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KIKASETE絵本「アイとロン」とジブリ映画「もののけ姫」で製鉄について考える

KIKASETEのコンテンツ担当合志です。

KIKASETEにはオリジナル絵本がたくさんあります。
楽しいお話、ほろっと泣きそうになるお話、勉強になるお話、どれもたくさんの方に届いてほしいなと思うものばかりです。

クイズやスピーチ問題についても、これを入れたい、あれも面白いかもと思いつつも、泣く泣くコンテンツに組み込めなかったものがあります。

コンテンツ担当が考える「KIKASETEをもっと楽しめるかもしれない話」や、「KIKASETEから派生して考えたこと」を発信していきます。

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KIKASETEのオリジナル絵本「アイとロン」は、鉄鉱石のアイとロンが、製鉄所で冒険しながら立派な鋼鉄になるというお話。

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作家さんは日本製鉄株式会社 東日本製鉄所まで足を運んで取材してくださり、製鉄所の中でどんなことが起きているか、またそれらはどこに使われるのか、とてもわかりやすく描かれています!

製鉄といえば2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」で記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「アイとロン」のお話は、近代の製鉄技術に関するお話ですが、日本の製鉄の歴史は、弥生時代くらいまでさかのぼると言われています。

大陸から朝鮮半島を通じて日本列島に入ってきた製鉄の技術は、今の中国地方を中心に全国で栄えました。

江戸時代まで続く長い歴史の中で、その技術は進化し生産量や質が向上していったそうです。

ジブリ映画の「もののけ姫」では、「たたら場」が重要な舞台として出てきます。たたら場は昔の製鉄所にあたります。

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たたら場で女の人たちが一斉に板を踏んでいるのを、アシタカが見て手伝うシーンがあります。

たくさんの鉄をつくるためには、大量の空気が必要なので、鞴(ふいご)と呼ばれる送風機を使い、人力で空気を送り込んでいる様子だそうです。

他にもできた鉄を検品しているシーンなどもあり、1つの行程にたくさんの人が関わっていて、昔は多くの人の手を介してものづくりが行われていた様子が描かれています。

一方、「アイとロン」で登場するのは、鉄鉱石、石灰石、コークスといった材料となる鉱物たちで、製鉄所の機械によって鉄ができます。

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機械を活用することで、人間の手作業で実現するのは難しい、品質の高い鉄を大量につくることができるようになりました。

何も考えずに見ると、同じものを作っているとは分からないくらい異なる光景。しかし、やっていることの本質やそこで起こっている化学反応が似ているというのが、なんだか不思議です。

2つの作品を通して、今の時代を生きている私は普通に生活するだけでも高度な技術の恩恵を受けていることを感じます。一方で、昔の手づくりのあたたかさやありがたみを感じられそうな昔のスタイルを羨ましく思う気持ちも芽生えます。

工業化された製鉄所が舞台の「アイとロン」、昔のたたら製鉄のシーンがでてくる「もののけ姫」。比較して見てみると、共通点に気づいたり、歴史や科学に興味が湧いたり、新たな発見があったりするかもしれません。

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ちなみに、島根県雲南市の「菅谷たたら」には昔のたたら製鉄の施設が史跡として残っているところです。もののけ姫のたたら場に近いものを現実に見ることができるようなので、いつか行ってみたい場所の1つです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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参考:

出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~
https://tetsunomichi.gr.jp

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