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「太陽2068」観劇ノート

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2014年夏、蜷川幸雄演出「太陽2068」の観劇の記録です。
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2014年7月7日(初日)19:00

2014年7月7日(初日)19:00

開演前、座席に座って、天井からのライトを浴びて、幕が上がる前の舞台を見上げてるだけで、「幸せ…」しみじみとかみしめました。
綾野さんの主演舞台「太陽2068」のことが発表されたのが今年の1月28日。約半年後の今日この日を無事迎えられて本当によかった。綾野さん語録を借りるなら、「生きててよかった」!

■初めてのシアターコクーン

蜷川舞台も初めて、シアターコクーンも初めて、でした。

広さは通って

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鉄彦の変化を追う

鉄彦の変化を追う

2回目の観劇は同じく夜公演。初日との違いを感じたところを、綾野さん演じる鉄彦を中心に書き留めておきたいと思います。

※「違い」は、単に初日に私が気づいていなかった・読み取れなかったのと、芝居自体が変わってるのと、曖昧な記憶をもとに判断しているので、「初日からそうだったよ!」という場合もあるかと思います…すみません。
鑑賞・批評のプロではなくむしろ苦手で、感想を言語化する訓練の意味もこめて個人的な

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音楽の話

音楽の話

いろいろ言われている(?)音楽についてメモ。
(いずれも、情報収集していてキャッチしたものです(わたしは音楽素人…)。教えてくださった方に感謝!)

スタッフで「選曲」の方が明記されている場合もあると思いますが、プログラムを見ても太陽2068は特に書いてないので、やはり蜷川さん御本人の選曲?

(1)◆オープニング―10年前
???
???

(2)◆1幕ラストの鉄彦と森繁
Sigur Rós
O

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てつひこれくしょん

てつひこれくしょん

アドリブ集…というとちょっと違うのかもしれません。回ごとに違うあそびのあるシーン、そして回ごと挑戦して日々変化・進化してきているシーンの私的コレクションです(例のごとく鉄彦中心)。十何回と観ている方もいらっしゃるようなので、私の観たのはごく一部ですが、それでも、毎回違った部分があるから全部観たくなる! (以下、時系列順でつれづれにメモ。)

■封鎖解除の日
強制される「がんばります!」のシーン。純

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綾野さんと客席のこと

綾野さんと客席のこと

はじめ、マイナスなことは文字に残したくないなと考えていたけれど、観劇の記録として、やっぱり感じたことは全部書いておきたいと思ったので、今回はそんな話を。
でもリアルタイムではなかなか書けなくて、今、もう私の中でその問題は解決したなと思えたので、やっと書いてみます。

綾野さんは今や、知る人ぞ知るどころか誰もが知っている存在に。客席のけっこうな割合が綾野さんを見に来ている。あっちゃんや成宮さんをはじ

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森繁の喜怒哀楽

森繁の喜怒哀楽

最初は鉄彦ばっかり目で追っていたのですが、どんどん森繁のことが好きに…(というかこの舞台、出ている方のことがみんな大好きになっていってしまいます!)

最初のころって、森繁のキャラクターは、かなりクールで大人な印象だったのですが、2週目あたりからコミカル度が増したような。
金田医師が最初に往診に来る場面、初日はきちんと起きてたと思うのですが、その後観た時は、居眠りからのびっくり起きで、森繁の素のラ

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太陽というタイトル

太陽というタイトル

今さらのようですが、タイトルについて。

「太陽」も「2068」もわかるようでわからない。太陽という言葉が出てくる台詞はそれほど多くないし…。
といっても、色々と意味を考えうる、ひろくイメージを喚起する言葉だから、とくにこれだ、と意味を決める必要はないけれど、初日以来なんとなく考えていました。

(まあ難しいこと考えなくても「鉄彦の存在自体が太陽です!」で十分なんですけど、わたしにとっては(笑))

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2014年8月3日(千秋楽)14:00

2014年8月3日(千秋楽)14:00

東京地方は朝から気温が30度を超え、外に立っているだけで汗が伝う暑い日でした。
24日間、32公演を締めくくる千秋楽の日がいよいよやってきました。あと何日、と数えるたびに、無事の完走を祈る気持ちと、いつまでも終わってほしくないような気持ちとで複雑でしたが、泣いても笑っても今日で最後。

泣いても笑っても。文字通り、本当に、たくさん笑い、そして泣きました。
奇しくも初日と同じ座席での観劇となり、初め

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百日紅は咲きつづけ

百日紅は咲きつづけ

あれから、まだ一週間経っていないのに、もういろいろなことが懐かしくてたまりません。
夏という季節のせいもあるのかなあ…
暑い陽射しの中、渋谷の坂の上に通った日々は忘れない思い出です。

渋谷駅からシアターコクーンに向かう道のりで、文化村通りの街路樹として植えられていた百日紅(さるすべり)がとても印象的でした。その名の通り、長い期間、花を咲かせて楽しませてくれる木です。
今はもう舞台の幕は降りていて

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The Perfect Insider/Outsider

「すべてがFになる」の感想…ではなくて、だいぶ時間経ってしまいましたが、テレビで観た太陽2068の感想です。

■舞台をテレビで観るということ
10月の放送の後すぐ書こうと思っていたのに、なんというか、よい意味でも悪い意味でもなく、予想以上に言葉が出て来なくて…。
あれだけ舞台に通ってしまうとどうしても、独立した映像作品というより、上演記録として見てしまい、「よし、この場面はちゃんと記録されてる!

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