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JAPAN⇄CANADA 3-4

学校も順調でした。日本に帰れたことがいい方向に向いたようで、何事にもかなり前向きに取り組めるようになりました。英語や社会は相変わらず苦労しましたが、数学や理科などは問題が読めて、単語を覚えさえすれば日本での授業となんら変わらないので割と楽に取り組めました。


2年目も音楽と美術の授業を取りました。音楽ではこの年からトランペットでジャズバンドにも挑戦しました。グランパ(おじいちゃん)から譲り受けたトランペットを何もせずにそのまま置いておくのも悲しかったし、この頃の私はかなりチャレンジ精神に満ちていたので、新しい風をいっぱい入れたくて再びトランペットを手に撮りました。最初はやっぱり苦労しましたが、リズムや音階はもちろん今までの経験で身につけていたので、楽しく演奏ができました。音楽の先生も私の変化を喜んでいたようで、去年と比べて見違えるほど明るくなったし、話すようになったねと声をかけてくれました。カナダでの生活に本来の私、いやそれ以上の私がそこにはありました。前の年には想像もしていなかったくらい毎日が楽しくて仕方ありませんでした。 


美術の授業もArt-20と言って2年目に取るクラスを受講しました。先生が昨年と変わらなかったので始めから居心地良く作業に取り組めました。2年目は1年目と比べて自由に表現する機会が増えました。この頃から、私は描く作品に意味やメッセージを込めて描くようになりました。ここ辺りが「イラストレーション」という概念について考えはじめるようになった時期です。デジタル制作にも興味が出てきてタプレットの存在を知りました。そしてインターネットでいろんなイラストを見出すようにもなりました。 


さらにこの頃から風景のもつ魅力も感じていくようになりました。ただ単に空があって雲があって、って感じではなく、ある一瞬に見える景色と感情全てが風景なんだと感じました。写真を撮るときには考えていたことだったのに絵を描くときに今までそう考えたことがなかったのに今更ながら驚かされます。新しいことにチャレンジしていく中で、油絵にも挑戦しました。はじめての油絵は最初は苦戦したけれど、だんだんもキャンパスの上で色を混ぜ、筆を頻繁に交換し、満足のいく作品に仕上げることができました。今見ると修正したい所が目についてしまうのですが、ターニングポイントになったありがたい作品です。今でもカナダの家族の住んでいるお家に飾ってもらってます。


引っ越し当初からお世話になっている先生とは、毎週火曜日、弟と先生と私の3人でお昼ご飯を食べることを習慣としていました。週に1回は必ず会って、近況をいろいろ話していました。楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、苦しいこともいっぱい吐き出してそれに先生もしっかり答えてくれていて、とても有意義な昼食の時間を過ごしていました。もちろん、マーチングに入ったことも知らせていたので、そのことについてもいっぱい話をしました。弟はどう思っていたか知りませんが、私は火曜日のお昼がとても楽しみでした。そしてこれがかなり支えになっていました。学校に、なんでも言える先生がいたことに対して、とても恵まれているなと感じました。ありがたかったし、嬉しかったです。


そんなこんなで1年目と比べて2年目は充実度が増した分、時間もあっという間に過ぎていきました。

-つづく-

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