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微小変化型ネフローゼ症候群と共に生きる

私は今、指定難病と一緒に暮らしている。

微小変化型ネフローゼ症候群。

この名前を知っている人はどれくらいいるかな?


微小変化型ネフローゼ症候群とは

微小変化型ネフローゼ症候群は、「一次性ネフローゼ」の一種。
尿に蛋白がたくさん出てしまうために、血液中の蛋白が減って(低蛋白血症)、結果、むくみ(浮腫)が起こる疾患。尿がぶくぶくーと泡立つこともある。 

※ここからはネットからの抜粋です。

ステロイドに良好に反応することが知られ、予後良好とされている一方で、再発を繰り返しやすく、ステロイドの長期投与による副作用が臨床上問題となる場合があるため、専門医によるきめ細やかな治療が要求される。

小児に好発するが、成人においても、わが国の一次性ネフローゼ症候群の40%近くを占める重要な疾患。ステロイドに対する反応性は良好で、最終的には90%以上の症例で寛解に至るが、小児では90%の症例が1カ月以内に寛解するのに対し、成人では30~60% と低く、初期反応不良例が多い。再発の頻度は高く、30~70%に認められ、その一部が頻回再発型やステロイド依存性を呈する。これらの症例においては、長期的なステロイドの使用や免疫抑制薬の併用が必要となることがあるため、副作用を最小限にして再発を防ぐことが重要になる。

初めて聞いたら訳わからなくなりそうじゃない?

でも、私の体内ではこの魔物が5年間、今も支配しているんだよ。


発症から入院

発症の前兆は高校3年生の時。

膝や足首がなくなったと言えばいいのかな。
いきなり足がまっすぐ一直線になった。
足の甲から指先まで、太ももの太さくらいにパンパンで、パンツもサンダルも履けなかった。

その時は市販の漢方薬を飲んで治まったから、大丈夫だろ—なんて能天気だったな。


だけど、翌年5月。また同じ現象が起きた。
大学進学で関東に引っ越したばかりだった。
地の利も分からず、とりあえず家から一駅の大病院へ。

そこで告げられた満2カ月の入院生活。

絶望と暗いままじゃダメだって言う気持ちと
何かモヤモヤしたものと戦った。ストレスに勝たなきゃって必死だった。

5年が経過した現在は、2~3カ月に一度通院中。 薬で再発を防ぐ毎日。マスクもたまにつけている。前は2重につけてた。免疫力が薬で低下しているから。インフルエンザのワクチンも打てない。

ちなみに、飲み忘れは死に直面するんだって。一回凄く怒られた。

 魔物はいつ増えるか分からないんだよ。


持病があるって見えないよね

そんな生活なのに、私は周りから病気を持つ人とは認識されない。

だって見えないもん。病気を持っているなんて。

車いすにも乗っていない。人工呼吸器も付けていない。

目に見える、分かりやすいものがない。

至って健康に見えるんだって。

薬の副作用が多いなんて、知らない人は分からない。

そんな風に見せているっていうのも理由の一つかもしれないけどね。

法整備もあり、少しずつ生き辛さを無くしていこう!という動きがあってもまだまだ広まってなくて

だから、「皆と同じことができるよ」なんて見栄を張ったこともある。

それくらい、目に見えるものがないと分かろうとしない世の中もまだ広がっている。


退職

私はこの病気が一つの理由で、会社員を辞めた。

営業だったんだけど、ついていけなかった。

自分を甘く見ていた。

病気のことを伝えていたら、少しは違ったのかな。

言えないよね、新卒で、たった一人の入社だったから。(中小企業でした)

ネフローゼのせいにはしたくないけど、やっぱり考えちゃう。


この病気だから出会えた世界

でもね、この病気だから知ることができた世界もあったんだ。

難病持ちの方を支援をしている人。違う病気でも、寄り添うことができると活動を続ける人。

病気と上手に向き合って生活をする人。

いっぱい、いっぱいいるんだよ。

だから、ネフローゼにありがとうって言えるときもある。

私にこの世界を知るきっかけをくれてって。

この出会いで気付いた。

自分の中の魔物と戦いながら生きている人は沢山いる。

このことが広まる世界はいつ来るんだろう、

そう思って、「広めるために何かしよう」と少し前向きに考えているのが、今の私。


「微小変化型ネフローゼ症候群」

これは私に新しい世界を見せてくれたもの。

いつかお別れができるように、私は今日も一緒に生きている。

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@maria_nkym

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