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「村上春樹 presents 白石加代子の怖いお話『雨月物語』」に行ってきた②~公演編~

さて、ようやく本編です。6時開場で、多分6時半頃大隈講堂に着いたのですが、続々と人が集まっていました。


大隈講堂


入口の看板

大隈講堂には映画「ショア」の上映などで入ったことがありますが、健康診断の会場だったことを思い出しました。


大隈講堂地下の照明


大隈講堂の舞台

公演中は撮影・録音禁止なので、始まる前にパチリ。2階席でしたが、ほぼセンターだったので、観やすかったです。


大隈講堂2階席の天井

大隈講堂は2007年に大規模改修工事、2019年に大規模耐震工事をしたそうで、座席もすっかりきれいになっていました。まぁそれでも公演の最後には、ちとお尻が痛くなりましたが(^-^;


7時に予定通り公演がスタート。司会は坂本美雨さん。まずは春樹さんのオープニングアドレスから。

生春樹さん、私は初めてでしたが、まぁ写真で拝見するのと同じと言えば同じでした。昨年の公演は演博前でやったそうですが、何せ隣がお寺のお墓なので、涼しい風が吹いてきて、迫力満点だったとか。解説のロバート・キャンベルさんも、この公演については、「衣擦れなどの音が聞こえた」と言っていました。

そして早慶戦の話から、有名な神宮球場で小説を書こうと思ったエピソード、現在の神宮外苑再開発の話へ。現在、多少見直しの話も出ているようで、その点は良かったですが、まだまだ気は抜けません。


ヤクルトスワローズの前身のサンケイアトムズが、あまりに弱すぎて、付けていたアトムマークを手塚治虫から剥奪されたというエピソードは、ウケました。


キャンベルさん(かっこよかった!)の解説を経て、白石加代子さんの朗読へ。来る前に今回朗読される「吉備津の釜」は予習しておきましたが、現代語訳も配布された上、スライドで白石加代子さん自身の台本を映す工夫がされていたので、原文での朗読でも、まったく問題がありませんでした。

台本に白石さん自身の手で、「サスペンス」「低く」「艶っぽく」などの書き込みがされていたのも、印象的でした。

昨年の公演の怖さを聞いてしまっていたので、大隈講堂だと怖さより楽しさが際立ちましたが、まぁこれはこれでよろし。「吉備津の釜」の後、白石さんが同じ口調のまま『夜のくもざる』から、「フリオ・イグレシアス」「トランプ」「もしょもしょ」を朗読したので、なごんでしまったというのもありますが。

↑kindle版

同じ家の周囲を執拗に回るのでも、磯良さんの霊と海亀では大違いですね。坂本さんも言っていましたが、白石さんが「フリオ・イグレシアス」というだけで、何であんなにおかしいのでしょう。そして改めて、もしょもしょがくれた「くりゃくりゃ」って何だ?


その後、春樹さんと白石さんの対談へ。白石さんが「怖い話なんて嫌いですよ!」と吐き捨てていたのが、おかしかったです。「百物語」をやった人なのに。そして春樹さんも言っていたけど、白石さんの活舌の良さは驚異的。対談の中で、春樹さんが今年肺炎にかかっていたことが明かされましたが、もう何ともないとは言っていたものの、春樹さんも年なので心配です。


国際文学館館長の十重田裕一さんの挨拶で、おしまい。予定通り、ぴったり8時半に終わったのが、すごかったです。


さて来年、白石さんが春樹さんの「鏡」か「七番目の男」を朗読するという企画は、実現するでしょうか?



今回の予習で読んだ、『雨月物語』のレビューは、以下をどうぞ。


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