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つみたてNISAって何?メリット・デメリットも徹底解説!


人生100年時代といわれる現代、老後に向けた投資を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、働き盛りで資金がなくまとまった金額を投資に回すのは難しいという声が多いのも事実です。

住居費や教育費がかかり、数十万も投資に使えないという方は「つみたてNISA」を活用するのをおすすめします。

この記事では少額から始められるつみたてNISAの仕組み、メリット・デメリット、購入方法について紹介します。

つみたてNISAとは?

つみたてNISAとは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

2018年に制度が始まってから利用者数は年々増加しており、2022年6月では417万口座あります。

年代別で見ると30代・40代が多く、投資への関心の高さが伺えますね。

本章では、つみたてNISAの仕組みや一般NISAの違いについて解説します。

【参照:金融庁】
NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)

つみたてNISAの仕組み

つみたてNISAは名前の通り、非課税枠の口座で毎月決まった金額をコツコツ積み立てる制度です。

通常の投資では、利益に対して20.315%課税されますが、つみたてNISAを利用すれば税金はかかりません。年間40万円の非課税枠が利用を始めた年から20年間利用できます。

毎年の非課税枠を最大限使ったとすると、

「40万円×20年=800万円」

合計で800万円も税金がかからずに投資可能です。

満18歳以上の国内居住者の方であれば利用できます。

つみたてNISAの対象商品

つみたてNISAは投資できる商品の種類が決まっています。
あらかじめ金融庁が定めた基準を満たした商品の中から、自分が好きなものを選びます。

投資対象は株式、債券、リート、バランス型など様々です。
いずれの商品も購入時の手数料がかからず、運用中にかかる信託報酬も低く抑えられているので、初めて投資をする方でもコストを抑えながら運用できるので安心ですね。

【参照:金融庁 つみたてNISAの概要】
つみたてNISAの概要 
【参照:金融庁 つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)】
つみたてNISAの対象商品 : 金融庁 (fsa.go.jp)

一般NISAとの違い

一般NISAとの違いは大きく分けて3点あります。
1点目は非課税枠、2点目は購入方法、3点目は対象商品です。

非課税枠の違い
つみたてNISAは年間40万円の非課税枠が20年あるのに対し、一般NISAは120万円の非課税期間が5年あります。

トータルの投資金額はつみたてNISAのほうが多くなりますが、まとまった資金がある方は一般NISAを利用する方法もあります。

購入方法の違い
投資信託の購入方法は二通りあります。コツコツ積み立てする方法とまとめて一括で購入する方法です。

つみたてNISAは毎月コツコツ積み立てる方法に限定されますが、一般NISAは積み立てでも一括でも購入できます。両方を併用して投資する方法もあります。

例えば、120万円の非課税枠のうち、最初に100万円でまとめて購入し、残りの20万円を積み立てで購入するというパターンです。

対象商品の違い
つみたてNISAと一般NISAでは買える商品が変わってきます。

つみたてNISAでは金融庁の基準を満たした投資信託に限定されているのに対し、一般NISAでは投資信託に加え国内株式(ETF、リートを含む)なども対象になります。

例えば、株主優待が欲しい人は一般NISAで株式投資を行った方が良いでしょう。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAのメリットは下記の通りです。

  • 運用益・分配益が非課税

  • 少額から始められる

  • 手数料が低く抑えられる

  • ドルコスト平均法を使える

  • 資金が必要になったら解約できる

それぞれについて解説します。

運用益・分配金が非課税

つみたてNISAの口座で購入した投資信託については、利益や分配金に税金がかかりません。

通常、投資信託で利益が出た場合には20.315%の税金がかかります。
例えば100万円投資して120万円に増えたとすると、

「20万円×20.315%=40,630円」

つみたてNISAの口座で投資すると、この40,630円がかからなくなります。
銀行に預金しても利息がほとんどつかない時代に、非課税で投資できるのはかなりメリットがあると言えます。

