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カウンセリング以外のカウンセラーの仕事(カウンセリングルームを開業した個人的な話28)

※カウンセリングルームの経営に役立つ普遍的な話は、個人的な話の後に書く予定です。
※この記事は目次に沿って書いています。

カウンセリングの仕事を始めた頃から、なんとなく目にしていて、年数が進むにつれなんとなく理解できるようになったこと。

臨床心理のベテランの先生や、ネットで見かける開業カウンセラーの方たちを見ていると、年々カウンセリング以外の仕事にシフトしていくことが多いように感じました。そうではない先生ももちろんいらっしゃいますが……。

具体的には、本の執筆、講演会、講座の講師、たまにメディア露出などです。講座の講師の場合は、ある程度著名になっている方だと、法人資格を授与する代わりに、独自の「~の弟子」という肩書を卒業された方に与え、その弟子の方たちはそのように名乗り、カウンセリングなどの活動をしているようでした。

初めの頃は、何故カウンセリングをしたくてカウンセラーになったのに、年数を経ると、カウンセリング以外のことをするようになるのかな、とぼんやりとした疑問を持っていました。

例えばですが、1対1でカウンセリングをして、目の前のクライエントさまの人生の一端に関わる、ということも大切な仕事なのでしょうが、次第に、この1対1で生涯で関われる人の数が限られていることに気づくからかもしれません。
自分がカウンセリングを実際にしてきて、学んだ技術を広め、次世代に伝え、それが多くのクライエントさんに広まっていけばよいと考えると、本や講座などをするほうが、効率がよいのかもしれません。

また、カウンセリングだと、お受けする件数に限りがあるために、他の方法でもっと効率の良い収入を得ることで、カウンセリングルームを存続させることが可能になるからかもしれません(そのように本に書いていらっしゃる先生もいました)。
人によっては、講演を受けるほうが準備に要した時間に比べ、ペイできないので積極的ではない方もいらっしゃるようです。

また、最近だとカウンセリングよりも先に、SNSでの「集客」を頑張るという順番になる場合もあるようです。

いずれにしても、内容は、民間の方だとオリジナリティを色濃くして、オンリーワンのものにし、上に書いたような媒体を通して情報発信されてる方が多いように感じます。

また、私自身、多くの研修会に参加してきましたが、大学の教授陣の場合は、独自理論ではなく、臨床心理学として学者が発表したものをベースに、事例や演習などを加えて講師を務めることが基本のように感じます。

私はといえば、初期の頃から、まずは自主開催で「ワークショップ」という形で取り組みました。
子育て中の方が参加しやすいよう、午前中から昼すぎにかけて時間設定をし、ケーキセットやお花のお土産をつけてみたり、と女性スタッフとアイディアを出しながら開催したこともありました。
それは、直接「心理学で心を楽にしましょう」と当事者の方にお伝えするのが目的でした。

また、カウンセリングの技術の講座も開催しました。カウンセラーになるわけでなくても、カウンセラーになるための学びの内容は日常生活も豊かにするものだと実感したので、それをお伝えしたかったこともあります。

ブログも書きました。特に、開業直後のお客さまがあまりいらっしゃらなかった時は、時間もあるし、習いたての学びなど書きたいことも沢山あったからです。

そのうち、カウンセリングの仕事がコンスタントに入るようになってからは、ブログを書くことができなくなりました。
それは、書く時間が少なくなったこともありますが、仮に「その日カウンセリングを受けたクライエントさまが、その日に私が書いた記事を読んでどう感じるか」と考えたら筆が止まってしまったのです。
今日、あのカウンセラーにこんな話をした、泣いてしまった、受けとめてもらった……といった特別な経験をした日に、そのカウンセラーのブログを開いたら、淡々と明るい記事を書いていた、とか、これは自分のことだろうか、など余計な思いをさせたくない、という自己規制が働いたのです。

主催講座は、広告に出しても、そこまで人が集まらないことがわかり、次第に少なくなっていきました。
後に、アートセラピーの資格を取得してから、またワークショップなどを開くようにはなりましたが、地方の一都市での心理学系の講座については、開催するほうの温度感と参加する方の温度感が違う場合があります。
よほどタレント的にしっかりとプロデュースし、ある程度著名な方なら別かもしれませんが、自分の場合は、「想い」はあるものの、そこまで広告の中の小さな文字だけで人を惹きつけたり、多くの人に認知していただくことは残念ながらできませんでした。

ただ、こういった「多くの人に伝えたい」という心の灯が消えたわけではありません。
これからの課題でもあるので、「発信」については諦めず取り組んでいこうと思っています。

気をつけなければならないと思うのは、最初から収入の当てにすることを目的としている場合です。
たとえば、ある講座に申し込んだとして、月に1回、半年で全6回、一回2時間、それで、○○万円、というようなもの。
それは、1対1でコツコツとカウンセリングをすることに比べると、1対多数で一度に入ってくる収入はとても魅力的に感じる側面があるのです。

私も人間なので、単純に計算するとそうだな、と思うことがあります。
ただ、その金額に見合う内容のコンテンツが作れたら、の話です。
先に、お金を目的にしてしまったら終わりだと思います。

また、受ける側としては、日々「(あなたも稼げますよ的な)おいしい話」の広告を目にすることがあるかもしれません。中身をしっかりと見極める必要があるかもしれません。
何事も経験なので、そういう意味でマイナスになることはないかもしれませんが、その講座を受けて何を得られるのか、終わったあとで、自分の目的を叶えられるのか、しっかりビジョンを相手の方と確認したうえで、また、契約関係も確認して受けられることをお勧めします。

私自身も「民間の力」があったからこそ、専門の大学卒業というコースではなくともこうして心理の仕事をできています。
でも、時々手痛い失敗をした、と感じることも正直あります。玉石混合の現代、見る目を養うことも必要だな、と感じています。

というわけで、心理カウンセラーの「カウンセリング以外の仕事」について、思うことをつらつら書いてみました。


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