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イケメン上司の名台詞

社会人デビューして私が入った部署は、ほとんど男だった。それも、今思うとかっこいい人が多かった。なぜ当時何とも思わなかったのか…今なら毎日鼻息を荒くして出勤するというのに。
きっと、少し年上が多かったからだと思う。あとほとんど既婚者だった。私の周りのいい男は大抵結婚している。

そんな素敵部署の部長も、やはりイケメン。
堤真一のようなイケオジ感があって、特に40代以上の女性社員から絶大な人気を誇っていた。
彼は関西人で、関西弁で喋る。その気さくさも人気の要素だった。そういえばあの部署はイケメンだけでなく関西人も多かった。女子校育ちの私を取り巻く環境は、もはや外国へ来たのと同じぐらい大きく変化した。

でも、不思議とその部署に居づらさはなかったし「男って、なんて楽な生き物なんだろう…!」とすら思っていた。今となっては男の執念深さも知ってはいるが、当時は女の陰湿な部分を散々見てきたばかりだったので男のあっさりしたコミュニケーションが心地よく感じた。実際は男女どうこうというより、たまたまそこが良い部署だったのだろう。数年後に異動した先の部署では、普通に男も面倒臭かったので。

配属の日から、私は関西弁の洗礼を受けた。「〜やんなぁ」「〜やで」「〜やんか」そういった語尾は一気に身近になり、私の日常となった。
ある日部長と話していると、会話の流れで私にこう言った。

「それは…too muchやな」

私はこの言葉が無性に気に入って、心の中にエコーし続けた。

too muchやな…

too muchやな…
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カタカナ英語とはよく言うが、当時too muchは聞いたことがなかった。響きが気に入っただけでなく、便利な表現だと思った。オブラートに包むのにとても良いなと。

私の友人に、恋愛になると突然激重オンナになってしまう人がいて、話を聞いていると「もう連絡を控えた方がいいんじゃないか?」と思うことが多々ある。
でも、自分の性格上「しつこいよ」とか直球なことはあまり言えない。そこで「too muchやな」がハマる。

「それはぁ〜、、、too muchやな」

要は「あんた、やり過ぎよ」である。英語のざっくり感をこの上なく生かしたフレーズ。
「やで」とか「やな」との相性も抜群で、関西の明るさがプラスされる。「too muchだよ」よりも「too muchやな」の方が薄ら(笑)が感じられる。

これから私はtoo much推奨委員会立ち上げメンバーとして、世に広めていきたいと思う。

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