

水曜、友人をあちらこちらへと、案内。イチオシの皿うどんの名店、老舗の焙煎珈琲屋さん。その後、おしゃべり時々沈黙の散歩タイム。Artist Cafeでの展覧会、舞鶴公園、大濠公園、福岡城跡、などなど。普段はもちろん目上の人には敬語で話すけれど。私は、年の離れたこの友人に限っては、タメ口で話す。愛称とセットで。

そう頻繁に会うわけでもないのに、会うと気を遣わずに話せる人って、貴重だな、と思う。今までも何度となく力を貸してくれた人。
出会えてよかった、そう心から思える人。
ご縁に感謝。何かお返ししなくちゃね。

沈黙もまたよし

木曜、資材調達へ。朝は友人とパネルの寸法確認や制作・展示方法などの打ち合わせ。
その後、大島から強力な助っ人Mさんが駆けつけてくださり。
福岡市内を後にし、一同宗像方面へ向かう。ランチは資さんうどん。安定の美味しさであった。
いつもお世話になっているMさんと旧友の引き合わせもなんだか嬉しいような、照れ臭いような、偶発的出会いの不思議さを、一人かみしめていた。

巨大なホームセンターに到着、そちらで資材・木材などの調達を。職人の目は細かいところまで行き届く。想像は互いに得意。想像フィールドの中でああだこうだと用途や用法を議論しながら、選定は進む。
事前に木材は必要数を計算し、取り置きを店舗スタッフさんに電話で依頼しておいたので、無事購入でき一安心。段取りした過去の自分にハイタッチ。カットしてもらっている間に、細かな部品などを調達していく。umiba(大島旧村役場)での、染め布インストール用の部品や、別途自分が制作依頼を受けているタペストリー作品の展示用部品など、職人と議論を重ねながら最適案を固めていく。

資材や部品調達の後は、園芸コーナーへ。
島で畑仕事をしている方から「鍬は持っとった方がええねぇ」と聞いていたので、鍬と、野菜の苗などを購入。先週に引き続き、今週も畑づくりをやる予定だ。先週は土起こしまで完了。今週の目標は、土壌改善と苗植え、種まき。それからイノシシ対策。

ホームセンターを後にし、ビジネスパートナーのKさんが運営されている、オーベルジュを見学したり、スーパーで食品買い出しもして、大島に戻った。

金曜、友人と資材の確認、パネル制作開始。
そして私は農協に行き、牛糞堆肥や苦土石灰などを購入。
うむ、人生で初めてだ、糞を買うのは(笑)。
先日、土起こしを手伝ってくださった農家さんへ、返礼品を携えてご挨拶に。近々、今度はイノシシ除けの鉄柵を取り付けてくださることに。
本当にありがたや、ありがたや.......。そして何より、楽しみだ。

なお、大島に戻ったので、朝活のラジオ体操、地域見守り隊も再開した。

芸術家兼農家か

土曜、友人が体調を崩してしまい、パネル制作は一時中断。養生第一に過ごしてもらった。生姜がゆを作るなど看病しつつ。朝から農家のTさんが来てくださり、イノシシ除けの鉄柵設置を手伝ってくださった。手際よく、もはや手の延長かというくらい工具と一体化した、頼もしいその手で、あらゆる道具を駆使されて、Tさんはあっという間に設置してしまった。すごい。畝を作ったり、苗を植えたり。種を撒いたり。ゴーヤの蔓用に、竹を取ってきたり。位置や組み合わせを教えていただいたり。様々な知恵を授かるのであった。前回のユンボでの土起こしから1週間足らずで、こんなに立派な畑ができた…….!!
Tさんをお見送りし、完成した畑を眺めて、しばらくぼーっと感動に浸る私であった。

農家さんは、かっこいい。そして、晴天時は、大忙しだ。
ご挨拶やお礼に伺う際にも、晴天時は夜か、もしくは雨天時でないとご不在のことが多い。まさに、晴耕雨読である。
この日も事前に天気予報を見て来てくださり、ちょうど作業が終わったころに雨が降ってきた。私も午後は珈琲を飲みながら読書をして過ごした。
読書中、絵が天から舞い降りて来たので、そこからは下絵制作に励んだ。
夜は、ご近所の方にいただいた鯵を三枚おろしに。以前よりは上達し、しっかり身が取れるようにはなったけれど、見栄えは改善の余地あり。引き続き、練習あるのみ。

刺身、味噌汁、漬け丼、唐揚げなどに変身

日曜、友人が回復。
スローに行きましょうということで、まぁ世間的には一応日曜でもあるし(普段自分たちにはあまり関係ないけれど)、無理せずやりましょう、という感じでスタート。お世話になっている方のお家を訪問したり、お話したりして有意義に過ごせた。友人と話したり、こうやって週報を執筆したり。
お昼ごはんは鯵パーティーでお腹いっぱいに。贅沢なことだなぁ。ありがたや。

今週も、周りの人々への感謝でいっぱいの、実り多き日々であった。




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