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猫の背中のくぼみ

忙しい時は、薄目を開けて時間が流れるのを見ています。あまり真剣に時間と向き合うと疲れるので、薄目程度がボッチリです。

ガッと目を開けて、好きなことに真剣に向き合える日が早く来ないかなあ。


独りに居に慣れてそろりと散る残花

(ひとりいに なれてそろりと 散るざんか)

季語は「残花」です。

晩春まで残り散る桜は、残花と呼ばれて春の季語です。

独り暮らしに慣れてきた今日この頃、今から花を咲かせて散るとしましょうか。


薄氷や父とふたりの珈琲の香

(うすらいや ちちとふたりの こーひーのか)

季語は「薄氷」です。

冬とは違い、春に張る氷は薄くてすぐに溶けてしまいます。そんな儚い印象と、亡き父とふたりで飲んだ珈琲の香りも、すっかり薄くなりました。

車椅子の父を連れて、喫茶店に行くのは大変でした。でも、ショッピングセンターにある喫茶コーナーは席も広々としており、車椅子でも気になりませんでした。

でも、久しぶりに行ってみますと、いつの間にか閉店していました。だんだんと思い出の場所も減っていきます。

ここで、俳句の先輩の先輩からアドバイスを頂きました。

薄氷や父とふたりの香は珈琲

ぐっと父との関係が縮まる気がして、さらに句が締まりました。


春立つやつかまり立ちの子の瞳

(はるたつや つかまりだちの このひとみ)

季語は「春立つ」です。

赤ちゃんがつかまり立ちをしたと、ご近所のおばちゃんがはしゃいでいました。初孫かもしれないなあ。あの喜びようは。

一生懸命に踏ん張って、つかまり立ちする、幼子を詠みました。

「子」を入れたのは、つかまり立ちする他の年齢層と区別するためです。あしからず。


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猫の背のくぼみへ日永届きけり

(ねこのせの くぼみへひなが とどきけり)

季語は「日永」です。

春分を過ぎると少しずつ日が伸びて、昼間が長くなります。

猫の背中には小さな窪みがありますが、そこにも、伸びた日が届くようだという句です。


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ものづくりに往く途中にあるバスの駅です。建付けが悪そうな建物ですが、ちゃんと扉も窓も開きますよ。

あと、緑の木々の描き方が雑ですね。次回はもう少し丁寧に描こう。空は水彩スケッチ帖さんの真似ですが、真似にもほど遠いです。

張りきって1日作業をした日は、ここを通る頃には夕焼けです。ただ、今月は行けそうにありません。

今度行く頃には、早咲きの桜が咲いていそうです。

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