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話を半分に割り引いても、怖い~『新版 ショック!! やっぱりあぶない電磁波 忍びよる電磁波被害から身を守る』(船瀬俊介)~

ショッキングな本を読みました。



題名そのままで、私たちの身の回りにあり、かつ増えつつある人工的な電磁波の恐ろしさを説いた本です。


リニアや5Gの危険性は理解できたし、私もなるべく電磁波を浴びないようにしようとは思いました。ただし、ちょっと書いてあることをそのまま100%受け入れる気にはなれません。その理由はというと、


①同じことの繰り返しが多い

筆者は恐ろしさを訴えるため、何度でも同じことを繰り返したいのだとは思いますが、逆にしつこいと取られ、耳を傾けてもらえなくなる可能性があります。


②根拠とする写真に、よく分からないものがある

例えば60ページに、細胞にマイクロ波を20分間照射した後の写真が載っているのですが、「細胞表面に亀裂が入っている」とあっても、どこに亀裂があるのか、見方がよく分かりません。


③データが古い

出てくるデータや論文に、古いものが結構多いです。やはりなるべく新しいデータや論文を使用しないと、信じてもらえないのではないでしょうか。例えば74ページに児童・生徒の携帯電話の使用率のデータが載っているのですが、2013年のものではあまりに古すぎます。


④誤字脱字、文法の誤り、書き間違い、矛盾点がある。

例えば276ページに、「日本は若者三四人中三三人(三%)が不妊レベル!」という小見出しがあるのですが、これはもちろん3%ではなく、97%の間違いです。ちゃんと本文を読めば、3%が誤りであることは分かりますけど。

電線の地下化についても、頭上にある電線の地下化を勧めているかと思えば、「足元からも電磁波が!」と書いてある場所もあり、どっちにすれば良いのか分かりません。

こういった書き間違い等があると、内容全体の信頼性が下がりかねないのではないでしょうか。編集者や出版社が、もっと丁寧に校正をすべきです。


何だかディスった評になってしまいましたが、この本が多くの人に読まれないのは、あまりにもったいないと思ったが故のことです。人に何かを受け入れてもらうためには、冷静に、最新のデータを用いて、間違いなく伝える努力をしなければいけないと思います。ましてや、相手の無知を馬鹿にしたり攻撃したりするべきではない。知ろうとしない愚かさは、許されないことであったとしても。


とはいえ、もちろんこの本から学んだことは多いです。出来るだけ電磁波に触れないため、簡単に取り組めることはすぐ実行しました。ノートパソコンは無線ではなく有線で使うことにしましたし、マウスも無線から有線に戻しました。私はいまだガラケー使用者ですが、ギリギリまでスマホへの移行はしないことにしようと、改めて決意しました。スマホの取説に、「体の表面から二・五センチ以上離して使用してください」って書いてあるって、本当ですか?


書いてある話を半分に割り引いたとしても怖いし、知っておくべき内容かと思います。エアコンを使っても車に乗っても、もちろん電磁波を浴びるわけですが、今更こういうものの使用をやめることは出来ません。エアコンをやめて、火鉢で暖を取る暮らしに戻るなんて無理だし。


可能な限り、無理のない範囲で人工的な電磁波を避ける、というあたりが、落としどころではないでしょうか。





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