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笑うから鏡のように、涙がこぼれたよ

「3年間で何を得たの?」

そう聞かれたのはほんの数か月前。
その時のやり取りを思い出していた。

もしかして、進んでいるどころか後退してるんじゃないだろうかと不安にかられている今日この頃。

「このままじゃまずい」と人生に対して危機感を持っていたのがちょうど3年前のこと。そこから仕事も変わって、好きな空間に身を置きたくて引っ越しもして、その頃には全然考えていなかったところまできた。
でも、どこか取り残されていて、思い描いていた未来に近づいているとは思えない日常を過ごしている。

*

「きっと将来、1人で生きていかないといけないんだろう。どれぐらいの期間かはわからないけれど」

いつからかずっとそう思っていて。
何かあったらすぐに泣いて、すぐに落ち込んでしまう自分が1人で生きていくためには、ただ強くなるしかないんだと言い聞かせて、大事なものを色々と投げ捨てながら進もうともがいていた。

それでも、ずっと不安は消えなかったし「うまくいっている」なんて思ったことは一度もなかった。満足している生活には程遠くて、時間もお金も人間関係もなくしていくばかりで、ずっと前を見てきたはずなのに何も手には残っていない現実に寒気がする。
先が見えなくて怖くて、いつだって泣きそうなのをこらえながら日々を過ごしたかったんだっけ。

*

こんな時はなぜか決まって小さい頃を思い出す。
幼いながらに、毎日ってうまくいかないと思っていた遠い過去を。

人一倍何をするにも時間がかかっていた。
運動も苦手だったから体育の時間も嫌いだったし、人と話すことも今よりもずっとずっと苦手だった。

思い返すと、今でも胸がちくりと痛む。きっと「できなかったこと」に対してじゃない。周りが普通にできることが、すごく難しくて、怖くて、できなくて取り残されて惨めな気持ちでいたことが。その光景を俯瞰している自分がいたことも。

何だかずっと人生を(勝手に)ハードモードだと感じている。
いつまでも思い返す度に、変わってないな、大事なところは昔のまんまでいるんだなと、弱ったときに顔を覗かせる。

とはいえ、ね。

何度も「関西に帰る」と言い続けては東京で5年も暮らしているなんて思わなかったし、誰も知らないところでそれなりに楽しく過ごしてこれたのは、苦手な人間関係のおかげ。
相変わらず喋るのは苦手だけど、初めまして、からの縁がこんなに楽しいものなんて私にしたら上出来だ。

そろそろ出来なかったことも許してあげたい、と思う。
それから、それでも諦められないことや好きなことに目を向けたい。

ちょうどイヤホンから優しくきらきらと流れてきたアリア。藤くんの声と歌詞が染み渡る。こうしてまた特別な1曲になるんだ。

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