![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71820427/rectangle_large_type_2_4962dac95938003efadf878a6213f4e4.jpg?width=800)
猫の背中のくぼみ
忙しい時は、薄目を開けて時間が流れるのを見ています。あまり真剣に時間と向き合うと疲れるので、薄目程度がボッチリです。
ガッと目を開けて、好きなことに真剣に向き合える日が早く来ないかなあ。
独りに居に慣れてそろりと散る残花
(ひとりいに なれてそろりと 散るざんか)
季語は「残花」です。
晩春まで残り散る桜は、残花と呼ばれて春の季語です。
独り暮らしに慣れてきた今日この頃、今から花を咲かせて散るとしましょうか。
薄氷や父とふたりの珈琲の香
(うすらいや ちちとふたりの こーひーのか)
季語は「薄氷」です。
冬とは違い、春に張る氷は薄くてすぐに溶けてしまいます。そんな儚い印象と、亡き父とふたりで飲んだ珈琲の香りも、すっかり薄くなりました。
車椅子の父を連れて、喫茶店に行くのは大変でした。でも、ショッピングセンターにある喫茶コーナーは席も広々としており、車椅子でも気になりませんでした。
でも、久しぶりに行ってみますと、いつの間にか閉店していました。だんだんと思い出の場所も減っていきます。
ここで、俳句の先輩の先輩からアドバイスを頂きました。
薄氷や父とふたりの香は珈琲
ぐっと父との関係が縮まる気がして、さらに句が締まりました。
春立つやつかまり立ちの子の瞳
(はるたつや つかまりだちの このひとみ)
季語は「春立つ」です。
赤ちゃんがつかまり立ちをしたと、ご近所のおばちゃんがはしゃいでいました。初孫かもしれないなあ。あの喜びようは。
一生懸命に踏ん張って、つかまり立ちする、幼子を詠みました。
「子」を入れたのは、つかまり立ちする他の年齢層と区別するためです。あしからず。
猫の背のくぼみへ日永届きけり
(ねこのせの くぼみへひなが とどきけり)
季語は「日永」です。
春分を過ぎると少しずつ日が伸びて、昼間が長くなります。
猫の背中には小さな窪みがありますが、そこにも、伸びた日が届くようだという句です。
ものづくりに往く途中にあるバスの駅です。建付けが悪そうな建物ですが、ちゃんと扉も窓も開きますよ。
あと、緑の木々の描き方が雑ですね。次回はもう少し丁寧に描こう。空は水彩スケッチ帖さんの真似ですが、真似にもほど遠いです。
張りきって1日作業をした日は、ここを通る頃には夕焼けです。ただ、今月は行けそうにありません。
今度行く頃には、早咲きの桜が咲いていそうです。