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奈良の寺社巡り⑬(薬師寺編)

旅の予定を立てた段階では、薬師寺に行く予定はありませんでした。しかし吉野から戻ってホテルの部屋でニュースを観ていたら、薬師寺の修二会花会式のことを知り、ちょうどやっているなら観にいくか、ということになったのです。ニュースでは「法要は1日6回行われる」と言っていたので、それなら午前中に1回くらいやるのかな、と思ったわけです。

しかし薬師寺に到着してすぐに、悲しい情報が判明しました。受付の方に、「法要は1時からですよ」と言われたのです。1日6回もやるのに、最初の法要が1時からって変だなと思ったのですが、それを言ったら「1日の最初の法要」と言えるものは、午前3時からなのですね。午後に偶然、町中で花会式の展示を見て分かりました。ちゃんと調べなかったのがいけないのですが、ニュースの伝え方にも問題がある気が……。

気を取り直して、まずは白鵬伽藍から参拝しました。

薬師寺東院堂

日本最古の禅堂だそうです。

薬師寺中門仁王像(阿形)

仁王像ではなく、天王像かもしれません。

薬師寺中門仁王像(吽形)


中門を通ると、正面に金堂があります。

薬師寺金堂①

修二会花会式の最終日に行われる、鬼追い式に使う大松明+灯篭越しの金堂です。


薬師寺西塔

今を去ること約30年前(!)、修学旅行で訪れた時には、いかにも新しく、「ぺかー」っという感じだった西塔も、だいぶ落ち着きが出ていました。


薬師寺の桜

無茶苦茶季節外れですが、桜の季節に訪れたのですよ。なんだか画面が粗いですが、どうやらkindleのレンズが汚れていた模様。前の日に吉野で手元が狂ってぬかるみに落としたんですよね。拭き方がいい加減だったみたい(気づくのが遅すぎる)。


薬師寺東塔

「凍れる音楽」で有名な東塔ですが、30年前は「ぺかりんこ」の西塔と比べ、やはり味があるなぁと思いました。しかし今回は東塔の壁の白さに違和感を感じました。パンフレットによれば、「平成21年より12年をかけて、初の全面解体大修理が行われた」とのことですが、ちょっと白すぎではないかと……。何だか30年前と、東塔と西塔から受ける印象が、極端に言えば逆なのです。まぁ30年経てば、落ち着くのでしょうけど(いや、もっと前に落ち着くでしょう)。


薬師寺灯篭①
薬師寺灯篭②


薬師寺金堂②


薬師寺金堂日光菩薩

花会式用に造花で飾り付けがされています。法要は見学できませんでしたが、この飾り付けを見られただけでも良かったです。

花会式を紹介する薬師寺のサイトによれば、「奈良市内の2軒の家で代々作り続けられています」とのことです。ちょっと人工的な色に感じられるのですが、実際は薬草などを用いているとのこと。

↑ちなみにこのサイトで花会式の動画が観られるのですが、鬼追い式の動画がすごいです。実際に見てみたくなりました。上記の灯篭にも火が入り、素敵でした。


花会式飾り付け

上と下2枚の写真は、町中でたまたま見かけた、花会式を紹介する展示の写真を撮ったものです。

花会式の造花①
花会式の造花②


なお金堂の薬師如来の台座模型が、東僧坊内に展示されています。

薬師如来台座模型①(朱雀)

四神が彫刻されているのですが、目につくのは蕃人(裸形の力神)ばかり……と思ったら、見るべき場所が違いました。

薬師如来台座模型②(朱雀・拡大)

蕃人の下に四神が彫られているのです。

薬師如来台座模型③(白虎)
薬師如来台座模型④(白虎)

ちなみに一見青竜のようですが、えらく胴長の白虎なのです。

薬師如来台座模型⑤(玄武)
薬師如来台座模型⑥(玄武・拡大)
薬師如来台座模型⑦(青竜)
薬師如来台座模型⑧(青竜・拡大)
薬師如来台座模型⑨

ギリシャ由来の葡萄唐草文様、ペルシャの蓮華文様に、奈良がシルクロードの終着点であることを感じます。


持統桜


雪柳


薄墨桜


30年前は無かった玄奘三蔵伽藍にも行きました。

玄奘塔

玄奘三蔵の頂骨が祀られているそうです。「不東」は高田好胤さんの字で、経典を手に入れるまでは東(中国)に帰らない、という玄奘の決意を表すとのこと。

大唐西域壁画殿で、平山郁夫さんの「大唐西域壁画」も堪能いたしました。


さて次は、唐招提寺に向かいます。



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