少額から始められる

年間40万円を超えない範囲で毎月の積立金額を決められます。

積立金額や積立頻度は金融機関によって異なりますが、大手ネット証券では100円から始められるところもあります。

また、積立金額は途中で変更できます。

例えば、月2万円で始めて収入が増えたら月3万円に増やす、教育費がかかるから月1万円に減らすといった対応ができます。

ライフスタイルの変化に対応できるのも安心ですね。

手数料が低く抑えられる

つみたてNISAの対象商品は購入時の手数料がかからず、運用中にかかる信託報酬が低く抑えられています。

将来に向けて長期間運用するので、手数料は低いに越したことありません。

手数料がかからない分投資に回せる資金が多くなり、効率良く投資ができるのです。

ドルコスト平均法が使える

毎月一定の金額を積み立てることで、基準価額が高いときは購入する口数が減り、基準価額が低いときは購入する口数が増えます。これを「ドルコスト平均法」といいます。

長期にわたり続けることで1口あたりの価額が平準化されるメリットがあります。

高い価額で購入した分を低い価額で購入した分でカバーでき、投資する期間が長いほど利益が出る可能性が高くなります。

【参照:金融庁】
投資の基本 : 金融庁 (fsa.go.jp)

複利の恩恵を得られる

複利運用の恩恵を受けられることも大きなメリットです。

運用によって得た利益を分配金として支払わず、元本と合わせて運用することでさらに利益を生み出します。

例えば、毎月5万円を年率3%の商品で20年間運用すると、最終的には1,641万円になります。
投資元本1,200万円に対して441万円プラスになっており、3割ほど増えて受け取れるのです。

【参照:金融庁】

資産運用シミュレーション : 金融庁 (fsa.go.jp)

資金が必要になったら解約できる

投資を始める際に「急にお金が必要になったらどうしよう」と考える方も多いのではないでしょうか。

つみたてNISAは資金が必要になったらいつでも解約できます。

ただし、解約する際は金融機関や市場の休業日には解約できない点や、解約してもすぐに資金が受け取れない点、損失が発生する可能性がある点に注意が必要です。

時間に余裕をもって対応するといいでしょう。


つみたてNISAのデメリット

メリットがある一方で、デメリットもあります。
こちらもしっかり確認しておきましょう。

損した時に税制のメリットを受けられない

非課税のメリットは購入した投資信託に利益が出てこそ受けられるものです。
損した場合はこのメリットは受けられないことになります。

また、課税口座で利用できる損益通算や損失の繰延べも受けられません。

例えばA商品で30万円の利益、B商品で20万円の損失が出た場合、課税口座であれば差額の10万円にのみ税金がかかります。

これを損益通算といいます。

損失の繰延べとは、投資信託で損失が出た場合に、最長3年間は将来の利益と通算できる制度です。

買える商品が限定される

数ある投資信託の中でも、つみたてNISAで買えるのは金融庁の基準を満たした商品のみです。

つみたてNISAのラインナップはほとんどが指数に連動するインデックス型投資信託です。

対象にならない投資信託を買いたい場合は一般NISAを利用する方法があります。

つみたてNISAの購入方法

つみたてNISAを購入するには、金融機関でつみたてNISAの口座を開く必要があります。

購入金額や購入日などの条件をあらかじめ設定すると、届け出た預金口座から自動的に引き落としされます。

手続きには本人確認資料、マイナンバー確認資料、印鑑などが必要です。

つみたてNISAの口座は1人1つのみ、一般NISAとの併用はできないため注意してください。

まとめ

人生100年時代に備えた投資の一つとして、つみたてNISAについて解説しました。

つみたてNISAのメリットは下記の通りです。

  • 利益が非課税になる。

  • まとまった資金がない方でも月々100円~気軽に始められる。

  • 途中解約ができる。

  • ドル・コスト平均法により高値掴みするリスクを抑えられる。

デメリットは、相場環境によっては損失を抱える可能性があること、損益通算や損失の繰り延べができない点があります。

投資は自己責任になりますが、メリットとデメリットを確認し、ご自身に合った投資方法を検討してみてはいかがでしょうか。


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